「けいおん!」論争

映画研究者 大久保清朗氏(kiyoakiokubo)のWEB上での『映画 けいおん!』批評(http://d.hatena.ne.jp/SomeCameRunning/20111203)の内容について、Twitterで映画ブロガーk.onodera(kmovie)が批判をしたことに端を発した論争と反応のまとめ。
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大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

とはいえ映画を批評するときは、徹底的にリサーチをして、最終的には直観を信じ、間違っているかも知れないというリスクを背負って書くしかない。世間ではこういわれている、作った人はこういうつもりだ、ということは頭にあっても、最終的に異を唱えなければならないときもある。

2012-01-09 18:55:00
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 「隠すこと」の共通項のためだけに「赤毛のアン」の例を出されたということは納得しました。前回は私の作品の見方を述べることで、批判の論旨を読み取っていただきたかったのですが、抽象論だとおっしゃるのであれば、具体的に指摘させていただきます。

2012-01-09 23:30:53
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 律っちゃん描写は、恋愛要素が「誤解ギャグ」に着地したことで、逆にコードの存在が浮き彫りになった部分でしょう。この作品を見続けても、ずっとこの調子ではぐらかされていく、結局この作品で恋愛は描かれないんだ、というファンを安心させる意味が大きいと思いますよ。

2012-01-09 23:32:41
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 大久保さんのおっしゃることが納得できないのは、ご自身で作品の出来に興奮されてながら、作中のキャラの関係性と心理描写にしか言及しない点です。すでに「赤毛のアン」で似たような表現があったとするなら、そこまで驚くのに値しないのではないですか。

2012-01-09 23:34:31
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo また、ビジネスの都合からのドラマの不自然さをご自身で認めておられながら、そのような部分を批評の文章の方では完全に無視しつつ、そのうえで高い評価を与えているというのは、公平な批評をする上で倫理観に欠けておられるのではないでしょうか。

2012-01-09 23:35:05
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie 反論ありがとうございます。私が『けいおん!』で「作中のキャラの関係性と心理描写」しか言及していないゆえに批判されていることは理解しました。私がこの作品に「興奮」しているのはまさにそこなのです。

2012-01-10 23:10:04
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie ただ、「作中のキャラの関係性と心理描写にしか」、とはいいますが、「作中のキャラの関係性と心理描写」が、『けいおん!』のみならず映画にとって重要でないとしたら、(嫌みではなく)かなり興味深い見解だと思いますよ。それは私への反論としてでなく、ぜひ論として書くべきです。

2012-01-10 23:13:17
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

@kmovie さんはご自分でも映画批評ブログを立ち上げておられることですし、『けいおん!』についてぜひとも「公平な批評」を書いて下さい。これまでの議論で、なるべく私も貴方の言いたいことを理解しようと努力しまいりましたが、140字のツイートでは自ずと限界がありますから。

2012-01-10 23:18:33
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 言葉が足りないのか、なかなか議論が本質的な部分で微妙に噛み合わないようで、歯がゆいです。議論はこのあたりが潮時かなと考えていますが、私も「けいおん!」について書きましたらお伝えしますので、その際には、よろしければご一読いただければ幸いです…。

2012-01-10 23:45:42
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo ただ、誤解されてますが、「映画のキャラの関係性と心理描写が重要でない」などと私は言ってないですし、なぜそう受け取られたのか不思議です。私は、アンでも描かれ実写映画にも珍しくない作劇を挙げるのみで、何故「けいおん!」が優れてると言えるのかを問うたのです。

2012-01-11 00:10:09
@yukaring88

@kmovie つべこべ言わず、あなたがあなたなりに思う論を書けばいいでしょう。もともとあなたは「分からなければ書かなきゃいいのに」という言葉を発しているわけだし、だったら全てを分かっているあなたが書いて発表すればいいだけの話ですよ。

2012-01-11 00:32:35
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 『映画 けいおん!』について書きました。長文なので心苦しいのですが、批判しました要旨は全て含まれているかと思います。またそちらへのエントリへのリンクを貼らせていただきました。ご覧いただければ幸いに存じます。 http://t.co/4vHIJLh2

2012-01-30 01:04:02
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

批評にもいろいろあるが、少なくとも映画批評に限れば、商品であることを前提として「作品」だ、監督は「作家」だと多少(いやかなり)無理して主張するのだからして、この映画は商品でしかない、この監督は作家じゃない、というのが結論では何のひねりもないというか、何も言ってないに等しいと思う。

2012-01-30 18:08:44
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo それは私の書いた「けいおん!」評のお話でよろしかったでしょうか。ひねりとか、誰も気づかない細部を指摘するという以前に、対象の実態を指摘するのが最も重要なことではないでしょうか。それを説明しただけでも、大久保さんの評よりも意味があると私は思っていますよ。

2012-01-30 18:23:07
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

@kiyoakiokubo 作家と私が言っているのは、真の意味での「作家」であって、便宜的に規定された、名ばかりの作家のことではありませんよ。商品としての作品が、芸術と呼べるものに昇華し得たかどうかを厳しく正当にジャッジする、というのは批評家に与えられた使命なのではありませんか?

2012-01-30 18:42:38
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

昨年10月、まだ『映画けいおん!』製作中の山田尚子監督に『キネマ旬報』の特集のためにインタビューをしたとき、山田さんは最後に「とにかく、『けいおん!』であることが大事なんです」とおっしゃっていた。それを聞いたとき、映画を見る前から、この映画に味方しようと決めたのであった。

2012-02-01 21:25:10
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

(続き)映画化に際して、山田監督は意に添わぬ要請を押しつけられたに違いない。その中で自分たちが作りたいものを作ろうとする姿勢を前にして、この映画がオタクのための商品であるなどということは、わたしに対して誠実に答えて下さった山田監督への裏切りでしかないからだ。

2012-02-01 21:28:44
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

(続き)わたしがブログに書いた『映画けいおん!』評(http://t.co/kxeUGIOp)は、だから、この作品を擁護する立場から書かれている。それに対して異を唱える方がいてもおかしくない。レフェリーは皆さんだ。わたしのモチベーションは単なる義侠心という大時代的な心意気なのだ。

2012-02-01 21:31:31
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

『映画けいおん!』を批判すべき点はあるだろう。それは誰かが必ず書くべきだろう。だがせめて愛のある批判を書いて欲しいと思う。これがただび商品か、それとも作品か判定を下すだけの、自己満足的な批評など読みたくない。

2012-02-01 21:35:02
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

映画批評で駄目なものを駄目だと「裁く」のは簡単である。自分でも「裁き」そうになることがある。だがそんなときに、わたしはコクトーの言葉を思い出すことにしている。「わたしは裁く側ではなく、裁かれる側につく。」

2012-02-01 21:36:48
小野寺系 / Kei Onodera @kmovie

インタビューしたときに誠実に答えたとか、義侠心で作品を見る前から応援? 批判すべき点はあるけど、自分は応援する立場だから一切書かない? 映画研究家ってそんなんでいいのか…。がっかりだ、めまいがしてきた。

2012-02-01 21:43:06
大久保清朗 Kiyoaki Okubo @kiyoakiokubo

「わたしたちは批評に対してあまり要求しすぎてはならない。とくに批評が科学のように正確に作用すべきだなどと強要してはならない。芸術は科学ではないのだから、どうして批評だけが科学でなければならないのか?」フランソワ・トリュフォー

2012-02-04 11:33:01