アディクション支援における本人支援について(随伴性マネージメント/動機付け面接)

@rain_00が受けてきたアディクション支援の研修のまとめ。 パート1のこちらは本人支援。 ABAやCBTの観点から作られたアプローチをざっくり解説。底つき体験ありきではない、底をつく前に変化への動機を持てるようなアプローチ。  こちらは、なが・まきさんのまとめてくれたパート2(家族支援について)です→http://togetter.com/li/259426
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@rain_00

動機を高めにくい応答(非MI的応答):1、評価(あなたは努力不足です/あなたならきっとできる)2、判断(あなたは典型的な依存症です)3、アドバイス(絶対自助G行った方が良いよ!)4、命令(クスリを使うならもう出て行け)5、説得(頼むから病院に行って)6、言い争い(…でも、)

2012-02-16 23:25:33
@rain_00

動機を高める応答(MI的応答):1、話をまず聴く(うん、うん) 2、共感(それで…だったのね)、3、訊き返し(××ということ?) 4、オープンQ(矛盾を引き出すような所を訊き出す) 5、まとめる 6、許可を得てからアドバイス(提案があるのだけどいい?)

2012-02-16 23:26:16
@rain_00

動機を高める応答(MI的応答):7、相手が自分で選択するようにする 8、相手の矛盾を見えやすくする(クスリは使うと楽しい、一方切れると楽しくないのね) →ここで「一方」を強調しすぎるとダメ。あくまで並列。

2012-02-16 23:26:57
@rain_00

動機付け面接の際には「正したい反射」に注意。支援者の不安や怒りが高まると、否定、説得、命令が出てしまう。心がざわざわしても相手にその解消を求めない。非MI的応答では、互いに「正したい反射」が起こるのでより感情的になっていく。

2012-02-16 23:27:10
@rain_00

長期的回復のステップ 1、依存サイクルにハマっており、やめようという意識がない 2、減らしたりやめないとと考え始めているが、まだ実際の様子は変わっていない 3、減らしたり、やめる行動に挑戦しているがうまくいったりいかなかったりの試行錯誤が続いている 

2012-02-16 23:29:34
@rain_00

長期的回復のステップ 4、やめることにある程度成功している。やめた期間は短く、離脱もあり不安定。5、やめることにある程度成功して心身も安定し始めている。しかし、自分が依存症であることを受け止めておらず、リハビリや治療を続ける意識はゆらいでいる 

2012-02-16 23:32:08
@rain_00

長期的回復のステップ 6、やめることにある程度成功して心身も安定し始めている。依存症であることを受け止め、治療を続けている。本格的な社会復帰にはまだ早い 7、やめることにある程度成功し社会復帰を始める準備は出来ている 8、やめることに成功して社会復帰でも成果が上がっている。

2012-02-16 23:34:05
@rain_00

5、6の時期で「もう大丈夫!」と思って無茶をするとスリップしやすい。動機付けするには2、3の時期、就労支援は5、6、7あたりから始めていくとよい。

2012-02-16 23:35:30
@rain_00

浮き輪のメタファー:依存症者は浮き輪を使って世の中という海を泳いできた。そこで、その浮き輪を手放し、自分の力で泳ぐこ方法を勉強し始めた時期であり、そこでは今まで見えなかった現実が見えてとてもつらくなる(6の時期に怒っていることの喩え)

2012-02-16 23:37:02
@rain_00

◆まとめ:支援者の価値観やビビり具合からすぐに薬物やアルコールを取り上げようとするクセ、手におえないから専門機関に回そうとするクセなどなどが指摘されていた。しっかりCl.の話を聴き、生活の中にどのように依存の構造が組み込まれているのか、どこを変えると変化するのかを丁寧に見ていく。

2012-02-16 23:38:01
@rain_00

◆まとめ:自助Gについては、言いっ放し/聴きっぱなし、が適している時期と、自分の嗜癖行動についてしっかり学ぶ時期とあると思ったので、つなぐタイミングが大事なのかなぁと思いました。どちらか、というよりも、どちらも応じて使う見極めが大事なのかな、と思う。

2012-02-16 23:38:22
@rain_00

◆まとめ:まぁ、底つき体験が絶対必要ということではなく、変わりたいと思えれば底をついてなくてもいいよという、なかなか前向きなやり方があるのだなぁと思ってそれは希望が持てるよなぁ、と思った。底ついて気付けても全部喪ってたら何だかつらいもの。なるべく多く残ってる方が良いと思う。

2012-02-16 23:38:38
@rain_00

以上、パート1は終わり!家族支援についてはまた明日。

2012-02-16 23:39:47
@rain_00

そういえば、随伴性の話は以前、萌えぞうさんとセックス依存のトピックで話したことを思い出しました。あの時よりは今の方が若干理解が良いと思います(僕の)。あの時、萌えぞうさんは随伴性マネージメントの話をしていたよな、と思い至りました。(記憶を巻き戻してきた)

2012-02-16 23:54:57
@rain_00

アディクション研修の時に講師が「私『機能不全家族』とか『AC』って使うの好きじゃないんですよねー。本人達が使うならまだしも、支援者側が使う言葉じゃないですよ。そのラベル意味あるの?って」とバッサリ言ってて、元締めの所の人なのにすげーな、と思った。僕もそれには同意出来る。

2012-02-17 07:50:52
@rain_00

僕は、本人達が『AC』とか『機能不全家族』と言ってるの聞くのもイヤだけどね。一時的にラベル貼って落ち着くのはアリだとは思うけど、そんなラベルはさっさと剥がした方が良い。ラベル剥がしは痛みがあるから、多くの人は多分そこで留まってしまうのだ。

2012-02-17 07:54:13
@rain_00

これは二番目の先生から教わった、『AC』『機能不全家族』は立ち入り禁止ラベルだ、と。「あなたの家族は何がどうだったから機能不全なのか?それでどう感じたのか?」という問いを遮断するには最適だし、自分の思考や感情も停止しておける。掘り下げたら当たり前に痛いからね。

2012-02-17 07:58:49
@rain_00

その痛い部分に潜って、絡まった所を見つけていくと、ラベルなんて貼っておかなくても、自分のことや自分の家族のことは語れるようになる。それは、よくわからない『AC』『機能不全家族』という概念から、より具体的なその人の話になり、誰でも取り扱えるように変容する。つまり自分で扱えるのだ。

2012-02-17 08:02:28
@rain_00

でも、痛い所に潜っていくのは、ひとりだと卒倒しちゃうくらい恐いので、安全な場、信頼出来るTh.と一緒にやりましょう。Th.の方は逃げずに腹括ってCl.がその作業をする傍に居て、見守ること。

2012-02-17 08:05:38
@rain_00

自分を表すラベルはたくさんあるけれど、果たして何のラベルを貼りたいのか?だよね。ラベルは勿論、場や状況で貼り替えるものだ。もっと言うとラベル無くても良いぐらいだけど。そこで、『私はAC』『うちは機能不全家族』というラベルを選ぶのかどうかだろう。やっぱり粗いわな。

2012-02-17 08:14:23
@rain_00

ラベル貼り/ラベル剥がしは、メタファー的に考えると、ラベル貼りは簡単で(貼るだけだから)、ラベル剥がしは大変だよね(キレイに剥がすのは力や工夫が要る)。僕は大雑把なので貼り替えたい時は上から貼るけど、最終的には、ラベルそのものを貼らない方が楽で良いや的な考えに至るよなあ。

2012-02-17 10:41:00