「大風呂敷」箴言集

俳人・山田耕司氏がときに呟く謎のアフォリズムの集成。
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山田耕司 @kojikojiyamada

眼鏡をかけるには耳が必要であり、さるぐつわをするには後頭部が必要である。とはいうものの、これらは、「なぜ蛇は眼鏡もかけずさるぐつわもされないのか」という問への解答のすべてではない。

2013-02-24 00:21:43
山田耕司 @kojikojiyamada

必ずしもひっぱればもげるというものではあるまい。

2013-02-27 23:03:34
山田耕司 @kojikojiyamada

A「もつれる以前の状態に戻します」B「もつれた部分を取り除いて本来の機能を取り戻します」C「一緒にもつれます」

2013-03-05 02:37:48
山田耕司 @kojikojiyamada

どの穴から何が出てきてもよいというわけではない。

2013-03-05 23:51:08
山田耕司 @kojikojiyamada

耳に、たぶ。口には、びる。

2013-03-08 02:01:40
山田耕司 @kojikojiyamada

脇道に逸れたら、後ろ手にドアが閉まって、しばらく進んでから脇道に逸れて、またドアが閉まる。妄想が唐草模様になってきたので、いったん寝ます。

2013-03-09 04:06:50
山田耕司 @kojikojiyamada

「握手していいですか?」「それは、手ではない」

2013-03-10 01:26:50
山田耕司 @kojikojiyamada

生きているうちの鱗はやわらかい。

2013-03-12 06:27:44
山田耕司 @kojikojiyamada

あらゆるリスクをかぞえあげ、みずからカゴにはいる鳥。

2013-03-12 06:29:46
山田耕司 @kojikojiyamada

イスのカタチに尻を育てるようなものではないか。

2013-04-11 01:20:17
山田耕司 @kojikojiyamada

ナメクジはうしろにさがらない。無理にさがろうとすると、頭が自分の中にもぐりこみはじめて裏返ってしまうからである。裏返ってしまうのが困るのではなく、それがオモテだかウラだかわからなくなるのが困る、したがって、うしろにさがらないのである。

2013-04-11 01:27:04
山田耕司 @kojikojiyamada

寝ている腹の上で妊娠中の猫がイキミはじめた時以来の緊張感。

2013-04-30 15:04:08
山田耕司 @kojikojiyamada

肉がかってに震えたのかと思っていたら、地震だった。肉はかってに震えないのである。

2013-05-24 09:37:58
山田耕司 @kojikojiyamada

わたしたちは脇毛を持つものの末裔。その視点からこそ「水かき」の幻想性が得られる。

2013-05-26 18:39:02
山田耕司 @kojikojiyamada

陰毛が何の役に立つのかを問われても不毛なやりとりとなるだろうが、身体に残存する「けだもの」のなごりがどこにあるかを議論することならできる。

2013-05-26 18:42:10
山田耕司 @kojikojiyamada

生卵を食べる民と食べない民とが親しくするためには、生卵の扱いを親睦の議案に入れるべきではない。ゆで卵に解決を求めるのは幻想。

2013-05-27 15:40:06
山田耕司 @kojikojiyamada

ホタルへの愛とハエへの憎悪は本来セットではない。だが、それが不安な者もいる。ハエの権利を認めよと主張するあまりホタルを憎悪することも。彼らはホタルもハエも愛さない。安心したいのである。

2013-05-27 19:13:27
山田耕司 @kojikojiyamada

食われゆくカマキリのオス。食われることには官能が漂うとしても「最後はフンになるのですな」などと指摘すると台無しになる。排泄のプロセスには食う方食われる方いずれの意思も反映されない。

2013-05-27 21:25:46
山田耕司 @kojikojiyamada

一頭のオオカミより群の中で目覚めた一匹のヒツジのほうが、孤独。

2013-06-03 15:28:59
山田耕司 @kojikojiyamada

したがってフラミンゴには「あなた」ではなく「あなたたち」と語りかけなければならない。

2013-06-03 15:48:07
山田耕司 @kojikojiyamada

愚かさをとがめてくれる人はいても清らかさをとがめてくれる人は少ない。

2013-06-03 15:56:11
山田耕司 @kojikojiyamada

モチは、ちぎる。もぐものにあらず。もぎたくなるものとちぎりたくなるものの境目を考えるためにモチがあるわけではないのだけれど。

2013-06-05 02:41:30
山田耕司 @kojikojiyamada

敵にたちむかうことを想定しつづけると、その精神がうつしこまれて敵に似てくるということがある。かといって、それが、ナメクジ退治をしようとしていた彼が全裸で雨の中に立っている理由のすべてであるとは限らない。

2013-06-15 23:39:32
山田耕司 @kojikojiyamada

メガネを必要とする器官は目だが、メガネをかけるために必要な器官は耳にほかならない。

2013-06-15 23:42:22
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