四の舟×おろし丸によるスケッチブックリレー小説 ねぎくが~あなたの笑顔に微笑む私~

ねぎくがの空閑さん視点のお話。根岸ちゃんの笑顔にメロメロ。それは根岸ちゃんも同じこと。
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四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 根岸ちゃんが私といるとき、時々見せるはにかんだ笑顔が好き。その笑顔を見るたびに、私の胸がキュンとなって、彼のことが好きなのだと、込み上げてくる切なさと喜びと共に感じてしまうのだ。

2012-03-03 22:10:32
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE といっても、根岸ちゃんは結構神経質で短気な性格だ。私から見ればどうでもいいような事にいらついてよく吠えている。梶原さんからは彼の笑顔を見た事が無いとまで言われた事があった。

2012-03-03 22:13:01
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 根岸ちゃんが笑顔を見せる瞬間を、私はまだ完全に把握できてはいないのだけど、彼が笑顔を見せる度に「こういう時に笑うんだ」と理解する。

2012-03-03 22:15:53
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE ある日、私はその笑顔をずっと見たくなっている事に気付いた。とはいっても根岸ちゃんが笑うのは一瞬、長くて数秒と言ったところだ。ずっと見ていることは難しい。――と、そこで閃いた。

2012-03-03 22:18:43
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 翌日、彼と待ち合わせて、一緒に帰る途中で、私は根岸ちゃんの顔をじっと見つめてみた。私視線を見て、根岸ちゃんが「どうした?」と尋ねる。それを無視して見つめていると、彼の顔が少し崩れて「どうしたんだよ?」と、少し口元に笑みを浮かべて言った。やった、大成功。

2012-03-03 22:31:38
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE と、次の瞬間彼は恥ずかしそうに視線をそむけてしまった。「――ねえ、どうして?」「あ?」「どうしてすぐ目をそらしちゃうの?」

2012-03-03 22:34:09
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko せっかく、笑顔が見れたのに。「ねえ、根岸ちゃん」 「な、なんだよ…?」 「ひょっとして、わたしのこと」 「嫌いなわけないだろ。お前の事、好きだぞ?」 今度は私が視線をそむける番であった。

2012-03-03 22:38:46
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「あ…」視線をそむけた瞬間に、気付いてしまった。なんで根岸ちゃんが笑顔をすぐやめてしまうのか……恥ずかしかったのだ。丁度今の私のように、恥ずかしかったんだ。

2012-03-03 22:41:19
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「根岸ちゃん。こっち、見て」 根岸ちゃんはゆっくりと顔をこちらに向ける。とたん、私の顔を見るなりまた顔をそむけてしまった。私は軽く微笑んでいたのだ。「根岸ちゃん、こっちを向いて」 「わかってるよ…」 「それで、ね」 「?」 「笑顔を返して」

2012-03-03 22:47:08
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「え、いや、その…なんだ」「良いから」ふ、と微笑みを消して話しかける。少し斜め上を見ていた根岸ちゃんの視線が私の視線と重なった。一瞬の間ののち――根岸ちゃんはちょっとぎこちなく、微笑んだ。

2012-03-03 22:50:37
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 満足しながら「…うん」と言葉が漏れた。 「ど、どうしたんだよ?」 「ううん。うれしいなって、思っただけよ」 「ん?」 「私が頬笑んで、根岸ちゃんも微笑み返してくれるのって、とってもうれしいなって思ったの」

2012-03-03 22:56:46
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 何の飾りもない、混じりッ気のない本心を根岸ちゃんにぶつけた。すると根岸ちゃんは――私をぎゅっと抱きしめてくれた。

2012-03-03 22:57:48
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「あの、根岸ちゃん」 「なんも言うな」 「えっ…」 「いいから!」 抱きしめられたままじっとしていると、根岸ちゃんの温もりが私を包み込むように伝わってくる。私はあまりに幸せで溶けてしまいそうだった。「空閑、うれしいか?」 「…うん」 「俺も、うれしい」

2012-03-03 23:05:20
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE この身長差がもどかしい。なんとかして根岸ちゃんにしがみつくように、根岸ちゃんを抱きしめていた。ただ、温かかった。そして密着した身体を通して、彼の心臓の音がとくん、とくんと聞こえていた。

2012-03-03 23:07:20
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「…なんだか、こういうのって、いいわね」 「そうだな」 私が嬉しいと思った時、根岸ちゃんもそう思ってくれたらいいと、私は抱きしめられながら思っていた。そして、彼が喜んでいるとき、私も喜んであげることができたら、どんなに素敵なことなんだろうとも思っていた。

2012-03-03 23:13:10
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「あ、あのさ空閑」「何?」「…その、分かる。」「え?」「……いやその」どうも歯切れが悪い。どうしたのだろう?「……胸、密着してて、その、凄いドキドキしてるのが、分かる」「あ……」

2012-03-03 23:15:14
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「根岸ちゃん……エッチ」 「ば、バカ言うんじゃねえっ! ホントに鼓動が伝わってだな…」 「あら、胸の事は否定しないのね?」 「…し、仕方ねえだろ、俺だって男なんだからよ… 意識しない方が難しんだよ…」 彼はからかいがあってうれしいわ。

2012-03-03 23:20:10
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 耳まで真っ赤に染めている根岸ちゃんが、愛しくてたまらない。抱きしめられているのは私の方なのに、これじゃあどちらがリードしてるのか分からないものだ。「…ねえ、根岸ちゃん……」

2012-03-03 23:21:43
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「…なんだ?」 「だーいすき…」 「わかってるよ…」 「ううん。あなたに告白した時よりも、もっともっと好きになっちゃったかもしれないわ…」 「そうか…」 「私が想像もできないくらい、好きな気持ちで溢れさせてくれたらいいな…」

2012-03-03 23:30:31
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「……たいか?」「え?」普段の根岸ちゃんからは考えられないくらい小さな声が私の耳に届いた。「……溢れさせ、たいか?」「…!」わたしは何も言えなかった。ただ、小さく二度頷くことしかできなかった。

2012-03-03 23:32:48
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 私の顔を、根岸ちゃんはやさしく両手で包みこんだ。温かい掌と、根岸ちゃんの真剣なまなざしに、これから彼がどうするか、なんとなく察しがついた。私は静かに瞳を閉じる。根岸ちゃんの唇が、私の唇に重なった。甘くてとろけそうな感触に、力が抜けてしまいそうになった。

2012-03-03 23:38:24
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「んっ……ん…」漫画や小説、ドラマでしか見た事のない事がいま、私に起きている。それも相手は大好きな根岸ちゃんだ。触れ合っている唇からとろとろにとけていってしまいそうな、そんな快感すら私は覚えていた。

2012-03-03 23:42:33
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 重ねていた唇を根岸ちゃんはそっと離した。頬を赤くした根岸ちゃんの顔がかわいらしい。「…初めてだったのよ?」 「俺もそうだ…」 「それにしては、根岸ちゃん上手だったわよ?」 「そうか?」 「たいてい初めては、歯と歯の壮絶なぶつかり合いになるって聞いてたわ」

2012-03-03 23:53:10
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「……空閑。」「……ええ、分かってる話根岸ちゃん。」「……好きだ。」そう言うと根岸ちゃんは、不器用ながらも優しい頬笑みを、私に向けてくれた。

2012-03-03 23:54:48
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「うん。私も好き」 そう言って私も微笑み返す。いまきっと、私たちは「好き」という気持ちを共有しているんだ。私も好きで、根岸ちゃんも好き。なんて素敵なことなんだろう。二人の気持ちがつながるなんてあるんだ。これって、小さいけれど、奇跡なんだろう。

2012-03-04 00:00:36