赤い手は滅びのしるし第5版-血風のアーヴィ- 第05話
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「もう、評議会は機能しないよ。今は平時じゃなくて戦時なんだ。だから、皆アーヴィのような圧倒的な力にあこがれる。だからさ、それを僕たちも利用させてもらおうよ」 悪戯っぽい笑顔をソラナに向け、エルダンはアーヴィに耳打ちします。
2018-12-22 16:29:52「いいかい、アーヴィ、これからソラナさんの剣を受け取って、僕が言うセリフを大きな声で繰り返すんだ。そうしたら、剣の腹で彼女の肩を軽く三回打って」 アーヴィは民衆から振り向いて、ソラナ隊長の方を不思議そうに見つめます。
2018-12-22 16:30:16エルダンはソラナ隊長に振り向き、跪くように促します。 「ソラナさんも、いいね。そういうことだから」 「あの、それは、もしかして、あの・・・」
2018-12-22 16:30:42「ほら、オーディエンスはショーの続きを期待して待ってるよ。後はアドリブで、ね」 二人から少し離れ、エルダンは荘厳な音楽に切り替えます。
2018-12-22 16:30:54エルダンに促され、ソラナ隊長の剣を抜き取ったアーヴィは、エルダンの耳打ちを大きく通る声で復唱します。 「主ペイロアと聖カスバート、聖ハイローニアスの名において、我汝を・・・我汝を騎士とす。勇ましく、礼儀正しく、忠誠であれ」 そう言って、ソラナの肩を三度剣の腹で打ちます。
2018-12-22 16:31:39そして、歓声が沸き起こります。 「ソラナ隊長! いや、ソラナ様!」 「キャー ソラナ様! アーヴィ様!」 「俺たちの騎士! 俺たちの女王に万歳!」
2018-12-22 16:32:32悪戯を成功させたエルダンは、満足そうに眺めます。 「というわけだから、僕達は行くよ。君はアーヴィの名代として、必ず、皆をブリンドルまで送り届けてほしい」
2018-12-22 16:32:44ソラナは民衆の声援に応え、手を振りかえします。 「すぐに準備し、あなた方の後を追います。また、ブリンドルでお会いしましょう」
2018-12-22 16:34:04アーヴィは民衆に大声で語りかけます。 「皆、ブリンドルで会おう。大変な避難になるけど、騎士ソラナに任せたから安心だ。頑張ってくれ!」
2018-12-22 16:34:18こうして、ドレリンの渡しの放棄を決定した英雄達は、一足先にブリンドルに戻ります。 ブリンドルで情報と資源を集め、赤い手に打撃を加える算段をつけねばなりません。
2018-12-22 16:34:33成り行きで王として立つことになったアールヴィーネ・レストと仲間の英雄達。 彼らとエルシア谷の人々の運命は、ダイスの神様のみぞ知る。
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