【クレイジーラブ　完全版】福間健二・水島英己・宮尾節子　tweet連詩　pw3g

福間健二 @acasaazul

新井さん、星になった。小さな星と手をつなぎ、夜空のいちばん青い場所から地上のぼくたちを見ている。自分でコントロールできないものに引きずりまわされ、うっかりミスにつけこまれるこのバカども。でも好きは好き。諭されても、笑われても、愚かな恋をしちゃう。（クレイジーラヴ１） #pw3g

宮尾節子＊11/11文フリ東京「宮尾節子とまあ姉の店」V-42（第一会場）出店します。来て下さいね！ @sechanco

仏壇にお参りするように、毎朝。あなたの詩に逢いに行く。生きて、書いていてくれて嬉しい。からだでできないことも、ことばにならできる。夜には、ほらこうして人が顔をあげられる、星のような詩を書きたいね。わたしの好きになった人はね。尻尾の先が割れていたのよ。（クレイジーラブ２）#pw3g

Hidemi Mizushima @rumitoru

長い影を見ながら歩いて行った。橙色の雲が天井画のように浮かんでいた。岸辺には美しい小さな鳥が川面を見つめていた。あの鳥はぼくの視線を察知すると風を切って飛び立つよ。ほら、その一瞬が永遠のように感じられる。鳥とぼくが見つめ合った永遠の一瞬のことだ。（クレイジーラブ３）#pw3g

福間健二 @acasaazul

見つめあった。見える目で見つめ、見えない目で感じた。点字を打った紙が散らかる畳の上にすわったミニスカート、ストッキングの脚。心配したとおりに飛んでいった。夜行列車の記憶の奥の、夜空を引き裂いた光線に射たれて、恋は盲目。何度、ランプを擦っただろう。（クレイジーラブ４） #pw3g

宮尾節子＊11/11文フリ東京「宮尾節子とまあ姉の店」V-42（第一会場）出店します。来て下さいね！ @sechanco

ピンクのサイドを書くひと。ライのサイドを書くひと。ゲイのサイドもワイルドサイドも。なら、引き裂かれることはない。「朝まで居よう」と夜が言った。世界はぴくっと震えた。ねえ、アラツデイン。「Both sideを恋して生きよう」と外国語で言ってみてよ。（クレイジーラブ５）#pw3g

Hidemi Mizushima @rumitoru

梢の尖った栢の木の森がそこにはある。数え切れない朝を眠らずに迎えた木が立っている。その森に埋もれた柩のなかで、あなたは眼を覚ました。森の雪に埋もれた柩のなかで永遠を眠っていたあなた。誰であるかわからないが、あなたを呼ぶなつかしい声が聞こえた。（クレイジーラブ６）#pw3g

福間健二 @acasaazul

会える気がして森のなかをさまよった。でも、呼ぶ声はもう聞こえない。会いたい人は「新しいだれか」と消えたのだ。吐きたくなるのをこらえて雨の駅に出る。ずぶぬれの21世紀。電車では間に合わない。翼をください、でもない。傷だらけの鳥になって星の駅まで。（クレイジーラブ７） #pw3g

宮尾節子＊11/11文フリ東京「宮尾節子とまあ姉の店」V-42（第一会場）出店します。来て下さいね！ @sechanco

妻子を捨てて、肝心な事には答えなかった。その人を、馬鹿というか釈迦というかは好みだが。誰にも、救済は必要だ。女男に男女。街を歩けば普通だね。私が王子。僕は姫だ。知っている。翼と糞が似てること。イエス！傷つきやすい人が、いちばん人を傷つけやすいことも。（クレイジーラブ８）#pw3g

Hidemi Mizushima @rumitoru

男女が入れかわり、生まれかわる。王子は姫に、姫は王子になる。寒さの底で、傷は唇に変わり、唇は声の廃墟になる。呼ぶ声と応える声が凍ったまま遠い星空から落ちてくる。この恋は不可能だと呟くと、カチンと割れて見せた。その中からシチリアの無花果が飛び出た。（クレイジーラブ９）#pw3g

福間健二 @acasaazul

クレ、エ、エジ、ラ。うまくいかない恋こそが、本物の恋。大きな木の下に青ざめてやってきた人が、自分と世界に言いきかせる。でも、黙ってくれない王子と姫をどうしたらいいのか。星空のはて、いくつもに裂ける、夜のイチジクの、クチビル。名前が呼ばれている。（クレイジーラブ10） #pw3g

福間健二 @acasaazul

「クレイジーラブ」。主題歌、あり、です。井上陽水ではなく、古ーいですが、ポール・アンカで。よろしく！　http://t.co/zXN16k1R @sechanco @yokoushio

拡大