NNNドキュメント’12 「行くも地獄戻るも地獄~倉澤治雄が見た原発ゴミ~」 書き起こし・ほぼ完全版

3月11日深夜に放送されたものを文字起こししています。
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とし @toshihiro36

<ナレーション> 処理や輸送にかかった費用は今回だけで63億円とみられる。これは電力料金にはね返り、消費者の負担になる。輸送の途中、反対する住民が放射線量を測定していた。

2012-03-12 18:07:23
とし @toshihiro36

反対派の住民: 輸送車両のγ線です。さきほど0.047から0.078マイクロシーベルトでしたけど、2台目の輸送車両の通過時点で0.109と少し上がっています。

2012-03-12 18:10:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> 運ばれた先は再処理事業の拠点、六ヶ所再処理工場。

2012-03-12 18:12:40
とし @toshihiro36

倉澤: 後ろに見えるのがキャスクと言うんですけれども、あの中にガラス固化体が入っています。去年の9月にイギリスから帰ってきたものです。あのキャスクの中に28体のガラス固化体が入っています。高レベル放射性廃棄物のガラス固化体が入っています。

2012-03-12 18:16:33
とし @toshihiro36

<ナレーション>ガラス固化体がこうして保管されるのは、長くても数10年程度。10万年以上貯蔵できる最終処分場がどこかにできるまでの一時的なものです。六ヶ所再処理工場には総額で11兆円以上がつぎ込まれ、これまでトラブルで度々止まり、本格運転を目指していた今年、またしても作業が中断。

2012-03-12 18:22:25
とし @toshihiro36

<ナレーション> アメリカの核問題の専門家は日本の再処理事業は破滅的だと指摘する。日本が進める使用済み燃料の再処理は、アメリカのように直接処分するのに比べ、はるかにコストがかかるという。しかも再処理によって核兵器に転用できるプルトニウムが溜まっているのも、

2012-03-12 18:26:12
とし @toshihiro36

<ナレーション> テロの危険性があり、問題だという。

2012-03-12 18:26:52
とし @toshihiro36

フランク・フォンヒッペル教授: 高速増殖炉が商業化できると考える電力会社はもう存在しない。フランスの例だが再処理は使用済み燃料を直接的に深地層処分するより10倍も高くつく。日本は10トンのプルトニウムを持っている。フランスとイギリスにも合計35トンのプルトニウムを貯蔵している。

2012-03-12 18:31:23
とし @toshihiro36

<ナレーション> 原子力政策を推進していた専門家たちが後世への記録として残していた発言録が見つかった。そこには幌延の研究施設をそのまま処分場にするという構想が赤裸々に語られていた。中心となったのは元通産省官僚で原子力委員も務めた島村武久氏。

2012-03-12 19:55:33
とし @toshihiro36

島村氏(過去の録音):幌延は最初から試験はするけれども、よければもうそこに置いちゃうと。最終(処分地)という考え方が強かったと思うんだな、初期の頃。

2012-03-12 19:59:06
とし @toshihiro36

当時の科学技術庁官僚:今、今、今そういうこと意見が当初強かったと言うと、全部ごちゃごちゃになりますので…そういうことは決して考えておりませんでしたということでございますけれども。 そうだったんだろうと国会で追及されておりまして(笑)

2012-03-12 20:03:32
とし @toshihiro36

島村氏(過去録音): 僕が証人として出れば、イエスそうですとこう言う。それは具合が悪い。

2012-03-12 20:05:50
とし @toshihiro36

<ナレーション> 東京電力で副社長を務めた豊田正敏氏は、住民を騙すようなものだと疑問を投げかけていた。

2012-03-12 20:07:57
とし @toshihiro36

豊田氏(過去録音): やらなければいかんことだけどね、ともかくもっていき方がちょっとね…だってあんな言い方だと、地元を騙すような言い方じゃないかと思ったんだよね。地下研究施設ということで出したところが、地元は地下研究施設だけじゃお金が落ちないから、

2012-03-12 20:12:16
とし @toshihiro36

豊田氏(過去録音): (高レベル放射性廃棄物も)持ってこいという話になった。そういうことで両方になった。

2012-03-12 20:15:13
とし @toshihiro36

<ナレーション> この発言をした豊田正敏氏、六ヶ所再処理工場の運営会社の社長も務めた。原子力関係者や官僚などの当時の本音をこう語る。

2012-03-12 20:17:35
とし @toshihiro36

豊田氏: 私が提案したわけじゃないけど、一般の人はそう思ってますよ。そういう認識の人が多いんじゃないですか。高レベル廃棄物の地下施設にしても、将来どこに処分場をもっていくにしても、その地点と類似の地点で地下実験場をやらなければ意味がないでしょう。

2012-03-12 20:22:13
とし @toshihiro36

<ナレーション> 関係者の思惑は、幌延を最終処分地にしないという協定によって封印された。

2012-03-12 20:24:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 研究施設を最終処分場にしないという協定があったのに、すぐ隣に最終処分場を決めたのがフランスだ。東部にあるビュール地下研究所。幌延町同様に地下にトンネルを掘ってガラス固化体を置いた時の研究をしている。

2012-03-12 20:28:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> ここは地下水はほとんどなく地震もないため、処分に適した地層だと関係者は言う。当初はあくまで研究所だけということで建設が始まった。しかしフランス政府は一昨年、研究所のすぐ隣に最終処分場を作ることを決めた。隣接する自治体はほとんどが賛成した。

2012-03-12 20:32:52
とし @toshihiro36

<ナレーション> 雇用が生まれ、交付金が入るという理由だった。唯一反対したのは建設予定地にあたる人口220人の村(ボネ村)だった。

2012-03-12 20:36:09
とし @toshihiro36

ボネ村・村長: 最終処分施設の予定地はこちらからあそこまで。粘土質の地層で、地下500mに処分する。2025年に完成して、フランス中の高レベル放射性廃棄物がこの場所に埋められる。

2012-03-12 20:39:50
とし @toshihiro36

<ナレーション> 研究所を処分場にしないと言いながら、すぐ近くに処分場を建設する政府のやり方。村人は途方に暮れていた。

2012-03-12 20:41:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> 過疎の町、幌延町。深地層研究センターでは町を潤すだけの十分なお金は落ちなかった。人口の減少に歯止めはかからない。研究センターはあと10年で閉鎖され、埋め戻される約束になっている。しかし、この約束を信じない住民もいる。

2012-03-12 20:45:58
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