2012年1月18日

PKAnzug先生による「PETってなんじゃらほい? ~第一部~」

PKAnzug先生に「PETと従来の核医学検査の違い」を解説していただきました。 第二部もお楽しみに!
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PKA @PKAnzug

こないだ買ってもらったニューマシンの画像が美しすぎて、それ見た後で従来機画像を見たらなんかもうガッカリですよ。技術革新ってすごい。

2012-01-18 10:36:14
PKA @PKAnzug

「美しすぎる若手女性技師の透視画像」とか書いて画像を貼ったら、釣られる人がいっぱい出そうな気がする。

2012-01-18 10:44:40
PKA @PKAnzug

あんなの書いて何も貼らないのもアレなので、宣言した通り「美しすぎる若手女性技師の透視画像」をば。乳頭筋までくっきり。 http://t.co/36ViD8tp

2012-01-18 11:45:29
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PKA @PKAnzug

厳密には「透視画像」じゃないけど、透視っぽく見える画像だから許せ。新しい機械はこうやって職員(希望者)を撮影して、試運転や患者撮影に備えた調整をするのです。

2012-01-18 11:48:51
PKA @PKAnzug

以前の職場で私がこれの被験者になった時には、技師さんがイタズラでフィルムにマジックで病変を書き足してくれました。私がよく言う「今なら病変1個サービスしますよ」を素でやるあたりが素敵。

2012-01-18 11:52:58
PKA @PKAnzug

さっきの画像は、FDG-PETの画像です。左からMIP画像(最高集積の正射影像)の正面・側面、心筋の乳頭筋が見える冠状断画像。FDGが多く集まった部分が黒く見えます。FDGはブドウ糖と類似の挙動(ただし普通に尿中排泄される)なので、要するに糖代謝の高い場所が黒く見えるわけですな。

2012-01-18 12:01:25
PKA @PKAnzug

ーーーで、ここに変な黒いものが写ってると「悪性腫瘍かも」ってなるわけですよ。この人は当然何もないです。

2012-01-18 12:03:49
PKA @PKAnzug

この画像でのFDG投与量は185メガベクレル(1億8500ベクレル)。激しく放射線を出して109分で半減する、半減期の短いF-18という核種を使います。出す放射線は陽電子で、これが近くの電子とぶつかって消滅するのと同時に正反対方向に2本のγ線を出すので、これを機械で読むわけです。

2012-01-18 12:12:14
PKA @PKAnzug

で、さっきの続き。こういう「陽電子放出核種が最終的に正反対方向2本のγ線を出すことを利用した核医学検査」のことをまとめてPET(陽電子放射断層撮影)といいます。なので、別に癌を探すことで有名なFDG-PETだけがPETじゃないわけです。核種や薬剤によっていろいろな撮影が可能

2012-01-18 12:32:43
PKA @PKAnzug

PETと従来の核医学検査の違いを説明しようかと思ったけど、文章にするとめんどくせー。興味ある人もそんなにいないだろうからやめときます。

2012-01-18 12:40:54
PKA @PKAnzug

興味があるという声が結構あったので、説明用の図を作っております。ちょっと待っててね。

2012-01-18 12:59:43
PKA @PKAnzug

仕事の傍ら、ずーーーーーーーーーーーーーーーっと文章書いてました・・・。我ながら何やってんの。

2012-01-18 15:25:06
PKA @PKAnzug

ではいきましょか。PETってなんじゃらほいってお話の続き。原発とはまるで無関係な話なので、気楽に読んでみて下さい。まず、さっき書いた通り、PET検査は「正反対方向に2本出るγ線を読むことを利用した核医学検査」です。では、1本ずつ出るγ線を読む普通のシンチグラフィと何が違うのか。

2012-01-18 15:25:21
PKA @PKAnzug

悪性腫瘍に集まる種類のシンチグラフィ(タリウムシンチなど)では、患者さんにγ線の感光板を向けてしばらく置くことで、飛んできたγ線を拾って絵にします。ただ、γ線はあらゆる方向に飛ぶので、そのままじゃボケボケで使い物になりません。 http://t.co/93Y7LFR2

2012-01-18 15:25:37
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PKA @PKAnzug

そこで、コリメータという、短い鉛の筒を板状に敷き詰めたフィルタで斜めのγ線をカットして、まっすぐ飛んできた物だけを拾うようにします。するとかなり綺麗になりますが、γ線の大半が無視されて感度がガタ落ちします。これが普通の核医学検査。 http://t.co/xv7MwLvL

2012-01-18 15:25:47
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PKA @PKAnzug

※図はピンク色の楕円が患者の断面、赤い円が悪性病変、つまり「放射性医薬品の集まった場所」と思って下さい。とりあえず、図の患者は仰向けで寝てて、その正面に感光板があると考えると、右の「得られる画像」は「患者を正面から見たような平面画像」になります。

2012-01-18 15:26:06
PKA @PKAnzug

「特定の物質が体内でどこに行くか」を画像化したり測定したりできる核医学検査は、他の検査では無理な情報が得られる検査として珍重されてきました。ダメな画質でも許されたのはその特性があったからで、そうでなかったらとっくに絶滅してたかもしれません。薬が特殊だから検査料高いし。

2012-01-18 15:26:26
PKA @PKAnzug

で、PET検査はどうかというと、こっちは円筒状に並べた検出器でγ線を読みます。180度方向に同時に発生するγ線は、病変を挟む2ヶ所の検出器にほぼ同時に当たります。すると、こういうことが言えるわけです。「病変は同時に反応した2検出器を結ぶ直線上にある」

2012-01-18 15:26:36
PKA @PKAnzug

これを図にするとこんな感じ。この「病変はこの直線上にある」というデータを無数に集めてコンピュータで計算してやると、放射性物質がどこにどれだけ集まっているかという立体データが得られます。コリメータで減衰しないので、感度が非常に高いです。 http://t.co/XEdQBfqk

2012-01-18 15:26:47
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PKA @PKAnzug

ただ、斜めに飛んできたのも拾うから感度が高いと無条件で言えるのは、水平断面(要するに輪切り断面)の上だけの話。2D収集という形式では、水平でない方向(斜め上とか)に飛んだやつはセプタという板で遮蔽されます。 http://t.co/PyRcy2hZ

2012-01-18 15:27:11
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PKA @PKAnzug

最近主流の3D収集という方法では、セプタすらありません。全部拾って、複雑怪奇な計算の末に画像化します。めっちゃ感度が高いですが、正確にどれだけの量が集まったかを計算するには2D収集の方が若干有利です(脳の代謝をみる検査などでは大切)。 http://t.co/lTl8n5oV

2012-01-18 15:27:33
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PKA @PKAnzug

PETの画質改善の試みには、検出器の小型化、検出用クリスタルの改造、生データから画像を生成する方法の改良などいろいろやられていますが、1つものすごい変態技術があるのでご紹介します。TOF(タイム・オブ・フライト)というやつです。

2012-01-18 15:27:48
PKA @PKAnzug

PETでは、同時に出た2本のγ線を「ほぼ同時に」検出すると書きました。この「ほぼ」に突っ込むのがTOF。γ線は光速で飛びますが、発生地点から検出器までの距離により、極めてわずかながら時間差が発生します。この時間差から大まかな位置を推定して計算式に放り込むんですね。

2012-01-18 15:28:15
PKA @PKAnzug

図にするとこんな感じ。これ、未来の超技術とかではなく、既に一部の機械では実装されて病院で稼働しています。残念ながらうちの機械は新型のものでも搭載されていません。 http://t.co/Uu5y0bNn

2012-01-18 15:28:25
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PKA @PKAnzug

で、ここまでが注射したFDGからの放射線を読み取る時のお話。エミッションスキャンといいますが、これだけじゃいい画像にならんのです。というのは、人体は部位に応じて一定量の放射線を吸収して減衰させてしまうんですね。仮に放射線が人体を完全に貫通するなら、レントゲンに人体は写りません。

2012-01-18 15:28:45
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コメント

☢山下238☣️ @Yamashita238 2012年1月18日
これは面白い。今スマホで読んでるんですが、帰ってからPCでじっくり読みたいです。
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めめすけ@黒猫かーさん @memesuke_2012 2012年1月18日
画像、ホントにきれいでびっくりしたわ〜。
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たぬきタン @strangehorns 2012年5月2日
PKAnzug先生の周りでは、この間もブラで盛り上がってましたねw
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fujitsubo_x @fujitsubo_x 2012年5月19日
@PKAnzug さんの丁寧な説明には頭が下がります
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