佐々木司氏による、歴史小話:ユーラシアステップの複合短弓の作り方(文章だけ)

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佐々木 司 @TA5vWI4SfJVHCGa

軍事・歴史・地理等の分野で呟きます。中世ヨーロッパネタ多め。1番好きなのは、多分東ローマ帝国。1週間に1~2回くらい、歴史解説的なポストをしています。 浮上度:通常動力潜水艦 文章の綺麗さ:野獣先輩

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■歴史小話:ユーラシアステップの複合短弓 遊牧民の間で発祥したとされるこの種類の弓は、木材・牛鹿等の動物の角・骨・腱・魚類由来他の膠を組み合わせて作られます。 作成手順はざっくり下記の通り。 1.C字形状に蒸気で湾曲形成した、芯材となるしなりの良い木材を用意します。🧵(1/5) pic.twitter.com/jxMM29UokC

2024-05-18 23:44:48
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2.弭(弓の両端)となる部品をまず取り付けます。弦が掛けられる部分なので、必要強度を高く求められるため部品となっています。 3.次に芯材の表側に握りとなる、木材等で作成された部品を膠で接着します。(2/5)

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4.芯材の裏に、動物の角を薄く板のようにした部品を膠で張り付けます。 5.さらに、角材の裏に動物の腱をさらに同じく膠で接着。角材とあわせて、強い張力の原動力となります。(3/5)

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6.ストリングブリッジ(弦と弓に間隔をあける部品)を弭を接着した付近に接合。補強も兼ねているかと思われます。 7.補強・装飾等を施して完成。(4/5)

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取り回しが良くて馬上での扱いに向き、ドローウェイト(引きの強さ)が100lb(45.4kg)を越えるものが多い強力な弓ではありますが、降雨や湿気で膠による接着箇所が剥がれるのが特筆される構造上の弱点です。(5/5)

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