村山斉著 『宇宙は何でできているのか』 紹介シリーズ①

この書籍は、誰しもが考える宇宙に対する疑問が、素人にもわかるように一冊に纏められています。 興味はあるけど、難しそうで躊躇していた人に是非オススメです。 個人的な感想としては、現代物理学の進歩によって解明された近年の成果は、私達が考えるスケールを遥かに上回っていると感じました。 内容を抜粋して紹介していきます。
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S.M @shingoo2

宇宙はどうやって始まったのだろう。遠くに見える星は、何で出来ているのだろう。どうして自分達はこの宇宙にいるのだろう。宇宙はこれからどうなっていくのだろう。

2012-01-28 21:56:04
S.M @shingoo2

誰もが抱いたことのある、そんな素朴な疑問に応えてくれる本を発見しました。『宇宙は何でできているのか』とてもわかりやすくて面白い本なので、内容を紹介ツイートしていきまーす♪

2012-01-28 21:56:26
S.M @shingoo2

1.宇宙の大きさは10の27乗メートル、素粒子は10のー35乗メートルです。ピンとこないと思いますが、例えば人間の身長は1~2m、富士山は10の3乗、地球が太陽のまわりを公転する軌道は、10の7乗です。反対に、原子は10のー10乗、原子核は10のー19乗です。

2012-01-28 21:56:45
S.M @shingoo2

2.これが私達が存在する自然界の幅です。これはこの途方も無く離れた2つが宇宙を知る上では、密接に繋がってるのですが、その背景にはビックバン宇宙論があります。

2012-01-28 21:56:58
S.M @shingoo2

3.と言いますのは、宇宙の膨張を遡って行くと最終的には素粒子の世界にたどり着くからです。つまり、宇宙の起源を知るには素粒子を知る必要があるということです。

2012-01-28 21:57:09
S.M @shingoo2

4.この本には大きく2つのテーマがあります。「物質は何で出来ているのか」「その物質を支配する基本法則はいかなるものか」です。まずは宇宙は何で出来ているのかをみていきましょう。

2012-01-28 21:57:21
S.M @shingoo2

5.宇宙を知るには、望遠鏡でその星を調べることができます。プリズムよりも精密に分光する。と、黒い線が入ることから、その部分の特定な光が原子によって吸収されていることがわかります。原子の種類によって吸収する波長が異なるので、見るだけでその星の原子を特定することができるのです。

2012-01-28 21:57:35
S.M @shingoo2

6.宇宙からはニュートリノという粒子も地球に降り注いでいます。この物質の発見は、中性子のベータ崩壊時にエネルギー保存則から矛盾が生じた為、未知の粒子が存在するという仮説に始まります。その後、日本のカミオカンデという観測装置によって存在が確認されました。

2012-01-28 21:57:48
S.M @shingoo2

7.ニュートリノは物質を殆どすり抜ける性質があり、超新星爆発で発生した大量のニュートリノが地球に到達した時にたった11個捕獲できた程度です。ちなみにその爆発で発生したエネルギーの99%がニュートリノ、1%が光でしたが、このことはその星が原子で出来ていることを証明するものでした。

2012-01-28 21:57:59
S.M @shingoo2

8.その後日本の観測装置により、宇宙に存在するニュートリノと星の質量の合計はほぼ同じと判明しました。しかし驚くべきことにそれら2つを足しても、宇宙の全エネルギーの1%にしかならず、宇宙空間に漂うガスを含めても5%に満たないのです。(物資の質量はエネルギーに換算可能(E=mc2))

2012-01-28 21:59:50
S.M @shingoo2

9.つまり目に見えている星(物質)はたった0.5%程度。私達は万物は原子から出来ていると習ってきましたが、2003年に宇宙には96%もそれ以外の何かが存在することがわかり、20世紀の常識を覆すこととなります。

2012-01-28 22:00:03
S.M @shingoo2

10.その96%が何かはわかっていませんが、その1つは暗黒物質(ダークマター)と呼ばれるもので、存在することはわかっています。その理由は、銀河を秒速220キロメートルで回る太陽系を引き止めるだけの重力が、銀河全体の物質を集めても足りないことがわかったからです。

2012-01-28 22:00:15
S.M @shingoo2

11.その足りない重力を生み出しているのが暗黒物質と考えられています。銀河は共通で暗黒物質の溜まり場になっていて、それが宇宙に占める全エネルギーの割合は23%にもなります。

2012-01-28 22:00:27
S.M @shingoo2

12.ではその他の73%は何かと言うと、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ばれるもので、その正体は暗黒物質以上に不明です。と言うのは、暗黒物質は宇宙が膨張するとその密度が薄まりますが、暗黒エネルギーはその密度が変わらないと考えられています。

2012-01-28 22:00:59
S.M @shingoo2

13.その理由を話す前に、宇宙の膨張について知っておく必要があります。宇宙の膨張は光の波長に現れます。例えば黄色に見えるはずの星が赤く見える場合、波長が伸ばされている、つまり遠ざかっていることを意味します。

2012-01-28 22:01:12
S.M @shingoo2

14.それに加え、宇宙の始まりがビックバンであったことの証明が必要になりますが、「マイクロ派宇宙背景放射の異方性」がそれです。これは宇宙がまだ熱かった頃に出た「光」が、宇宙の膨張により引き伸ばされ現在のマイクロ派として観測されたものです。

2012-01-28 22:01:23
S.M @shingoo2

15.次は宇宙の膨張はいつまで続くのかについてですが、今までは2つの可能性が考えられていました。減速していくことを前提に、「膨張し続ける」と、「極限膨張から縮小に転じる」です。

2012-01-28 22:01:32
S.M @shingoo2

16.最初に加えたエネルギーが全てなので、スピードが落ちていくのは当然です。ところが最近になって加速していることがわかり、そうなると薄まることの無いエネルギーが膨張を後押ししていることになります。それが暗黒エネルギーと考えられています。

2012-01-28 22:01:44
S.M @shingoo2

17.20世紀の終わりまで、宇宙は全て原子で出来ていると考えられていましたが、新たな素粒子がどんどん発見され、宇宙も謎の物質で満たされていることがわかり、未だに素粒子と宇宙は完全に繋がってはいません。

2012-01-28 22:01:54
S.M @shingoo2

18.今まで紹介してきたのはほんの一部で、宇宙にはまだまだ謎はたくさんありますが、これだけわからないことがあるとわかったこと自体が現代物理学の大きな進歩なのです。

2012-01-28 22:02:11