地域情勢に関するカーブース・オマーン国王へのインタビュー

1月31日のFox Newsに掲載されたカーブース・オマーン国王への独占インタビューの概要及び若干の考察。
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Takuya Murakami @taku_almurakami

The View From The Gulf: America’s Quiet Go-between Speaks | Fox News http://t.co/ce587MIv @foxnewsさんから

2012-02-01 23:01:48
Takuya Murakami @taku_almurakami

フォックス・ニュースが、カブース・オマーン国王へのインタビューを行った模様。国王がインタビューに応じ、内外情勢に関して具体的な意見を表明するのは極めて異例。多くの場合、アラウィ外相がスポークスマンとなっている(それでも他国の外相と比べると発言は極めて少ない)。

2012-02-01 23:04:54
Takuya Murakami @taku_almurakami

インタビューの内容は、イランを始めとする中東情勢に関して。国王は、イランは米主導の制裁から逃れる手段を真剣に模索していることを指摘。米国とイランが対話を開始することを促している。

2012-02-01 23:07:07
Takuya Murakami @taku_almurakami

ホルムズ海峡の封鎖に関しては、オマーンはホルムズ海峡をイランと共有する国であることから、その対応に注目が集まっていたが、国王は今回のインタビューにおいて、「ホルムズ海峡を封鎖するものはいない」と断言。

2012-02-01 23:10:03
Takuya Murakami @taku_almurakami

つい一昨日(30日)イランのラヒーミー第一副大統領(ホルムズ海峡封鎖の発言をした人物)がオマーンを訪問し、カブース国王に謁見していたが、そこではオマーンに対してホルムズ海峡の封鎖発言をめぐる釈明があったのではないかと推測している。なおインタビューは訪問前に実施された可能性大。

2012-02-01 23:13:08
Takuya Murakami @taku_almurakami

パネッタ国防長官の「イランは一年以内に核兵器を保有できる」という見解に、国王は同意。ただし、イラン政府の意図は異なると主張。イランは、日本のように(!)、核能力を求める一方で、核兵器を求めているわけではないと説明。世界にイランを信頼するよう呼びかける。

2012-02-01 23:15:56
Takuya Murakami @taku_almurakami

また、イラン側には、核計画に対するIAEAの査察の強化、P5+1との対話の再開の用意があることにも言及。この辺りは、イラン側から仲介の要請が入っていることを示唆しているのかもしれない。

2012-02-01 23:18:59
Takuya Murakami @taku_almurakami

イラン関係以外で興味深いのは、エジプトのムバーラク大統領に対し、「気の毒に思う(felt sorry)」という感情を吐露したこと。また、エジプトの内政に関しては、一つの政党、宗教集団が意思を押し付けることがあってはならないと、エジプト国軍やムスリム同胞団に警告を発出。

2012-02-01 23:21:32
Takuya Murakami @taku_almurakami

シリア情勢では、アラブ連盟イニシアティブの受け入れを要請するとともに、同イニシアティブではアサド大統領が政党の代表として残ること、そして民主主義のシステムの中で競争することが禁止されていない点を指摘。

2012-02-01 23:23:55
Takuya Murakami @taku_almurakami

その他イスラエルにしろイエメンにしろ、オマーンがこのような場で表明する意見は常に「楽観的」なものであり、「平和的手段での解決」を要請している。この点は、同じGCCのカタールやサウジとは大きく異なる。

2012-02-01 23:26:40
Takuya Murakami @taku_almurakami

昨今のリビア、シリア情勢におけるオマーンの対応を眺めていると、カタールやサウジとの立場にかなりずれがある。GCCの一体感を出すためGCCの共同声明にはオマーンも名を連ねているものの、カブース国王が今回インタビューで自らの意見を表明したことは、何かを示唆しているのではないだろうか。

2012-02-01 23:29:57