清少納言の古文読解講座

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清少納言 @seisyounagon_

TLにもセンターを受ける百合クラスタの方がいるようですし、少し解説をシてみましょうか?

2012-01-12 23:52:15
清少納言 @seisyounagon_

ええっと、では解説をする前に、ちょっとした心がけのようなことをお話ししたいと思います。

2012-01-12 23:55:53
清少納言 @seisyounagon_

センターに限ったことではありませんが、試験というものは時間が限られています。そんななかで、書かれた文章全てを読んだ上で解答するのは至難の業。実を言うと、出題者もそんなことは望んでいなかったりします。

2012-01-12 23:56:59
清少納言 @seisyounagon_

今ちょっとフォロワーさんの古いつぶやきをRTしましたが、実は古文の文章、出題者がそこに書かれている内容を何もかも把握して出しているかというと、結構そんなことはなかったりします。

2012-01-12 23:59:24
清少納言 @seisyounagon_

『これは間違いなくこう言っている』という部分にフォーカスを当てて、設問にしているんですね。だから、設問を解くために最低限必要な情報だけ読み取れればいいのです。本文を読むより先に設問を読んでどんな情報が必要なのか見当をつける、というのも1つの手ですね。

2012-01-13 00:00:51
清少納言 @seisyounagon_

……という前提を踏まえて、過去問を見て行きましょう。手元に過去問集がある受験生はそれを参考にしていただくといいと思います。でもできるだけ、見てくださる方全員に分かるように引用を多くしていくつもりです。

2012-01-13 00:02:47
清少納言 @seisyounagon_

まず、本文より先に前置きの説明を読んで下さい。こう言った部分や註釈は、設問を解くのに必要な知識を補足するために書かれたものです。ここを読んでいないと、正解にたどり着けなかったりすることがありますので、決して軽んじないようにして下さい。

2012-01-13 00:05:54
清少納言 @seisyounagon_

【第三問】 次の文章は『恋路ゆかしき大将』の一部で、恋路大将が大風のふいいた翌朝に参内する場面である。

2012-01-13 00:07:09
清少納言 @seisyounagon_

まずこの情景をしっかりと頭に入れておいてくださいね。では始めましょう。『明け方になるままに、おびただしう吹きまさりたる風の紛れに、いと疾う(とう)内裏へ参り給ひぬ……』 嵐の後の朝、主人公の大将が内裏に参上しようとしています。

2012-01-13 00:09:57
清少納言 @seisyounagon_

『「今宵は中宮の御宿直なりけるが、下りさせ給ひけるままに、上は藤壺にわたらせ給ふ」と聞こゆれば、そなたざまへ参り給ふに……』 設問にはなっていませんが、これからの流れを抑える上で大切なのでちょっと丁寧に見ていきましょう。

2012-01-13 00:12:25
清少納言 @seisyounagon_

まず、『中宮』『藤壺』『上』これらは、登場人物を指します。『中宮』『上』は大丈夫ですよね?『中宮』は帝の正妻、つまり皇后。『上』はもちろん帝のことです。

2012-01-13 00:14:48
清少納言 @seisyounagon_

『藤壺』は女御の名前ですが、女御の中でも、最も身分の高い女性です。なぜそう言えるのかは、私のブログ『壺ってなあに?』を参照になさって下さい→ http://t.co/z1aG4QRk

2012-01-13 00:17:40
清少納言 @seisyounagon_

つまり、昨夜は中宮が来ていたのだけれど、それが下る=退出なさるとすぐに帝は藤壺の方へとお渡りになった……ということを(部下が)申し上げたので、主人公の大将もそちらの方へ行くことにした、というわけです。

2012-01-13 00:20:22
清少納言 @seisyounagon_

ちなみに「ままに」は「~するとすぐに」という意味でしたね。ここも大切な部分です。

2012-01-13 00:21:05
清少納言 @seisyounagon_

ただその途中で、ちょっとしたイベントが発生します。3行目『姫宮の御方の御小壷の叢(くさむら)に童べ下りて……ご覧ずるとて、二宮、御簾を高くもたげさせ給へるに……』 はい、フラグが立ちました。

2012-01-13 00:24:00
清少納言 @seisyounagon_

そう、フラグです。現代でも『死亡フラグ』なんてものがありますが、古典の物語にもイベントのきっかけとなるフラグがあるんです。どこだかわかりますか?

2012-01-13 00:25:52
清少納言 @seisyounagon_

そう、『御簾を高くもたげさせ給へるに……』の部分ですね。女性は通常御簾の奥に隠れていますが、その御簾が持ち上がると顔が見えてしまうわけです。それをたまたま主人公が覗いてしまう……というのが古き良き平安ラブコメのスタンダードでした。

2012-01-13 00:27:42
清少納言 @seisyounagon_

現代でも、何かあってスカートめくれる→見、見たわね……→見てないよ、いちご柄のパンツだなんて……→しっかり見てるだろーが、死ね!(パンチ → → → → → → なんだかんだあって結ばれる という流れがありますね。めくれて→ → →恋愛する という流れは一緒です。

2012-01-13 00:29:49
清少納言 @seisyounagon_

で、主人公の大将は何を見たか?それは 『十一、ニばかりなる御丈立ちにて、うつぶきてタチ給へれば……』 とあります。誰かの姿が描写されていますね。このあと、その可愛らしいさまが丁寧に語られます。さて、これはだれでしょうか?

2012-01-13 00:32:05
清少納言 @seisyounagon_

もちろん、御簾が上がって見えるのだから、御簾の奥にいる人物です。ここでは二宮、もしくは姫宮ですね。もちろん、主人公の大将が覗くのは女の子です。大将は、姫宮を覗きました。

2012-01-13 00:34:11
清少納言 @seisyounagon_

続きです。御簾の奥には姫宮がいました。そこには謎の闘技場があり、空には逆さになったお城が浮かんでいました。「私は薔薇の花嫁……」とのたまう姫宮を見て、大将は思わず叫びます。「今日の放課後、僕と決闘しろ!」

2012-01-13 00:35:58
清少納言 @seisyounagon_

………………………………

2012-01-13 00:36:28
清少納言 @seisyounagon_

………………分からないならいいです。

2012-01-13 00:36:36
清少納言 @seisyounagon_

今度こそ続き。『宮』は皇族のことですね。『姫』の『宮』だから皇族の少女なわけです。美少女です。手元に過去問がある人は見てください。3行も使ってその可愛さが語られています。大将はhshsします。 ちなみに、可愛らしさの描写の部分は読み飛ばして下さい。もったいないですが

2012-01-13 00:39:37
清少納言 @seisyounagon_

情景描写などもそうなんですが、こう言った部分は設問になりにくいため、重要な情報が書かれている可能性は極めて低いです。あとあと短歌も出てきますが、ここでもそういった読み飛ばしが大切になってきます。さて、それではどんどん先に進みましょう。

2012-01-13 00:40:45