「読切漫画」が消えたことの影響

小説家・芦辺拓(@ashibetaku)氏と漫画原作者・喜多野土竜(@mogura2001)氏の談話
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芦辺 拓 @ashibetaku

小説誌がいわゆる異色短編の発表の舞台にならなくなったためか、僕自身未知の作家や作品との出会いを求めて雑誌を買ったことはほとんどない(ジャンル専門誌は別にして)。そこで気になるのが電子書籍時代。作品の一点購入が主流になると「短編集」という形式はなくなるわけで、さてどうなるのか(続)

2012-03-07 14:27:31
芦辺 拓 @ashibetaku

最大の問題は、「短編集」がなくなると「趣向や仕掛けのある短編集」も出せなくなること。「短編何本かを一括した電子書籍」ってのはありうるわけだが、どうもそれも違うと思われる。なので、今はせぇざい(←古い大阪弁)紙でしか出せない本作りにいそしんでおります。電子化でどうなるのか不明ですが

2012-03-07 14:31:20
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

こち亀が100刷いったとき、単行本の新刊が出るたびに1万部ずつ年に4~5刷と西村繁男元編集長が語っていた記憶が。で、他の出版社の編集と飲んだ時、100刷超えてる作品ってウチら、けっこうあるぞといういう話に。だって体力ないから2000部とか3000部、時には1000部なんて増刷も。

2012-03-07 14:28:20
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

で、ウチだったらこち亀はとっくに300刷だ、イヤこっちなら500刷だと悲しい自慢話に。実際、五島勉『大予言』とか数百刷になってた記憶が…。でも、1000冊の重版だって100刷なら10万部、偉大な数字。POSデータは便利だけれど、初動重視でロングテールな本が軽視されがちなので尚更。

2012-03-07 14:34:32
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@ashibetaku 小学生の時にポーにハマった自分は、短編に美を感じます。なので漫画でも読切重視。でも時代は長期連載の単行本売上重視に。でも、逆に電子書籍時代なりの戦法はあるかなと、模索中です。小説の場合は、また違うのでしょうけれど。

2012-03-07 14:39:25
芦辺 拓 @ashibetaku

そういえば、最近少年漫画誌に「読み切り」短編が載ることはほぼなくなってしまったそうですね。ある有名誌などもう十数年ないとか。それってあんまりよくないことのような。@mogura2001

2012-03-07 14:42:56
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@ashibetaku 絶対に良くないことです。作家性がある新人ならともかく、すぐ連載のテンプレートにはめちゃうと地力が弱くなります。結果、読切が基本のエロマンガ出身者がキッチリした構成力を持っているので、新人育成力の落ちた大手中堅がスカウトという傾向が、ずっと続いています。

2012-03-07 14:49:24
芦辺 拓 @ashibetaku

「読切漫画」が消えたことの影響! とても重大な指摘です。RT @mogura2001: @ashibetaku 絶対に良くないことです。作家性がある新人ならともかく、すぐ連載のテンプレートにはめちゃうと地力が弱くなります。結果、読切が基本のエロマンガ出身者がキッチリした構成力を

2012-03-07 14:51:25
せんいち @Scheherasade

@ashibetaku @mogura2001 以前は、連載陣の競作みたいにして、10週くらい読み切り短編が掲載されていたような……。古い話ですが、江口寿史先生の「名探偵はいつもスランプ」とか、掲載誌は違いますが藤田和日郎先生の「夜に散歩しないかね」あたりが印象に残る作品です。

2012-03-07 14:51:45
芦辺 拓 @ashibetaku

漫画家にも短編を描く場を与えていたのは、とても大事なことですね。RT @Scheherasade: @ashibetaku @mogura2001 以前は、連載陣の競作みたいにして、10週くらい読み切り短編が掲載されていたような……。古い話ですが、江口寿史先生の「名探偵はいつも

2012-03-07 14:53:25
秋月耕太✨オタクに優しいギャルは存在する! @k_akiduki

@ashibetaku 仕掛けのある短編集は単独で売らなければいいだけの話では? というか短編単体で売るとなるとどうしても割高にせざるを得ないですし、結局のところ割安な短編集が売れるような。

2012-03-07 14:53:02
芦辺 拓 @ashibetaku

@k_akiduki ただの短編集と思って読んでいたら「アッ」というのをやりたいので、最初から一括で売るとバレてしまうことを恐れるミステリ脳ゆえであります。

2012-03-07 14:55:00