戦略とは、「すること」と「しない、止めること」両方を決めること〜日本の製造業の課題より〜

かつては一斉を風靡した日本の製造業、他国とどこで差がついたのか、慢心、環境の違い。。。
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

Product @LinkedIn ←シリコンバレーの大企業・StartupのPM▫在🇺🇸18年目▫著書: 6/19発売『生成AI時代のプロダクトマネジメント』他2冊 amzn.to/3NDMUEV ▫3万人が受講Udemyプロダクトマネジメント講座: bit.ly/3EQz6TJ

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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

話題になっていた経産省の製造業に関するレポートを読んでみた。 結構日本がこれからどうしていけば良いかを考えるのに深いテーマだな〜と思ったので考察をまとめてみます。 以下スレッド👇 pic.twitter.com/VTbHINPgFJ

2024-05-27 06:56:07
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

1番象徴的なのが、この二つを見比べると見えてくる。 左が日本の製造業の売上高の変遷で右が利益の変遷。なんか右上がりのグラフがあって良さそうなんだな・・みたいにぼーっと流し読みすると肝心なことに気が付かない。↓ pic.twitter.com/Gm3Nf3C1Re

2024-05-27 06:56:08
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

そもそも営業外損益とは企業のファイナンス活動による収益のこと(保有する有価証券の配当収入、利息の受け取り、資産の売却益等)。これが「営業利益の77%」を占めている。 逆を言うと、日本の製造業が作っている利益の大半は投資・ファイナンス活動の結果。これ自体は別にいいのだが、問題は↓

2024-05-27 06:56:08
Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

売上高が「20年」にわたり400兆円で「横ばい」というところ。つまりトップラインは変わってないのに、利益を上げる構造が、製造業として「新しい価値を生み出した結果」ではなくて、本業以外の部分に依存してると言う部分。 なので、実は日本の製造業は強い価値を作れていない、ことが本当の問題。↓

2024-05-27 06:56:08
Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

もちろん、左のグラフの通り全ての製造業で、というわけではない。一部は超優秀な営業利益率を叩き出してる。ただ、大半が本業で強い価値を作れてないので、EBITDAで見るとものによってはUSに比べて倍くらい利益率が違う。 (EBITDAは簡単に言うと原価と人件費や諸々経費を除いた本業の収益力指標)↓ pic.twitter.com/0rmIG0vqxO

2024-05-27 06:56:09
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

なぜこんなことになってるか、ということで経営の問題点が挙げられてる。🇺🇸で18年働いてきた身として「ワールドクラスの経営」で指摘されてることは間違ってない。ビッグテック企業もそこそこ大きいスタートアップも企業も「経営」という意味ではだいたいこんな感じ。 ↓ pic.twitter.com/izFaWu6aIt

2024-05-27 06:56:09
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

一言で言うと、経営陣の働きと意思決定が収益にちゃんと「直結」してる。だから🇺🇸企業は会社のパフォーマンスが悪いと経営・リーダー陣がごそっと入れ変わったりする。(レイオフもあるけど) それだけ意思決定が重いし、↓

2024-05-27 06:56:10
Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

良い意思決定をするために、会社の仕組みから情報の流れ、コラボのありかたから企業文化まで全社最適で構築。結果「動きに無駄のない組織」ができあがる。 「部下に任せているから、部下に聞かなければわからない」、「経営との連携が希薄。経営全体議論が最後工程」と無駄の極致みたいなことはない↓ pic.twitter.com/C6lHR7h2ca

2024-05-27 06:56:10
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

そんな中、長く続いたデフレでコストを削減することばかりに躍起になり、利益率の高いソフトウェアビジネスを取り込まず、プロダクトマネージャーやエンジニア等人への投資を2の次にしてきたつけがまさにこの「技術で勝って、ビジネスで負ける」という状態。 「現場力」の言葉に浮かれて思考停止?↓ pic.twitter.com/cRZVavTJfP

2024-05-27 06:56:11
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

売上高が変わってない20年の間、ソフトウェアをフル活用したGAFA→Magnificent7が勃興し、ユニコーン企業が次々生まれ、🇺🇸が圧倒的な差をつけた。日本から視察にくる企業はごまんとあったが、「視察」と言う名の「遠足」であり、ナパでワインを飲んで、ペブルビーチでゴルフをして帰っただけだった。↓ pic.twitter.com/DB0dx53VyC

2024-05-27 06:56:11
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

先日もポストしたが、戦略とは「すること」と「しない・止めること」両方を決めることであり、現状を打破するためにコンサルに頼んで「すること」を考えてもらえってそれをすればいい、というレベルではない。 シリコンバレー企業を視察しても決められなかった企業が大半だった。 ↓ pic.twitter.com/53iBIyYPIX

2024-05-27 06:56:11
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Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

今日本の製造業の経営を預るリーダー層の人たちに、現状維持の延長にある決断ではなくて、こうした現実をシビアに受け止め、強い価値を作るために会社を変えるくらいの覚悟で意思決定をし続けてほしい。 そのくらいの覚悟をもって挑めば変化の兆しを生むことができる。このレポートを読んで↓

2024-05-27 06:56:12
Haruki Sonehara / 🇺🇸シリコンバレーのプロダクトマネージャー(B2B・B2C) @Haruki_Sonehara

燻ってる・モヤモヤしてる・あきらめている若い世代に火がつけば大きなうねりとなって流れが変わってくる。 その時が日本が本当に強い国になる時だと思ってます。

2024-05-27 06:56:12