與那覇潤『中国化する日本』（文藝春秋）の私的感想

渡辺やすし＠新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

與那覇潤『中国化する日本』で提起されている「アナーキーで野放図な経済的自由で自己責任な」中国VS「制度や地縁システムによる統制経済で飯は食えてもジメジメした」江戸、の分析枠組み。そしてグローバル化とは中国化と主張。米国人と中国人ってなんか国民性が似ているという感覚が説明されて爽快

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『京都学派と日本海軍』『雍正帝』など好きな本はあったけど、歴史学はニッチなテーマを掘り下げるトリビア的な学問のイメージが強かった。與那覇潤『中国化する日本』で展開される、歴史から一つの大きな分析枠組みを構築してそれで現代の諸問題を説明するという、学問的有効性に心を打たれている。

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『中国化する日本』の著者は與那覇潤は、１９７９年生まれ。『希望難民ご一行様』の古市憲寿と同じ若手研究者だけど、共通するのは難解なテーマを書きながらもユーモアや詳細な参考文献リストなど読者へのサービス精神を失わない所。専門の学問を一般人に届けようとする姿勢っておっさん学者に少ない。

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『中国化する日本』の気になる参考文献：宮崎市定『科挙』網野善彦『歴史と出会う』渡辺京二『北一輝』小島毅『近代日本の陽明学』武田徹『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』高瀬純一『武器としての＜言葉政治＞』K・マルクス『ルイ・ボナパルトの１８日』高坂正堯『海洋国家日本の構想』。

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與那覇潤の『中国化する日本』では、何度もいわゆる「日中歴史認識論争」の枠組みで「君はどっちの味方なんだ」と両陣営から踏み絵を迫られることへの鬱陶しさが何度も表明されていて面白い。中国史研究者って、こういうわけのわからない馬鹿からの、筋違いの味方認定や敵認定に悩まされてるんだろうな

渡辺やすし＠新宿区議会議員【現役世代に優しい新宿】 @nabe_yas1985

與那覇潤『中国化する日本』（文藝春秋）は思考がアップデートされる面白さ。研究余滴のニッチなイメージが強い歴史学者の一般向け本（宮崎市定『雍正帝』など）とは違って、本書は、「中国化」「江戸化」という分析枠組みで、今日のグローバリズムの背景を説明しきるスケールの大きさに引き込まれる。