日本集団災害医学会 第17回 まとめ

日本集団災害医学会 第17回学術集会での様々な発表内容を個人的にまとめたものです。今回は東日本大震災に関わる内容が多くありました。
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佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

宮城県沿岸部において,内視鏡で確認された胃潰瘍を調べた所,非出血性胃潰瘍は例年通り。しかし出血性胃潰瘍は例年の2倍近く発生。被災地では発災半年時点でも野菜不足,糖質に偏り,タンパク質も偏っている。レトルトによる塩分過多もみられた。しかし総カロリーは半数が不足。 #17thJADM

2012-02-22 18:47:16
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

平時から経管栄養に依存している患者,食事介助が必要な要介護者の把握は必要。そして備品や食料備蓄を何処で,何日分行うか。素早い食事の供給,避難所での栄養評価,管理栄養士が配置できるか。仮設住宅ではDM,CKDへの食事療法など課題。 #17thJADM

2012-02-22 18:49:20
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

過去の災害に応じて各地で栄養管理マニュアルが作成されているが,あまり周知されていない。 #17thJADM

2012-02-22 18:50:03
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害において過去の事例から,被災直後の精神的ショックから40%は立ち直れるが,60%は急性ストレス障害(不眠,不安,抑うつ,パニック発作など)を認める,とのこと。 #17thJADM

2012-02-25 01:23:44
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

急性ストレス障害を発症した人の60-90%は回復するが,残りはPTSDへ移行し,専門医加療を必要とする。 #17thJADM

2012-02-25 01:24:46
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害後,精神状態は茫然自失期→英勇気・ハネムーン期→幻滅期→再建期を辿ることが多い。 #17thJADM

2012-02-25 01:39:50
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

被災者の精神状態は二極分化しているそう。①生活再建や精神的回復に向かう人と,②家や就労の問題や新たなストレス,孤立感から精神的問題や社会適応困難に陥る人 #17thJADM

2012-02-25 01:41:55
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

仮設住宅に入居する時期には,避難生活の長期化に伴うストレス反応や抑うつ状態,PTSD,アルコール関連障害などの問題が本格化しやすい。入居して一段落すると,将来への不安も強くなり,メンタルヘルスケアの重要性が増すため長期的支援が大切。 #17thJADM

2012-02-25 01:43:35
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害後の高齢者にみられる精神疾患の特性として,認知症,せん妄,うつ病などの気分障害,不安障害,身体表現性障害,睡眠障害が挙げられる。認知症高齢者においては,原疾患の悪化あるいは顕在化が高頻度にみられている。 #17thJADM

2012-02-25 01:45:00
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

阪神淡路大震災の調査では,地震発生後1週間以内に認知症患者の43%に症状の変化あり。軽度の認知症において,症状悪化例が多かった。またせん妄状態となる例が多かった。 #17thJADM

2012-02-25 01:46:41
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

東日本大震災では,被災した認知症患者でMMSEやNPI-Qが有意に低下していた。災害時,認知症患者は環境不適応を起こしやすい。患者家族も精神的余裕を失っていることを理解する必要あり。 #17thJADM

2012-02-25 01:48:18
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

避難所や仮設住宅などではGDS15項目版などで抑うつ傾向があるか評価が必要。診察時は単にうつ傾向や悲哀感の有無だけではなく,不眠,食欲不振,全身倦怠感などの身体的訴えがあるかも注意する。うつ病では身体症状が必発。うつ病や躁鬱病の既往があると再発しやすい。 #17thJADM

2012-02-25 01:50:05
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

幻覚,妄想,せん妄などの精神病症状に認知症が合併して判断が難しいとき,薬物治療に抵抗するとき,希死念慮が強い,実際に自殺企図しているとき,躁状態の既往があるときは専門医診察を要する #17thJADM

2012-02-25 01:52:12
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

ただし今回の大震災では精神科専門病院も被災しており,精神疾患患者を専門医に紹介することが難しく,避難所で治療しなければならない状況であった。難しい課題である。 #17thJADM

2012-02-25 01:53:14
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

阪神淡路大震災でも,中越地震でも,東日本大震災でも震災から半年程度は自殺者が前年より減少する。しかし一時的なもので長期的な問題が続くと数は増加していく。 #17thJADM

2012-02-25 01:54:14
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害支援者にもストレスあり,ケアを要する。支援者のストレス反応は,過度の高揚感,万能感,罪悪感,同一化,怒りと不信,燃え尽き症候群などがみられる。そのため支援内容や時期を明確にし,1週間以上の支援ではローテーションを組む工夫を。 #17thJADM

2012-02-25 01:55:43
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

支援中の不眠が,支援終了後のストレス症状と相関するので,支援中も睡眠確保が重要。また帰宅後はデブリーフィングが大切。尚,被災者に対してはデブリーフィングは逆効果。 #17thJADM

2012-02-25 01:56:36
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害弱者とは,災害接近時にそれを察知することができないヒト,あるいは察知しても回避できないヒトをさす。全国老人福祉施設協議会の調査では,東北の被災3県で,避難行動時に200名が疾病のため亡くなっているとのこと。 #17thJADM

2012-02-25 01:59:07
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

福島の病院で,原発避難をしていた高齢者のうち亡くなったのは,経静脈栄養を行なっている人,従命不能の人で多かった。何とかバスに担ぎ込んで要介護者を避難させていた。避難先では,誰を先に降ろすかトリアージを要した。 #17thJADM

2012-02-25 02:01:15
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

支援者の支援内容は予め決められていないことが多い。今後は事前に取り決めしておくとスムーズかもしれない。ただし,どんな支援者でも手伝える業務に絞っておくのが大切かもしれない。 #17thJADM

2012-02-25 02:02:18
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

震災時は保育所が休園していたので,勤務ができなかった看護師が少なくなかった。また職場から遠方の職員は,ガソリン不足のため通勤困難であった。 #17thJADM

2012-02-25 02:03:14
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害時に患者収容を円滑に行うため,個室を増床して複数名入院できるように対応した。しかし個室を複数名にした場合,患者取り違えのリスクが高まるので注意が必要。 #17thJADM

2012-02-25 02:04:05
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

今後の災害訓練では黒エリアの訓練も必要かもしれない。ただし自然災害では黒エリアを担当するスタッフも被災者であることを忘れてはならない。 #17thJADM

2012-02-25 02:05:18
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

災害訓練を通じて職員の対応能力を向上させるためには,具体的到達目標を設定することが大切。機能的訓練を準備して,到達目標に基づいた計画を行う。 #17thJADM

2012-02-25 02:06:08
佐々木隆徳(救急医?) @SGH_ER

訓練終了後に感想を述べあり,アンケート記載を行なって災害マニュアルの改訂に繋げる方法がある。しかし実際は具体的改善までに繋がらないことが多い。 #17thJADM

2012-02-25 02:07:11