横浜市・川崎市・藤沢市域の衆議院総選挙予測。神奈川8~10・18・19・12区。2023年統一地方選挙のデータを使用。

敬称略 参考まとめ 「横浜市域の衆議院総選挙予測。神奈川1~3・5~7区。2023年統一地方選挙のデータを使用。」 https://togetter.com/li/2344637 続きを読む
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神奈川8区(横浜市緑区・青葉区)

※県議選で無投票が生じたため、市議計で計算

2024年 三谷英弘(自民・菅)、江田憲司(立民)、維新未定、飯田能生(共産)、内田恵美子(参政)

2023年 投票率43.61% 期日前率29.8%
 与党系(市議)81471 野党系(市議)54772 維新(市議)19112 共産(市議)13252 その他(市議)3339
 野党系惜敗率 67.23% 維新惜敗率 23.46%
 与党系回復率 72.20% 野党系回復率 43.85% 維新回復率 65.88%
 ※斉藤達也氏(無所属)は与党系に含めた、三浦紀子氏(ネット)は野党系に含めた

2021年 投票率59.24% 期日前率32.7%
 三谷英弘(自民)112836 江田憲司(立民)124910
 維新(比例)29010 共産(比例)15374

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
三谷英弘氏 やや劣勢 劣勢 106167
江田憲司氏 優勢 優勢 142721
飯田能生氏 記載なし 記載なし
内田恵美子 記載なし 記載なし

 自民党にとっては何としても邪魔な江田憲司氏を落選させたい重点選挙区です。恐らく本番では毎日1人以上の応援弁士が来るでしょう。期日前率が高いので、いつでも応援弁士が出せます。
 江田氏にとって、大ピンチです。前回選挙では一騎打ちで三谷英弘氏に惜敗率90.10%まで迫られました。2022年参院選では8区の立民比例票はガタ落ちしました。統一地方選挙でもあまり回復していません。2024年総選挙では、前回いなかった共産候補者がいて、江田票を取るでしょう。これで維新候補者が出たら、「江田憲司落選」必至です。 

 まあ、江田氏と言えば「さわやかな風貌・改革派総理秘書官・黄金の舌鋒」で勝ってきたので、今回も大丈夫、という話もありますが、正直、大丈夫ではない。どうするか、いっそ、立民を離党し、維新に入党する選択肢もあるかもしれません。
 立民離党・維新入党のデメリットから先に書きますと、「『政界風見鶏』の悪イメージがより鮮明になる」「今の維新に知り合いがいず、維新の議員として居場所がない」「比例復活枠を獲られる南関東ブロックの各県連が反対する(表面的には「歓迎」されますが)」という所。
 メリットは「ピンチと言えど、維新に行けば確実に比例復活枠を獲れる」「8区の立民地方議員は全員江田陣営出身なので、立民票がスムーズに江田氏についていく、その上で維新票も獲れる」「自分が擁立したものの思ったほど役に立たず、足手まといになりそうな山中竹春横浜市長と縁が切れる」「労組や判断ミスばかりの立民県連からも縁が切れる」という所。

 私見としては、メリットのほうが多いです。通常国会の終わったタイミングか、解散総選挙の日程が固まった段階で、離党・入党が発表されるでしょう。ただ、「風」が思いのほか強く、このまま立民にいても勝てる、と判断したら、無理に維新に行くことはないでしょう。
 三谷氏は小選挙区勝利がノルマです。比例復活でも不満です。江田氏は基本比例復活ですが、小選挙区勝利も落選もあり得ます。

神奈川9区(川崎市多摩区・麻生区)

※2021年総選挙では宮前区の一部が含まれていたため、選挙区の得票数が不明

2024年 中山展宏(自民・麻生)、笠浩史(立民)、吉田大成(維新)、赤石博子(共産)

2023年 投票率43.60% 期日前率31.1%
 与党系(県議)42737 野党系(県議)48613 維新(県議)24174 共産(県議)9546 その他(県議)14116
 野党系惜敗率 113.75% 維新惜敗率 49.73%(野党系が基準)
 与党系回復率 53.81% 野党系回復率 106.98% 維新回復率 90.71%
 ※石川裕憲氏(無所属)は野党系に含めた

2021年 投票率59.67% 期日前率31.0%
 自民(比例)79426 立民(比例)45440 維新(比例)26651 共産(比例)17890

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
中山展宏氏 やや劣勢 劣勢 62026
笠浩史氏 優勢 優勢 90739
吉田大成氏 やや優勢 劣勢 24537
赤石博子氏 記載なし 記載なし

 唯一「野党系がとにかく強い」選挙区です。統一地方選挙の得票数で勝ってしまっています。というか、与党系が回復していず、野党系と与党系との差が開いている印象です。前回総選挙のデータが比例データで、笠浩史氏の個人的強さが「逆に」わかります。むしろ、国対委員長代理としてテレビ露出も増えた笠氏は、応援弁士として9区を離れるかもしれません。それでも強いことが、今回の統一地方選挙でもわかりました。

 与党系はどうするでしょう。このままでは風次第で落選があり得る。期日前率が高いので8区のついでで応援弁士を出すでしょう。でも、どうせ南関東ブロックで比例票を取るので、また比例復活。与党系陣営も「少しは自分で頑張れ」と思っているでしょう。
 例え与党系が重点区にして、笠氏自身が9区を離れても、笠氏は小選挙区勝利を計算できます。中山展宏氏は下手したら落選を覚悟しなければなりません。

神奈川10区(川崎市川崎区・幸区)

2024年 田中和徳(自民・麻生)、鈴木光貴(立民)、金村龍那(維新)、片柳進(共産)、国民未定

2023年 投票率40.39% 期日前率28.2%
 与党系(県議)50871 野党系(県議)30412 維新(県議)21176、共産(県議)16449 国民(市議)5363
 野党系惜敗率 59.78% 維新惜敗率 41.63%
 与党系回復率 68.50% 野党系回復率 120.50% 維新回復率 47.47%
 
2021年 投票率53.17% 期日前率27.8%
 田中和徳(自民)74263 金村龍那(維新)44611 畑野君枝(共産)33331 鈴木敦(国民)18938
 立民(比例)25238

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
田中和徳氏 優勢 やや優勢 94349
鈴木光貴氏 やや劣勢 やや劣勢
金村龍那氏 記載なし やや劣勢 85319
片柳進氏 記載なし 記載なし

 維新は統一知能選挙の10区県議選には筋の良い候補者を出さなかったので、得票率が出ませんでした。従って惜敗率も回復率も低く、このデータだと金村龍那氏は比例復活ラインに届かず落選してしまいます。前回総選挙ではいなかった立民候補者が今回いるので、本気で野党協力して与党系候補者を叩いて惜敗率ラインを下げないとまずい状況です。
 立民の鈴木光貴氏は統一地方選後に選任されました。しかし、共産が独自候補を擁立しており、与党系の基礎票が固く、金村氏の存在はもちろん脅威で、今現在厳しい状態です。惜敗率ラインを下げなければならないのは維新と事情は一緒です。
 だから鈴木氏と金村氏は「薩長同盟」を結ばなくてはなりません。現状の雰囲気ではできそうもありませんが…。

 国民の鈴木敦氏がいなくなりましたが、その票は分散するでしょう。
 与党系の田中和徳氏は回復率も順調です。「風」よりも公明がスイングすることが若干脅威かもしれません。「薩長同盟」(「立維同盟」か)を結ばれても、鈴木氏金村氏の片方だけが異常に票を伸ばすことは考えられません。
 従って、田中氏は小選挙区当選がノルマ。鈴木氏・金村氏は比例復活を狙うも厳しい情勢です。

神奈川18区(川崎市中原区・高津区)

※2021年総選挙では中原区の一部が除かれていたため、選挙区の得票数が不明

2024年 山際大志郎(自民・麻生)、宗野創(立民)、横田光弘(維新)、君嶋千佳子(共産)、鈴木敦(教育)

2023年 投票率42.28% 期日前率26.9%
 与党系(県議)67905 野党系(県議)38591 維新(県議)32442 共産(県議)27705 国民(市議)10563
 野党系惜敗率 56.83% 維新惜敗率 47.78%
 与党系回復率 69.86% 野党系回復率 91.43% 維新回復率 83.64%

2021年 投票率57.65% 期日前率27.9%
 自民(比例)97207 立民(比例)42208 維新(比例)38786 共産(比例)18695 国民(比例)15608

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
山際大志郎氏 やや優勢 やや劣勢 108329
宗野創氏 記載なし やや優勢 102427
横田光弘氏 記載なし 劣勢 41562
鈴木敦氏 記載なし 劣勢 30013
君嶋千佳子氏 記載なし 記載なし

週刊文春2024.4.18
山際大志郎氏 優勢
宗野創氏 やや劣勢
横田光弘氏 劣勢
君嶋千佳子氏 劣勢
鈴木敦氏 劣勢

 3月5日の「smart FLASH」に松田馨氏の注目区当落予測が載っております。今回の私の予測で松田氏予測があるのは神奈川18区だけです。それによると、山際大志郎氏△、宗野創氏▲、横田光弘氏無印。

 「統一教会関係選挙区」です。この問題が明らかになってから統一地方選挙が行われ、18区では市議選で2人の自民公認候補者が落選し、県議選では多摩区で複数擁立して片方が落選、当選者も「統一教会の妨害」をほのめかして自民会派離脱、といった影響が出ています。
 しかし、逆に言うと、「強気の候補擁立に出た」とも言え、落選者もある程度の得票を出していますので、今回の予測では山際氏は優位と出ました。

 立民は統一地方選挙では頑張って、その後前途有望の支部長を迎え入れて、勢いはありますが、なにせ目標が遠い。惜敗率56.83%は今回予測の11選挙区の野党系候補者中ワースト2位。共産が独自擁立しているのが痛い(これはどの選挙区にも言えます。ただ、地方統一選挙では「共産党の頼れる〇〇さん」を選んでいる人々がおり、こういう人が「国政ではいまいち影が薄い誰か」に入れるのか、という逆説もあります)。

 維新の横田光弘氏は過小評価されていると言えます。統一地方選挙の得票は立民に迫っています。惜敗率47.78%。(江田憲司氏次第では)比例復活が微妙な線ですが、前回選挙でも意外に多い得票を取り、その後継続して活動を行っています。ただ、鈴木敦氏がやってきて、ウチは維新と同一会派だ、というのが厄介です。鈴木氏は中原区が本拠地ですので18区から動けない。この2人が自民票を獲る動きをすればいいのですが、多分内輪揉めになると思います。
 予想としては、宗野氏も無印でよかったのかもしれません。余程の風が吹かない限り、山際氏の優位は動きません。

神奈川19区(横浜市都筑区・川崎市宮前区)

※新設区のため、選挙区の得票数はなし

2024年 草間剛(自民・新人)、佐藤喬(立民)、添田勝(維新)、惟住舜(共産)、深作ヘスス(国民)

2023年 投票率42.31% 期日前率30.0%
 与党系(県議)59060 野党系(県議)44945 維新(県議)38639 共産(市議)9012 国民(市議)13089 その他(県議)6636
 野党系惜敗率 76.10% 維新惜敗率 65.42%
 与党系回復率 66.69% 野党系回復率 94.42% 維新回復率 130.27%
 ※渡辺あつ子氏(ネット)は野党系に含めた

2021年 投票率58.30% 期日前率32.4%
 自民(比例)88562 立民(比例)47599 維新(比例)29661 共産(比例)12965 国民(比例)11450

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
草間剛氏 記載なし やや劣勢
佐藤喬氏 やや優勢 やや優勢
添田勝氏 記載なし 劣勢
深作ヘスス氏 記載なし 劣勢
惟住舜氏 記載なし 記載なし

 与党系の草間剛氏は新人なので総選挙での得票力は未知数です。しかし前回総選挙の6区古川直季氏も同じ状況で現職議員に勝って小選挙当選したので、草間氏もあまり心配しなくても良さそうです。ただ、統一地方選挙の得票数が野党系・維新と拮抗する程度しか取れませんでした。こうなると「惜敗率ライン」が下がることとなり、立民の佐藤喬氏も維新の添田勝氏も比例復活を考えながら選挙戦ができることになります。草間氏自体は都筑区・宮前区両方を廻って活動しています。浅野文直氏が若干不安(日本保守党に移籍?)ですが、それ以外は草間氏でまとまっているようなので、本番は大丈夫でしょう。

 野党系の佐藤氏ですが、私の見た所、宮前区に行っていません。二連や幟の相方も、7区の中谷一馬氏を採用しています。これでは宮前区の立民支持者は愛想を尽かせてしまいます。惜敗率ラインが下がっているのに立民惜敗率は76.10%で比例復活圏に届きません。まあ本番になったら動くのでしょうが、今の状態では立民もここを重点区にはできないでしょう。