誰も愛せない男に愛される資格はない。 でも本当は、愛されないから愛したくない。 心を切り離して、タフな男を演じなければ生きていく事もできやしない。 望みは、壊れてしまうその前に、せめて楽に死ねる事だけ。
2012-01-18 23:23:01ヤニで曇った窓の向こうに広がる街は、そのガラス負けないほどに薄汚く、淀み、路上を這い回る労働者達の将来や希望といったものを貪欲に飲み込む代わりに わずかばかりの日銭と疫病という名の汚物を世界にまき散らしている。 「これが経済って奴さ、少なくともここではそうだ」 #twnovel
2012-01-22 23:52:20怠惰、怠惰、怠惰。 世界は怠惰でできている。あっちも、こっちも。 どこまでも続く倦怠感、だるい。 いつもの朝、元気なのは我が息子だけ。 「なぁ、そんなに自己主張したって虚しいだけだぞ?なにせ相手が居ない」 股間に向かって話しかけるオレ、虚しいのはお互いさまかww #twnovel
2012-01-23 00:16:10古ぼけた最新式のUNIXワークステーションをシングルユーザモードで立ち上げる。これくらいは馴れたものだ。「??スプールがパンク寸前じゃないか」過去(僕にとっては未来)からの来たメールを、半ば罪悪感とともに開いた僕は目を疑った。「差出人は…親父?僕宛だって?」 #twnovel
2012-01-23 00:33:59「ねぇ」ネコミミが振り返って言う。くそっ、かわいすぎる。「ねぇ」またたたび…もとい、再び言って続ける。「君、明日死んじゃうんだよ?」「は?」「しんじゃうにょ…の」噛んだ!彼女のあまりのかわいさにリビドーほとばしるオレの脳に、ようやく言葉が染み渡る「氏ぬ…死ぬ!?」#twnovel
2012-01-23 00:50:14もしも明日死ぬとしたら、オレは、逝ってしまったあの人に会える喜びに心奮え、明日がが待ち遠しくて仕方ないと思う。 まぁ、会えないんだろうけど。
2012-01-23 00:53:36自ら命を絶ってしまったあの人は、天国で幸せにしているのでしょうか?もう生まれ変わって、どこかで平和な家庭を築いているのでしょうか? オレは地獄行き濃厚だけど...願えるのなら、会いたい、会いたい、会いたい....会って、言えなかった言葉をぶちまけたい。
2012-01-23 01:00:24自ら命を絶ってしまったあの人は、天国で幸せにしているのでしょうか?もう生まれ変わって、どこかで平和な家庭を築いているのでしょうか? オレは地獄行き濃厚だけど...願えるのなら、会いたい、会いたい、会いたい....会って、言えなかった言葉をぶちまけたい。
2012-01-23 01:00:24あなたが逝ってしまってから15年が経ちました。 知っていましたか?あなたの笑顔を誰よりも早く見たくて、 誰よりも早く、あなたに「おはようございます」って言いたくて、 そのために一時間も早く出社していた若い男が居たことを。
2012-01-23 01:48:29店内も外と同じような蒸し暑さで、とうの昔に職務を放棄した送風機を一瞥してスツールに腰を下ろす。(胸にあせもできそう)豊満過ぎる我が肉体を恨めしく見下ろして思う。やっぱりライダースーツは止めておくべきだった「アイスティー。それと電話を貸してちょうだい」 #twnovel
2012-01-23 02:00:07「よぅねえちゃん。『上』の調子はどうだい?」カードをやっているテーブルから声が上がる「相変わらずのどんちゃん騒ぎよ」愛想笑いで答える。『上』というのはもちろん軌道上の事だ。あそこはいつでもトラブル続き。嘘を言ったことにはならない。「へへっ大佐も大変だねぇww」 #twnovel
2012-01-23 02:10:07アリゾナの砂漠のど真ん中には似つかわしくないアンティークな受話器を持ち上げて、慎重にダイヤルする「私...そう、話が早いわね」カウンターの上の、紙パックから注がれたアイスティーのグラスを眺めながら「こっちは一仕事してからNYへ行くつもり、急げばまだ間に合うし」 #twnovel
2012-01-23 02:20:19乾燥しているせいか汗一つかかないグラスを見て、窮屈なライダースーツに押し込められた自前の脂肪の谷間を思い出す。「シャワー浴びたい...」そんな贅沢がかなう沸けも無い(そののっぺりしたボディが羨ましいわ)安物のグラスに軽い嫉妬を覚えつつ、アイスティーを飲み干す。 #twnovel
2012-01-23 02:33:01この場にあるもの、「自分」「テーブル」「カードをやってる人たち」「スツール」「カウンター」「電話」「店員」「空のグラス」核戦争以外のどんなトラブルでも起こせそうな予感。
2012-01-23 02:38:32問題: この場には、「自分」「テーブル」「カードをやってる人たち」「スツール」「カウンター」「電話」「店員」「空のグラス」があります。これからどうなりますか?※全面核戦争は除く
2012-01-23 02:50:59「生き残ったのは4人だけか?」「そのようだな。一応名乗るか、オレはホセだ」「オレはアンディ」「わたしはジュディ...いえ、ここではジョーという事にしておくわ..おくぜ」「オレはコングって呼ばれてる」「僕はジュゲムジュゲムゴコウノ....」(全員)「よぅ、長助」 #twnovel
2012-01-23 03:17:59「ハゲの何が悪い!」男はここが法廷である事も忘れて声を荒げた。 「オレは20代からハゲてた!ツルッパゲだった!まわりが何といおうと、ハゲである事に誇りを持っていたんだ!頭髪という呪いから開放されたオレは自由だった!選ばれた人間だったんだ...なのに...」 #twnovel
2012-01-24 23:24:46「だからあんな事をしてしまったんですね?裁判官はやさしい声で、証言台の中央で打ちのめされたようにうつむく男を慰めるように言った。 「そうさ、あいつは...あの床屋は...オレに毛を生やしやがったんだ...うっ...くそ...っ...くそぉ...」 #twnovel
2012-01-24 23:30:07男はうつむいたまま歯を食いしばり泣き出した。無理もない、20代から30年以上もハゲと友に暮らし、ハゲを誇りとして生きてきた男。それがある日、心ない床屋の手によって自毛を生やされ、あろうことかアフロにされてしまったのだ。「ハゲを失った男...か...」 #twnovel
2012-01-24 23:38:13第三話「枕元に散った友」 第四話「ハゲてなんかいられない!」 第五話「打ち砕け!新しい力、その名は頭髪ブラシ」
2012-01-25 00:52:23