横浜市域の衆議院総選挙予測。神奈川1~3・5~7区。2023年統一地方選挙のデータを使用。

敬称略 参考まとめ 「横浜市・川崎市域・藤沢市域の衆議院総選挙予測。神奈川8~10・18・19・12区。2023年統一地方選挙のデータを使用。」 https://togetter.com/li/2344476 続きを読む
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神奈川1区(横浜市中区・磯子区・金沢区)

2024年 松本純(自民・麻生)、篠原豪(立民)、浅川義治(維新)、伊東万美子(参政)

2023年 投票率43.17% 期日前率28.9%
与党系(県議)68566 野党系(県議)53234 維新(県議)35974 国民(県議)6356 その他(県議)9009
野党系惜敗率 77.64% 維新惜敗率 52.47%
与党系回復率 90.14% 野党系回復率 48.34% 維新回復率 77.75%
※作山友祐氏(無所属)は野党系に含めた。

2021年 投票率53.99% 期日前率30.9%
松本純(無所属)76064 篠原豪(立民)110118 浅川義治(維新)46271

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
松本純氏 優勢 やや劣勢 68458
篠原豪氏 やや優勢 やや優勢 107724
浅川義治氏 やや優勢 劣勢 46271
伊東万美子氏 記載なし 記載なし

週刊文春2024.4.18
松本純氏 苦戦
篠原豪氏 安定
浅川義治氏 苦戦

 自民党麻生派が全力で松本純氏の議席奪還に来ます。この勢いには篠原豪氏も浅川義治氏も困るでしょう。
 統一地方選挙では県議選で、自民も立民も維新も3人の候補者を立てました。その結果得票数に差が出てしまいました。与党系の基礎票が強いことがわかります。しかも、立民の3人のうちのひとりは本来無所属、維新の3人は全敗して、今現在も活動しているのか不明です。
 野党系の惜敗率77.64%は今回予測の11選挙区の野党系候補者中ベスト4位。ただ、前回総選挙のボーダーである87%に届いていない。公明票・国民票がスイングする選挙区なのでその時の情勢次第ですが、できれば他の選挙区を重点区にして比例復活枠を増やし、その中に篠原氏が入ればいいか、という感じかもしれません。

 維新は統一地方選挙の積極擁立が効いて、惜敗率が52.47%で今回予測の11選挙区の維新候補者中ベスト2位。浅川氏と篠原氏とは悪いので、協力して与党を追うなんて芸当はまずできません。従って、これから維新の基礎票が落ちてきそうな浅川氏がどう手を打つかが注目です。江田憲司氏次第…。
 松本氏は最悪でも比例復活。篠原氏は基本比例復活ですが小選挙区勝利も落選もあり得る。浅川氏は比例復活を考えても良いかもしれません。

神奈川2区(横浜市西区・南区・港南区)

※県議選で無投票が生じたため、市議計で計算

2024年 菅義偉(自民・菅)、三好諒(れいわ)、平本幸次郎(参政)

2023年 投票率42.15% 期日前率27.8%
 与党系(市議)101049 野党系(市議)54724 維新(市議)14909 国民(県議)14836 その他(市議)3440
 野党系惜敗率 54.16% 維新惜敗率 14.75%
 与党系回復率 69.13% 野党系回復率 58.92% 維新回復率 53.70%
※浅田侑吾氏(無所属)は与党系に含めた

 2021年 投票率55.99% 期日前率29.9%
  菅義偉(自民)146166 岡本英子(立民)92880 
  維新(比例)27763

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
菅義偉氏 優勢 優勢 131549
三好諒氏 記載なし 劣勢
平本幸次郎 記載なし 記載なし

 神奈川県内の総選挙では候補者としても応援弁士としても滅法強い菅義偉氏に対し、自分の選挙区の立民候補者を応援しないで他の選挙区に行ってしまう2区立民地方議員。これで勝敗をどうしろ、と。
 れいわの三好諒氏にしても、共産は律儀に応援するかもしれませんが、立民は応援しません。山本太郎氏がマンツーマンでついても比例復活ラインに近づけるか、というのが現実的です。
 ただ、与党系は統一地方選挙で思ったほど回復していません。県議選は3選挙区中2選挙区が無投票なので市議選で出しました。市議選だと与党系が多く出る傾向があるはずですが…。菅氏は来年の横浜市長選挙のことを考えないとなあ…。前回は身内の市議が割れたし…。菅氏にとっては留守番の地方議員がひとつの塊になって総選挙で圧勝し、塊となって来年の横浜市長選挙の主導権を握る、という流れを考えていそうです。

神奈川3区(横浜市鶴見区・神奈川区)

2024年 中西健治(自民・麻生)、立民未定、維新未定、共産未定

2023年 投票率42.15% 期日前率22.7%
 与党系(県議)76838 野党系(県議)56190 維新(県議)33393 国民(市議)8916 その他(県議)4593
 野党系惜敗率 73.13% 維新惜敗率43.46%
 与党系回復率 64.46% 野党系回復率 82.08% 維新回復率 114.00%
 
2021年 投票率52.63% 期日前率24.3%
 中西健治(自民)119199 小林丈人(立民)68457 木佐木忠晶(共産)23310 藤村晃子(無所属)15908
 維新(比例)29292

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
中西健治氏 優勢 優勢 107279
未定 記載なし 記載なし

 現時点で与党系の中西健治氏以外に立候補予定者がいず、無投票の可能性があります。まあ他党から候補予定者は出るでしょうが、既に「出遅れが響いている」状態です。期日前投票所の場所が悪いので期日前率が低く、応援弁士が効果的でなく重点区にしづらいのも中西氏にとって追い風です。
 立民は統一地方選挙で鶴見区から地方議員がいなくなるという失態を演じたため、ここに候補者を擁立することは難しいです。出すとしたら、比例上位での重複立候補での牧山弘恵参議院議員が妙策かもしれません。来年の参議院議員選挙で立民は2人の現職を出せば共倒れ必至なので、どちらかは今回総選挙に出さないとマズいのです。しかし空いている選挙区が既に3区か17区(か、まさかの8区)くらいしかなく、鞍替えする参議もこれでは落選必至でやりたくないので、仕方なく比例上位での重複立候補。まあ「あの」立民神奈川県連ですし、絶対揉めますねえ。

 維新は「比較的」数字が良いので、比例票稼ぎに誰かを案山子さんでも擁立すればいいのではないかな、といった状況。
 共産は(今回のデータには載っていませんが)、維新よりもいい数字が出ました。比例重複で浅賀由香氏あたりを擁立しても良さそうです。共産は畑野君枝氏が単独比例上位ですが…。立民が擁立しない可能性が高いので、前回総選挙の神奈川10区状態になりそうです。

神奈川5区(横浜市戸塚区・泉区)

2024年 坂井学(自民・菅)、山崎誠(立民)、久坂くにえ(維新)

2023年 投票率43.14% 期日前率33.5%
 与党系(県議)69991 野党系(県議)59423 維新(県議)12522 国民(県議)23128
 野党系惜敗率 84.90% 維新惜敗率 17.89%
 与党系回復率 64.73% 野党系回復率 63.30% 維新回復率 49.30%
 ※北井宏昭氏(無所属)は与党系に含めた

2021年 投票率56.99% 期日前率35.8%
 坂井学(自民)108120 山崎誠(立民)93878
 維新(比例)25400

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
坂井学氏 やや劣勢 やや劣勢 122659
山崎誠氏 やや優勢 やや優勢 132248
久坂くにえ氏 やや劣勢 劣勢

 期日前率が相当高いので、前回総選挙のように連日菅義偉氏が5区に来れば坂井学氏は盤石です。しかし、立民が5区を重点区にして山崎誠氏に応援弁士がつけば、山崎氏も相当得票を伸ばすでしょう。
 国民がキャスティングヴォートを握ります。田中慶秋氏時代の人は引退し、ある意味田中氏の「仇敵」の花上喜代志氏も13区に移動しました。前回総選挙では、実は坂井氏山崎氏どちらについたのかわかりませんでした。出口調査でも発表されませんでしたし、元々自民党と選挙で張り合っていたけれど、立民とも喧嘩別れだしなあ、という感じでした。今回花上氏が去ったことで、「山崎にいつもくっついてくる花上がいなくなったから、山崎でもいいか」という国民支持者が若干出るかもしれません。
 坂井氏は足下が心元ありません。律儀に毎週駅頭をこなしているのですがねえ。北井宏昭氏の票は全部自分に来るだろうか。前回と同じように、公明党がスイングするのだろうか。「風」に吹かれても、5区は重点区にならないのではないか。もう、菅氏頼みです。

 与党系も野党系も統一地方選挙の回復率が悪い。ここは県議選と市議選とで構図が変わってしまうので、市議選で出すと与党系が若干増えるはずです。
 山崎氏は共産とウマが合うのが強みです(7区との違いがここで出ます)。統一地方選挙では地方議員が頑張ったので、後は山崎氏自身の活動の質量にかかってきます。
 維新は前回総選挙で候補者を出さず、しかし統一地方選挙では前回の比例票にさえ全然届かない得票数でした。久坂くにえ氏が4区から来ましたが、「どうしようもない、4区に戻った方が良い」というのが率直な評価です。
 坂井氏は小選挙区で勝ちたいが、比例復活でも仕方ないかもしれない。山崎氏は「風」でも何でも利用して小選挙区で勝ちたい、比例復活は充分可能でしょう。

神奈川6区(横浜市保土ケ谷区・旭区)

2024年 古川直季(自民・菅)、青柳陽一郎(立民)、維新未定

2023年 投票率43.02% 期日前率29.5%
 与党系(県議)75821 野党系(県議)66397 維新(県議)12872 国民(市議)10552
 野党系惜敗率 87.57% 維新惜敗率 16.98%
 与党系回復率 82.05% 野党系回復率 75.55% 維新回復率 45.62%
 ※吉沢龍人氏(無所属)は与党系に含めた

2021年 投票率55.87% 期日前率30.9%
 古川直季(自民)92405 青柳陽一郎(立民)87880 串田誠一(維新)28214

週刊現代2024.4.27-5.4
(角谷浩一氏・青山和弘氏・本誌予想得票数の順)
古川直季氏 やや優勢 やや劣勢 83165
青柳陽一郎氏 優勢 やや優勢 97121

 今現在でも維新の候補が決まっていません。統一地方選挙での惜敗率が16.98%と相当低いので、江田憲司氏級の大物でない限り誰を出しても案山子さんになりそうです。
 従って、今回6区は古川直季氏と青柳陽一郎氏の一騎打ちになります。前回選挙の出口調査では、青柳氏よりも古川氏のほうが維新支持層を取っています(朝日出口調査。古川氏15%、青柳氏2%、串田氏65%)。ところが読売新聞の情勢分析では「青柳維新4割弱、串田維新6割」となっています。ここは公明も国民もわからないし、前回総選挙のNHK出口調査も青柳氏優位と出して外しているので、投票日になっても予測できない選挙区です。

 統一地方選挙での立民惜敗率は87.57%。比例復活ラインを超えています。与野党系の回復率も両方高く、既にハイレベルの戦いが始まっているな、という感じです。
 青柳氏は立民神奈川県連の会長なので、会長権限で自分の選挙区に応援弁士を送り込めば小選挙区勝利もできます。しかし、神奈川県連は会長の意向通りに動くでしょうか。「青柳さんは自力で勝ってください、重点区は他にたくさんありますので」と言われて、ハイ、というのも会長の役割です。
 与党系は全国的に考えて、神奈川6区まで重点区にできるでしょうか。「裏金問題関連銘柄」を救う方針なら、ここは重点区にならないでしょう。小選挙区で負けても比例復活できる、という考えになるかもしれません。一方野党系は「風」が吹いてくれるかもしれませんで、6区でも自力で小選挙区で勝てるかもしれませんが、神奈川県は「裏金問題」とは直接関係ないので、「風」も弱いかもしれません。