マインドコントロールについての考察

巡礼者 @Hagiasophia765

なんか、自分と敵対する集団の胡散臭い説得言説を、全部、マインドコントロールだと決め付ける、アホな風潮がおきはじめているので、スティーブン・ハッサン氏の著書。マインドコントロールの恐怖を、考察用に書籍群から発掘して来た。

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マインドコントロールに関する、日本wikiの記述があまりに酷い出来なので、日本でこの言葉を広めるきっかけになった、スティーブ・ハッサン氏の『マインドコントロールの恐怖』という本から、その定義を引用したいと思います。

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マインドコントロールとは？――個人が自己自身の決定を行う時の人格的統合性を切り崩そうとするシステム。（略）「洗脳」とは違い、あからさまな物理的虐待を伴わず、グループ内の強力な教え込み効果によって作用する。

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ちなみに、ハッサン氏の著書では、その中でも特に破壊的な結果をもたらすものをテーマにしています。

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逆を言えば、人格的統合性を破壊しない行為は、厳密にはマインドコントロールとは呼ばない。そして、人格的統合性を破壊する行為であっても、物理的虐待が伴う場合は、洗脳という別の行為に成るという事を、覚えておけば良いと思います。

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ハッサン氏は著書「マインドコントロールの恐怖」（日本語訳版・訳者・浅見定雄）（以降は、ハッサン氏の著書と記述）のP.103から始まる、第４章マインドコントロールの理解において、次のように述べています。

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【訂正】マインドコントロールの基本構成要素は、フェスティンガー博士が説明している三つの構成要素、行動のコントロール、思想のコントロール、感情のコントロールに、情報のコントロールというもう一つの構成要素を加えた、四つの要素によって構成されている。

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行動のコントロール　　個々人の身体的世界を他律的に制御する事。彼の仕事、儀礼、彼の住居、身につける衣類、食事の内容や頻度、睡眠時間の多寡。など、スケジュール全般に及ぶ。

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思想コントロール　　グループの新しい教義と言語体系を教え込む事で、思考停止の技術を習得させる事である。思考停止の技術には、集中的な祈り、唱えごと、瞑想、歌、ハミングなどが、悪用される場合がある。思想のコントロールは、グループの教義と一致しないあらゆる感情を効果的に遮断する役に立つ

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感情のコントロール　　人々の感情の幅を罪責感や恐怖感などを巧みに用いて、人々の感情の幅を狭くしようとするものである。罪責感には、歴史・人格・過去の行動・社会正義などが利用される。恐怖感については、恐怖症の教え込みまでを含む事例もある。

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感情のコントロールには、感情の再定義なども含まれる。一番、ポピュラーなものでは、幸福という状態についての再定義がある。この再定義が完成すれば、苦痛も幸福への手段となる。ただ、この再定義に関しては、カルトと呼べない集団においても利用されている場合がある。

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感情のコントロールが完成すると、グループ内の人間関係がリーダーによって完全にコントロールされるようになり、メンバーの感情はグループへの忠誠心と献身に塗り潰される。

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なお余談ではあるが、カルトのメンバーは、ある瞬間には褒められたかと思うと、次の瞬間には罵られて、心のバランスを失った状態に置かれる。このようなアメとムチといった、行動修正技術の悪用は、依存心と無力感を助長する。

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以上の三つのコントロールは相互に依存しあい、補完しあう関係にある。どれか一つが完成されれば、残りの二つも、おのずと完成に誘導されるのである。

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情報のコントロール　　これは、情報からの遮断の事です。簡単なところでは、メディア媒体（テレビ・新聞・ラジオ・web）などからの隔絶。グループ外の人間からの隔離。これが該当します。これらは、先の三つのコントロールによって、始めは他律的に行われ、完成した後は自律的に行われます。

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また、マインドコントロール作業の進捗状況を表す言葉に「解凍」「変革」「再凍結」と言うものがあります。簡単に書き直すと、①既存人格の破壊、②新しい人格の要素となるドグマ（行動・思考・感情）のセット、③新しい人格を固着させる為の新しい目的と新しい活動の設定。である。