130字の二次創作

TLで時々、リプライで指定を受けたホモカプで130字の二次創作をしています。
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ばにゃん @aconitine_NEO

すぐに頭に血が上って、地雷がどこだかわからない奴。氷室にとっての紫原の第一印象はそんな具合で、負けず嫌いなだけでよくキセキの世代と呼ばれたものだと思った。ただ、彼が腹を立てるのは、バスケを好きではない、その一点で否定されるからだ。強さだけでも肯定してやりたいと思った。【紫氷】

2012-06-14 20:45:49
ばにゃん @aconitine_NEO

捕まえたら、勢いでへし折ってしまいそうで怖い。一度だけそんな弱音を奴に吐いた事がある。奴は酷く眉間に皺を寄せて舌打ちしたあと、「そんな情けかけられてたなんてね」と吐き捨てて、その日は泊まる約束だったのを反古にして帰った。今だからわかる。おれは奴の誠意を無碍にしたのだ。【静臨】

2012-06-14 20:37:45
ばにゃん @aconitine_NEO

「天才様の考える事はようわからんわ」今吉の本音だった。えげつないやり方だし、スポーツらしくない、と思う。「だったら、アンタが俺と同じレベルで、俺がカバーできないスペース、埋めれんですか」それでも可愛い後輩が才覚を持て余しているのを押え付けられるほど、素直でもなかった。【今花】

2012-06-14 20:35:15
ばにゃん @aconitine_NEO

いつまでも青峰のことを気にかけているから、そんなに青峰が好きなのかと聞いたら「火神くんに似ているところがあるので、どうしても思い出してしまいます」と言われた。似てるから俺だったのかと聞いたら、「いつも、彼に勝てるのは彼だけだと言っていましたから」暫く黙った後に肯定された。【黒火】

2012-06-14 20:31:34
ばにゃん @aconitine_NEO

あくまで憧れだと諭してきた。この子に恥じない父である事を己に課して、不誠実なことだけはすまいと誓ってきた。だというのに、どう応えれば良いだろう。項垂れて、懺悔でもするかのように好意を吐露するこの子に、親子である事を理由に拒絶する事は、果てしなく不誠実なことに思える。【父子ホモ】

2012-06-06 23:27:16
ばにゃん @aconitine_NEO

寒くても寒くなくても、この子は私の中にすぐ入り込んでくるのだ。狭くて暗いところが大好き。足と布団の隙間がお気に入りで、1度ここと決めたらヒトが邪険にしても絶対に動かない。昼日中、家人が居らず静かな家の中で私の傍らから動かないこの子のおかげで、私は随分と寂しくない。【ねこ×こたつ】

2012-06-06 23:23:08
ばにゃん @aconitine_NEO

「別に黒子っちが一番って言わて、諦める気ないっスけど」自信ありげだとは言わない、夢見がちだとも言わない。青峰は最初から諦めている奴が腹立たしくて、だから黄瀬にどうしようもない気持ちになる。振り払えないのは真っ直ぐすぎるからだ。少しは捻くれていれば切り捨てられた、と思う。【黄青】

2012-06-06 23:18:47
ばにゃん @aconitine_NEO

いつも俯きがちで瞬きが多いのが、凄く可愛いと思った。小動物みたいにきょろきょろして、おどおどして、そのくせ見上げてくる時は真っ直ぐに目を覗き込んでくる。目が合っている瞬間だけ、やけに真っ直ぐに俺を見てくる。恋とは落ちるものだって、初めて理解した。【きょど受け+ぞっこん攻め】

2012-06-06 23:14:50
ばにゃん @aconitine_NEO

弟だと思ってたし、守る相手だと思ってた。守られてる事を知っても、それでも、今度は俺が守る番だと思ってた。兄として兄らしくいないといけないと思っていた。けれど。机で伏せてしまった弟をベッドに運びながら思う。もしかしたら、パートナーとして信頼すべきなのかもしれない。【燐雪】

2012-06-06 23:09:33
ばにゃん @aconitine_NEO

黙っていれば、黙ってさえいれば。そのフレーズを何度繰り返しただろう。何度も聞いている新羅はとうに呆れている。「黙ってればムカつかないって? でも君、臨也のああいう口が達者で小賢しいところが好きだろう?」要らない事さえ言わなければ、少しはまともに話せるかもしれないのに!【静臨】

2012-06-05 12:58:12
ばにゃん @aconitine_NEO

「君は何度言ったらわかるんだ!」その台詞を何度繰り返したかしれない。けれどへこたれない小松田は大きく目を見開いたあと、満面の笑みでこういうのだ。「何度も言ってくれる利吉さんっていい人ですね」とうに呆れている、見切っている、それでも彼の笑顔は何か心地の良い温みがあるのだ。【利コマ】

2012-06-05 12:55:38
ばにゃん @aconitine_NEO

「別に青峰っちの真似がしたいわけじゃないんスよ?」へらへらした笑顔の裏など青峰には読めそうもない。ただ、コイツにそれを許してはいけないことはわかる。「青峰っちのセンスが、強くなる最短ルートだと思ってるだけっス」笑顔の奥に光る獰猛さ。諦めの悪さに反吐が出る。【青+黄】

2012-06-05 12:52:31
ばにゃん @aconitine_NEO

「思い違いで黒子に絡むのはやめておけ」緑間の、黒子に関してやたら執着するくせに淡々とした物言いが高尾は気に入らない。緑間は黒子を気に入らないという、裏を返せば執着だろう。だが、(あっちは多分真ちゃんが思ってる以上に真ちゃんに執着してるんだよ)敵に塩を送る真似などしない。【高+緑】

2012-06-05 12:48:12
ばにゃん @aconitine_NEO

「完全にコピーしても、僕とのコンビネーションだけはできませんよ」淡々と言う黒子に黄瀬はいつも少しの苛立ちを覚える。青峰以下だと言われているようだからだ。その苛立ちをわかって黒子は笑う。「黄瀬くんは青峰くんと考え方が違う。僕が出すパスも、青峰くんに出すパスとは変わります」【黄+黒】

2012-05-31 22:45:43
ばにゃん @aconitine_NEO

たぶんどこまでもぶくぶくと沈んでいくのだ、これの手を取ると。臨也と顔を合わせると門田はいつも思う。ぶくぶくと沈んでいっている事を解っていて手を離さないこれと、これと一緒にならどこまででも沈んでいけると盲信している誰か。俺はそれを見て、誰かを羨むのにこれの手は取らない。【門臨】

2012-05-31 22:40:41
ばにゃん @aconitine_NEO

自分はあまり酒を飲まないが、奴は嗜む程度に焼酎やブランデーをやる。だが、酒の飲み方を知っているだけに酔いが回りはじめる分量より随分早く切り上げる。「博徒が酒に飲まれたとあっちゃ面目立たないでしょ」そう素面の顔で笑うこいつを、酔い潰して本性の垣間見えるところが見てみたい。【青赤】

2012-05-31 22:38:41
ばにゃん @aconitine_NEO

「彼のバスケが嫌いなわけではありません。僕が求めるバスケとは違うけど、彼なりのバスケですし、確かに強いです。それでも、……僕は単に、青峰くんにバスケを楽しいと思って欲しいだけなのかもしれません。僕が彼とバスケをやると、彼がバスケを楽しいと思う事はきっとなくなってしまう」【黒青】

2012-05-31 22:36:43
ばにゃん @aconitine_NEO

その背中を、かつてはトラックで見送っていた。憧れの人だった。その人がトラックで走らなくなったことを嘆いた事もあった。その人の、今は隣にいる。ピッチのあちら側半分を任せて、こちら側半分を任せられて、隣にいる。ただ憧れるだけでなくなったその人は、かつてよりももっと速かった。【宮風】

2012-04-22 01:42:41
ばにゃん @aconitine_NEO

寝顔はただの子どもだ。希望のない世界に夢を見るばかりの、それでいて自分で動き出そうとする。その寝顔を守ろうなどと思った事は一度もない。自分が生き延びるので精一杯の世界で、子どもの穏やかさを守ろうなんて余裕はない。それでも、明日もまたこの寝顔を見る事を願うのだ。【リヴァエレ】

2012-04-22 01:39:06
ばにゃん @aconitine_NEO

眉間に皺を寄せてポケットに手を突っ込んだ少年に近い年頃の栗色の髪の青年が唇を尖らせている。色素の薄い髪の青年になにか文句を言うが青年はちっとも悪くなさそうに謝って、肩を叩いて歩き出す。そのふらりと空中を掻く手を、栗色の青年はごく当然のように繋いで、子どもの様に笑った。【普南伊】

2012-04-22 01:36:22
ばにゃん @aconitine_NEO

「コーチでも監督でもなんでもいい、またここに戻っておいで」夕闇に優しい声が響く。言っている事は酷いのに声ばっかりが優しい。夕日を背に真っ黒く浮かび上がる人影は悪魔の様に囁く。「でないと、俺、お前と一度も試合できないまま死んじゃうんだぜ」酷い誘惑的な甘言だった。【指定:モチタツ】

2012-04-01 00:50:40
ばにゃん @aconitine_NEO

自転車から離れたら接点などなくなってしまうと思っていた。住む場所もそう近くはない。彼と会うのはレースだけだし、繋がりはレースだけだと思っていた。『試験は終わっちまったけど、最後の神頼みッショ』彼がレース以外のために俺に電話をくれるなんて、想像してもいなかった。【お題:東堂×巻島】

2012-03-12 22:35:55
ばにゃん @aconitine_NEO

「これ、お返ししますね」穏やかな微笑みと声とともにテーブルに置かれた銀のリングは、目に馴染んだものだった。気紛れに買い与えた、子どもへの駄賃。執着などなかった筈だった。まだ彼の温度を持っている銀のリングはいずれ彼の温度を忘れるのだろう。それが酷く物悲しかった。【お題:四木×折原】

2012-03-12 22:30:55
ばにゃん @aconitine_NEO

静雄は臭いというが、君の匂いは甘くて中毒性がある。そういうと彼が困ったように笑うのが哀れましかった。「おれは、中毒なんかにしたいわけじゃないよ」「知っているとも」髪を掻き揚げる仕草から匂い立つ甘さ。「僕は君の偶像を望んだりしないから、なんだって知っているとも」【お題:新臨】

2012-03-09 00:22:48
ばにゃん @aconitine_NEO

そいつの手は荒れてがさがさした軍人の手で、ちっとも柔らかくない。なのに、伸ばされて頬を包まれるとあたたかな気持ちになるのが納得いかない。女の子たちのように胸を沸き立たせる温かさではない、じわりとこぼれるような温かさ。そいつを相性で呼ぶ奴らを羨むなんて初めてだ。【お題:ギルロマ】/

2012-03-09 00:18:39