ファンデルヴァーの失われた鉱山‐アスコアのゲルトルート‐第07話

takataka @takataka360

「はい。何でしょう。」ウローナはその黒い瞳でトゥルーデを見つめます。

takataka @takataka360

「私は賞金稼ぎだ。依頼されたものなら「どんなものでも」倒してみせる。」トゥルーデはウローナの黒い瞳を覗き込みます。

takataka @takataka360

「君から私に、ドラゴン退治を依頼してほしい。」まるで婚姻を申し込むような優しい口調で、ウローナにお願いします。

takataka @takataka360

ウローナは、トゥルーデの手を取ります。トゥルーデに隠れる、少しの恐怖を見つけとり、それを慰めるような仕草です。

takataka @takataka360

「ドラゴンを、私の故郷を穢すドラゴンを、倒して下さい。私の賞金稼ぎさん。」ウローナは、トゥルーデの想いに応えます。

takataka @takataka360

「もちろんだ。竜の首を刎ねて君に届けよう。」トゥルーでは跪き、ウローナに首を垂れます。

takataka @takataka360

「あ、そうだ。報酬はどうしましょうか。」ウローナは、真面目な表情で考え込みます。

takataka @takataka360

「そうだな。君が何か一つ、いうことを聞いてくれる。と言うのでどうだろうか。」トゥルーデは提案します。

takataka @takataka360

「ふふふ。いいですよ。じゃあ、それでお願いしますね。」ウローナは微笑み、トゥルーデの申し入れを受けます。

takataka @takataka360

翌朝、力ない日差しが、サンダーツリーの廃墟を照らします。 シャドウフェルの影響で、朝日すら陰って見えるのです。

takataka @takataka360

トゥルーデとその仲間達は、ドラゴンを倒すべく、街の丘にある塔の廃墟に近づきます。 ルーロの呪文で隠密性と移動力を手に入れたトゥルーデとポキンが、飛行の水薬を飲み、崩れかけた塔の屋根から内部へ侵入します。

takataka @takataka360

するとそこには、シャドウフェルの影響を受け、緑から灰色にその姿を変えた、シャドウドラゴンが横たわっています。

takataka @takataka360

「このまま取る。」トゥルーデとポキンがそばへ近づきますが、シャドウドラゴンは飛び起き、2人を見下ろします。

takataka @takataka360

「このシャドウ・ファングに歯向かうか小虫ども。自らの愚かさを闇の中悔やむが良い。」ドラゴンが大きく口を開けると、その中は光を吸い込む闇となっています。

takataka @takataka360

そして、その闇が大きく膨らんだかと思うと、闇の奔流となり、トゥルーデとポキンを包み込みます。

takataka @takataka360

「つぅ。ポキン。クソッ。」トゥルーデは倒れたポキンが動かないことを確認すると、単独でドラゴンに打ち掛かります。手斧はその鱗をとらえますが、ドラゴンは身を翻し、塔の外へ飛び出します。

takataka @takataka360

「出た出た。これでもくらえ！」カイロンが塔から出たドラゴンに弩の矢を浴びせかけます。ウローナも、ありったけの魔力の矢をドラゴンに射掛けます。

takataka @takataka360

ルーロは、倒れたポキンの救助に向かいます。

takataka @takataka360

「我に歯向かうか。貴様達も闇に返してくれよう。」ドラゴンが吠え、トゥルーデとカイロンを牙と爪で引き裂きます。

takataka @takataka360

「逃げなかった。獲物が逃げなければ、仕留めるのは簡単よ。」トゥルーデはその凶暴さを遺憾無く発揮します。

takataka @takataka360

右手の手斧で強かに翼を打ち、それを斬り落とします。そして、体勢を崩したシャドウファングの首の付け根を、左手の手斧で強かに打ち付け、切断します。

takataka @takataka360

ヒュウと、シャドウドラゴンの最後の呼吸が千切れた喉から溢れます。

takataka @takataka360

トゥルーデは、跳ねた首を拾い上げ、まだジタバタと足掻く竜の胴体を踏みつけます。

takataka @takataka360

「これを、君に。」トゥルーデは、ウローナに向けて竜の首を差し出します。

takataka @takataka360

「ありがとう。私の賞金稼ぎさん。ゲルトルート。」ウローナはトゥルーデにお辞儀します。