実効線量についてのツイートとbirdtakaさんとの対話
放射線を懐中電灯の明かりに例えるなら、吸収線量Gyとそれに線種別係数を乗じた等価線量Svは、懐中電灯に照らされている部分の明るさに対応する。懐中電灯が照らす範囲は大きかったり小さかったりするが、それはこれらの単位には関係ない。
2012-02-01 19:23:02通常、周囲の環境からの外部被ばくは全身一様に放射線を浴びるが、医療用の被ばくは必要な部分だけに照射される。これは懐中電灯の照らす範囲の大小に対応する。照らされている部分の明るさ(等価線量)が同じであっても、照らされる範囲が異なれば影響(≒リスク)は異なる。
2012-02-01 19:23:29そこで臓器ごとに組織荷重係数を決め、照射を受ける臓器全てについて等価線量にこの係数を乗じて合計したものが実効線量と呼ばれる。これは、部分的な被ばくの影響を全身一様の被ばくに換算するためである。
2012-02-01 19:23:59例えば肺(係数0.12)のみの等価線量1mSvの被ばくは、全身に等価線量0.12mSvの被ばくをしたのと同じ影響となる。胸のみを明るい懐中電灯で照らされたのと、全身をその12%の明るさのぼうっとした懐中電灯で照らされたときとで、影響が同じになるということである。
2012-02-01 19:24:27組織荷重係数は疫学調査から決められるものであり、新たな調査結果を受けて変更されることがある。等価線量は1kg当たりの吸収エネルギー(×線種別係数)として定義されているが、実効線量は人体への影響度を係数として乗じているため、もはや物理的な意味はなくなっている。
2012-02-01 19:25:11@michelipn 「1kg当たりの」という点が見落とされがちで、それが意識にないと実効線量にした時に値が小さくなることで騙されたような気になるんですよね。
2012-02-01 19:27:47@birdtaka それについては、専門外の人の場合は物理的な定義は気にせず、「等価線量というのは放射線の強さ(濃さ?)」で、「実効線量は被ばくの範囲を考慮した人体への影響度」と考えるのが良いのではと思っています。だから、単位が同じなのが諸悪の根元ですね。
2012-02-01 19:37:21@michelipn 私は当初そう考えていて却って混乱していました。1kgあたりなんだと考えてすっきりなっとく(他にも考慮されている要素があるのは理解しています)。専門外でもそういう人は少なくないと思います。少なくとも理系の素養がある人にとっては。
2012-02-01 19:39:11@birdtaka 「1kgあたり」というのは、実効線量についても「(全身平均)1kgあたり」として考えると言う意味ですか?
2012-02-01 19:41:30@michelipn それ以外の要素が加味されているので単純にそうだとは思いませんが、組織荷重係数の合計が1ということは、そういうことになりませんか?大柄な人は被ばく量が大きい、という計算にはならないわけですし。
2012-02-01 19:43:44@birdtaka ただ、1kgあたりというと昨日のリーフレインさんのように臓器の重量と関係づけて考えてしまがちで、実際にはそれとは全く無関係で、疫学的リスクからのみ決められているので、実効線量は重量あたりということは忘れてしまった方がよいと私は思っています。
2012-02-01 19:56:19@michelipn なるほど。でもたとえば仮にある臓器が現実の10倍の重さだとしたら(特定の人ではなくて平均的な大きさとして)、組織荷重係数もそれに応じて変わるはずですよね。
2012-02-01 19:58:10@michelipn 組織が大きければ被曝もしやすいので、結果として疫学的リスクも大きくなるんじゃないか、と思うんですけど。私も混乱してます?重さを考慮して決められたものではない、とは分かりますが。
2012-02-01 19:59:13@michelipn それと、もし組織によって放射線感受性が変わらなかった場合、組織荷重係数は(不要かもしれないけど)、臓器の重さに結果として対応する、ということになりませんか?
2012-02-01 20:01:30@birdtaka それはおそらくそうだと思います。しかし、1.人による臓器の重さの違いはそんなにない(というかそこまで考慮できない)、2.例えば肝臓の重さは甲状腺の100倍あるけれども、荷重係数は同じなので、実効線量が同じ場合、kgあたりのエネルギーは100倍違ってしまう。
2012-02-01 20:09:41@birdtaka 結局、比較対象としている「全身一様の被ばく」が「kgあたりのエネルギー」で定義されているので、結果としてそうなっているというか。
2012-02-01 20:12:19それです。私の理解は! @michelipn 結局、比較対象としている「全身一様の被ばく」が「kgあたりのエネルギー」で定義されているので、結果としてそうなっているというか。
2012-02-01 20:13:09@michelipn 肝臓と甲状腺が重さが違うのに荷重係数が同じなのは放射線感受性が違うから、と理解しているのですが、それでいいですか?
2012-02-01 20:12:46@birdtaka 感受性を「組織1kgあたりのリスク」と定義するならそうです。「組織1個あたりのリスク」とするなら肝臓と甲状腺の感受性は「同じ」になります。
2012-02-01 20:15:45@michelipn 組織荷重係数の合計が1でいいのはなんでだろう。どうしてその結果が外部被曝と比べられるのだろう、というのがそもそもの疑問だったので。
2012-02-01 20:13:43@michelipn 私の疑問を解消する理解の仕方としては、やはりそれでよかったような気がします。重さを考慮して決めたわけではないというのを分かった上で、です。
2012-02-01 20:14:41実効線量(Sv)=A÷B A:ある人が一部の臓器または全身に被ばくをしたときのリスク(単位なし) B:人が全身一様に1Svの被ばくをしたときのリスク(1/Sv)
2012-02-01 20:22:56