ストライクウィッチーズ「扶桑海軍1925年頃の汎用軽巡を妄想する」【SW設定妄想垂れ流し-031】

最近発売された(完結した)「ストライクウィッチーズ零」2巻巻末のコラムで戦艦紀伊型が語られていますが、その中に14cm連装砲についての記述がありました。そこから妄想する、当時の大量生産軽巡のお話です。
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上記の61cmとは魚雷発射管の事です。5500t級は2連発射管を両舷に各2基装備していました。

なお、阿賀野型に50口径15.2cm砲が採用されたのは、14cm砲では同クラスの軽巡洋艦に砲火力で圧倒されてしまう為であり、かと言って最上型を睨んで開発された60口径15.5cm砲は過剰に重量があり、阿賀野型で目指す性能/排水量/建造費には相応しく無かったのです。

結局、選択に規制の無かった当初は見送られた主砲の15.2cm砲と言う選択が、軽巡としての上限規制が生じた揚句、帰って来た訳です。

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

機関換装と改装による排水量増大を前提に建造時5500tで第二次N戦時には6000tで34ktかな?とか虫の良い事を…更には防空任務が中心になれば14cm連装砲塔なら12.7cm連装高角砲塔に(半)自動装填機構込みで行けそうってのもあります。 #ス魔考

2012-02-27 07:25:25

通常の12.7cm連装高角砲は25t以下ですので、単に置くだけなら重量的に2門おけるのですが、高射装置や揚弾装置の艦尾を含めて多少余裕を見た格好です。しかし長10cm砲への換装も不可能ではありません。

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そもそも、15.2cm砲と14cm砲には国産戦艦と条約を巡るアレコレがありまして…元々、(巡洋)戦艦金剛はイギリスに発注され同型艦3隻が国産されたのですが、その際舷側にケースメイト配置されていたのが50口径の15.2cm砲だったのです。 #ス魔考

2012-02-27 07:47:13
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

以来、扶桑・山城でも副砲として採用された、イギリス由来のこの砲ですが、弾丸重量が45kgと日本人の体格では扱いきれない代物で、元来が水雷艇や駆逐艦を排除するべき副砲が射撃速度の点での問題となり・・・ #ス魔考

2012-02-27 22:04:27
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

対策として50口径14cm砲が開発されたのです。14cm砲は弾丸重量が凡そ40kg以下であり、運用性は大幅に改善されました。そしてこの砲は伊勢型・長門型の副砲となった他、駆逐艦を支援する水雷戦隊旗艦である軽巡の主砲として採用され、天龍型から5500t級の主砲として #ス魔考

2012-02-27 22:07:13
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

非常に多用される事になります。その後、単装砲では無く、射撃管制でも配置上でも有利な連装砲が開発されますが、採用は軽巡では夕張一隻のみ、その他は練習巡洋艦や数の少ない補助艦の主砲として採用されたに留まりました。 #ス魔考

2012-02-27 22:09:57
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

何故なら、早々に代艦を用意すべき老朽化の進む5500t級に代わり登場するべき汎用軽巡よりも、正面戦力としての大型巡洋艦が求められ、古鷹型、青葉型を経て強力な条約型重巡の開発に突き進み(巡洋艦全体の排水量制限から、通常の軽巡を建造する余裕はなくなります) #ス魔考

2012-02-27 22:12:45
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

軽巡として建造された(又はその予定だった)最上型と利根型は、15.5cm砲を搭載して軽巡として登場後、改装時に20cm砲に換装する予定だったのです。 #ス魔考

2012-02-27 22:13:58

補足しますと、最上型は軽巡(乙巡)として完成し、後日密かに改装されて3連装15.5cm砲5基15門から連装20.3cm砲5基10門になっています。その為に最上の主砲バーペットは20.3cm砲用のそれよりも若干大型化しています。そして、当初から20.3cm連装砲を装備した利根型も、バーペットは最上同様に若干大型化されています。

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

こうして駆逐艦隊の旗艦やその他の汎用用途の軽巡は暫く放置されてしまい、阿賀野型が登場するのは随分と後の事になってしまいました。しかし、ストライクウィッチーズに於ける扶桑海軍は、南方諸島の広大な領土領海を警備し、そこを繋ぐ交易航路を保持する目的から・・・・ #ス魔考

2012-02-27 22:16:33
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

数多くの巡視・警備目的の艦艇とその旗艦が必要であり、恐らくそれが「ストライクウィッチーズ零」2巻のコラム中で語られる「14cm連装砲を搭載した軽巡洋艦」だと考えられるのです。 #ス魔考

2012-02-27 22:18:00

さて、一旦ここで15.5cm砲に脱線します

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

最上型利根型への搭載が前提であった60口径3連装15.5cm砲は、軽巡洋艦を6.2インチ砲搭載の巡洋艦に規定された結果、既に重巡洋艦が隻数制限で建造できないなかで、巡洋艦建造排水量枠内で可能な限り強力な艦を求めた結果、開発された火砲です。 #ス魔考

2012-02-29 17:32:08

お恥ずかしい限りですが、15.5cm砲は6.1インチ
です。以降も6.2インチは6.1に読み変えて下さい。

M-鈴木 甲28 @kapitan_black

何故従来から使用していた6インチ砲(15.2cm砲)を使用しなかったかと言えば、この場合に仮想敵となるアメリカ重巡洋艦の8インチ砲に対して射程が圧倒的に見劣りする事が1つ。そして元々口径で劣るとは言え、少しでも大口径を求めた事がもう1つの理由です。 #ス魔考

2012-02-29 17:37:32
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

当然抱く疑問は「たった0.2cmだから、口径だけでも合わせれば良いではないか?」ですが、日本はその直前にある経験をトラウマの様に抱えていたのです。古鷹型、青葉型、妙高型に当初搭載された主砲口径は20.0cmであり、僅かに8インチを割り込んでいました。 #ス魔考

2012-02-29 17:42:14
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

そして、条約で巡洋艦の主砲口径上限は8インチに規定されます。当初、僅か3.2mmの差など気にする必要は無いと考えられていましたが、実際に比べてみると意外な程に8インチ砲弾の方が重く、関係者は驚愕します。 #ス魔考

2012-02-29 17:46:15
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

如何にその事を憂慮したかは、20cm砲搭載艦中、空母以外の殆どの艦が砲自体を交換するか、「砲身の内側を削って」正8インチ砲に拡大した事でもそうと知れます。(その意味では古鷹などの20.3cm砲は50口径ではなくなった訳です、厳密には) #ス魔考

2012-02-29 18:13:08
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

さておき、こうした苦い経験から日本帝国海軍はアメリカの重巡洋艦に対抗し得る戦力を新型軽巡洋艦に与える為にも軽巡洋艦最大口径である15.5cmの新型砲の開発に乗り出します。しかしそれは新たな技術的挑戦でもありました。 #ス魔考

2012-02-29 18:17:14
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

まず、前提に「アメリカの8インチ砲と射程が拮抗していなくてはならない」と言うものがあります。実は弾丸は空気抵抗が断面積に比例し慣性が質量に比例する為に、大きい弾程速度が落ちにくいのです。これは大きさが2倍になると面積が4倍になるが体積が8倍になるからです。 #ス魔考

2012-03-02 20:00:54
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

同じ形と同じ材質の場合、大きい方が速度が落ちにくく、同じ初速であれば、より遠くまで届きます。つまり、6.2インチ砲である15.5cm砲で8インチ砲に対抗するには大幅に初速を上げる必要があり、つまりは口径長(砲身を)増す必要があるのです #ス魔考

2012-03-02 20:06:01
M-鈴木 甲28 @kapitan_black

この場合、日本帝国海軍は60口径を選択しました。実は日本帝国海軍の海軍砲で60口径を超えるものはこれ以外には10cm高角砲と8cm高角砲(7.6cm)の2つがあるだけでなのです。何故なら砲身を伸ばす事は砲身命数(寿命)を短くするばかりではなく、自重で垂れ下がると言う #ス魔考

2012-03-02 20:12:05