ラノベ作家・榊一郎氏の「物語を演出する上で気をつけておく事」

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12.24.was dead @wakamebu

@ichiro_sakaki と、榊先生。もしお時間などよろしければ質問してもよろしいでしょうか? 物語における演出の話なのですが

2012-03-02 22:00:09
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu すいません、離席していました。私にわかる事ならお答えできると思いますが、なんでしょう?

2012-03-02 22:16:40
12.24.was dead @wakamebu

@ichiro_sakaki ありがとうございます。で、演出なのですが、色々手法があると思うのですね。いつか榊先生が呟いてましたが眼鏡っ子を出すなら、そのキャラ特有の仕草を出すなど。これも一種の演出ですよね。で、なにが聞きたいのかと言いますと(続く

2012-03-02 22:21:47
12.24.was dead @wakamebu

@ichiro_sakaki 電波悪くてまことに申し訳ありません。これはキャラの演出。では物語の演出はどうなんだろう、と思いまして。もちろん研究して考えろってことなんですが、演出を考える際これだけは押さえておけ、ということなどありましたら、ぜひお聞きしたいのです

2012-03-02 23:36:49
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu とりあえず、sousakuタグつけた方がいいんですかね。ちとつけますね。 #sousaku

2012-03-02 23:39:03
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu さて、お聞きになっているのは「物語」そのものを演出する上で気をつけておく事は何か、という話な訳ですが。そもそも「演出」とは何かという事を考えた場合、表現者が意図したイメージなりメッセージなりを、より確実に、効果的に、視聴者、読者に、 #sousaku

2012-03-02 23:40:32
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 伝える為の道具、と考えるとします。この場合キャラの「演出」は「どういうキャラ(人格)か、物語の上でどういう役割か」を的確に読者に伝える為のもので、たとえば分かり易いのは、よくある「川でおぼれかけの子犬を助ける不良」で、 #sousaku

2012-03-02 23:41:59
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu あれは、つまり「見た目は無愛想とか怖いけど、実は中身はとても優しいいい人なのだ」というのを端的に、しかも「言葉」ではなく「場面」で語る事で、自然に見せる為のものである、と。翻って、では「物語」の演出の場合、 #sousaku

2012-03-02 23:43:46
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu その物語、つまりストーリーの「流れ」で何を伝えるか、です。これは別にテーマとかメッセージとかでなくてもよくて、単にどきどきわくわくしてほしいとかそういうのでもいい訳ですが。つまり、「伝える」というときれいで丁寧ですが、 #sousaku

2012-03-02 23:45:04
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 悪く言えば演出とは「お客さんを思い込ませる(ある種の感情や理解に自然と流れる様に)様に誘導する」という事な訳で。エロ小説でエロい気持ちになってほしいのなら、そういう演出をすべき、という話。 #sousaku

2012-03-02 23:46:28
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu なので、まず一番最初に、そのもの語りで何を読者に伝えるか、読者をどんな気持ちに誘導するか、を意識しておいた方がいいと思います。よく私が言うコンセプトの明確化、ですね。で、その上で、必要と思われる「手順」を「場面」として積み上げる。 #sousaku

2012-03-02 23:48:41
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 分かり易い例でいえば、いわゆる死亡フラグ、がそれで、「読者に、戦争の悲惨さを伝えたい」「戦争で死んでいく人をかわいそうと思ってほしい」という前提があるとして、その場合に、「どうやったら、悲しいと思ってくれるか」―― #sousaku

2012-03-02 23:50:12
12.24.was dead @wakamebu

@ichiro_sakaki まずは演出で伝えたいものを明確にする、と?

2012-03-02 23:50:13
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 死ぬ予定の登場人物に、死、という最大級の不幸をよりくっきり浮かび上がらせる為に、その対比物である幸福を置く。「俺、この戦争が終わって故郷に帰ったら~」という台詞の先には、まず「幸福の象徴」を置かねばならない。そのことで #sousaku

2012-03-02 23:52:47
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 「あそこで死んでいなければ、幸せな未来が待っていたはずなのに!」と悲しみが増幅される。その一方で、読者に感情移入してもらう為には、共感しやすい幸せの形が必要で、間違っても、 #sousaku

2012-03-02 23:54:44
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 「俺、この戦争が終わって故郷に帰ったら、小作人を搾取して大農園主として贅沢のかぎりを尽くすんだ」とかではいけないという事です。大抵は「小さい頃からの夢の実現」「待っていてくれている恋人とのゴールイン」が万人受けする、共感しやすい幸せの形。 #sousaku

2012-03-02 23:56:03
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu つまりですね、「戦争の悲惨さを伝えたい」→「戦争は悲しいと思ってもらいたい」→「感情移入した登場人物が死ねば悲しい」→「ではどういう前提を置けば感情移入して悲しくなる?」→「死亡フラグと呼ばれる台詞と行動を死の少し前に置いておく」となる。 #sousaku

2012-03-02 23:58:16
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 物語の演出とはつまり、こういうものの積み上げであり、さらに言えば、それをさらに盛り上げる為の文章演出(単語の選び方、改行パターン、句読点の入れ方)になる訳ですな。 #sousaku

2012-03-02 23:59:28
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 勿論、細かい例でいけば、メッセージやコンセプト以前に、「お話にまず入り込んでもらう為の演出」というのもある訳ですが、これも俯瞰してみれば「メッセージを伝える演出にまでたどり着いてもらう為の障害を減らす」ので、同類かな、とか。 #sousaku

2012-03-03 00:02:50
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 物語の演出技法を学ぶ一番手っ取り早い方法は、ハリウッド映画(あ、名作とか人気作ね、B級は参考にならない事もある)とかのDVDを持ってきて、チャプター毎に止めて、物語を見ていく上でわかった情報を書き付けておく(各チャプターのあらすじを書く) #sousaku

2012-03-03 00:05:53
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu さらに、自分がそこまでの場面でどんな気持ちになったのか、そのチャプター内で印象に残っているのはどこか、を添えて書いておく。すると、「その場面は何の為に置かれているのか?」が見えてきたりします。 #sousaku

2012-03-03 00:06:59
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@wakamebu 演出のリバースエンジニアリングですね。これをしばらくやってると、「演出とはこういうものだ」的な理解が頭の中に定着しますから、そこから先はいちいち書き付けなくても、「効果的な演出技法」に出会うと脳が反応します。 #sousaku

2012-03-03 00:08:26
12.24.was dead @wakamebu

@ichiro_sakaki 読者に伝えることをわかりやすくするのが演出、とそういうことでしょううか?

2012-03-03 00:06:43