ガントレット・ウィズ・フューリー #5
「ハッ……ハッ」獣は涎を垂らした。視界の端で「秩序者」のネオン看板が火花を吹いた。ニンジャは獣に向かってオジギした。「ドーモ。ダークニンジャです」ニンジャはオジギするものだ。獣は嘲笑った。ニンジャをカラテで殺す。ブッダ!救ってください。口をついて出るのは唸りだ。「オゴゴ……」 5
2012-03-05 17:06:04「探したぞ」ニンジャは言った。「まるで獣だな。悪いが命は奪う」「オゴ……ハハハ」ニンジャはニンジャソードを水平に構えた。獣は思案した。さあ、どこから喰ってやろう。この前のニンジャ……ザイバツ……泣きながら救いを求めていたな。救いだ。皆、救いが欲しい。獣は襲いかかった。 6
2012-03-05 17:11:57「イヤーッ!」「グワーッ!?」獣は悲鳴を上げた。いない。ニンジャがいない。胸に横一直線の切り傷が開く。だが獣の装甲は厚い。神器は素晴らしい。獣だけが神器を我がものにできる。一つになれる。獣は振り返った。「イヤーッ!」「グワーッ!」 7
2012-03-05 17:14:48振り向いた瞬間、視界の端にニンジャが映った。だがまた消えた。また胸に横一直線の切り傷が開いた。同じ箇所だ。獣は痛みを感じた。おかしいな。ニンジャはどこだ。獣は振り返った。「イヤーッ!」「グワーッ!」 8
2012-03-05 17:16:54振り向いた瞬間、視界の端にニンジャが映った。だがまた消えた。またも、胸に横一直線の切り傷が開いた。今度は血が噴き出した。痛い!苦しい。深い!ニンジャはどこだ!獣は振り返った。「イヤーッ!」「グワーッ!」 9
2012-03-05 17:19:17胸の傷をこじあけるように、ニンジャソードが深々と突き刺さっていた。獣は震えた。その身を覆う装甲に無数のヒビが入り、バラバラと崩れ落ちた。「アバッ……」「……」ニンジャは目を細めた。「……心は残っているのか?名前は?」「アバッ……」獣は震えた。血と共に、口から声を絞り出す。 10
2012-03-05 17:22:42「……アア……ウウウ」血泡を吹いた。獣は口を動かした。「……忘れ……忘れた」「そうか」ニンジャは低く言った。そして切っ先を捻じり、心臓を破壊した。「サヨナラ」獣のニューロンに白いノイズが拡大した。無が訪れた。 11
2012-03-05 17:25:52……ダークニンジャはブッダデーモンめいた怪物の爆発四散跡にかがみ、目的の神器を……無傷で残るブレーサーを手に取った。そして身を翻し、消えた。 12
2012-03-05 17:29:15