マブリットキバさんが語る岩手のちょっと怖い話しその8

マブリットキバさんが実際に体験したり聞いたりした岩手の不思議でちょっと怖い話し。今回は「猫」の不思議
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用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

これは他人から聞いた話ではない。運良くオレが体験できた不思議なネコの話。土曜日に相応しい話になれば良いと思う。

2012-03-17 22:39:39
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

今から5年前。相棒と一緒に山村の不思議な話を収集していたオレは、山の不思議な話を聞くべく遠野の隣の山間の町に来ていた。そう、以前に狼の話をしてくれた老人のところだ。

2012-03-17 22:42:43
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

色々な話を聞いて、オレに愛想を尽かした相棒は先に帰ってしまった。で、オレは老人夫妻と夕食を食べる事になった。なぜ残ったかと言うと山師の老人に「もしかしたら良いものが見れるかもしれないですよ」と勧められたからだ。

2012-03-17 22:45:21
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人の古い家には秋田犬が一頭と三毛猫がすんでいた。名前は「タマ」いかにもな名前だ。オレはそのネコに気になるところがあった。前足が一本足りないのだ。老人に聞くと以前に山でその三毛猫と出会って連れてきたのだという。どうやら心無い人が仕掛けたトラバサミにかかったのだろうということだった

2012-03-17 22:49:18
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

タマはオレが何度訪れても、縁側でスヤスヤ寝ているネコだった。老人が話をすると、膝の上に座っていつも寝ていた。とにかくいつも寝ているのだった。老人は「それでもタマは私たちにとって大切な家族ですよ」と話してくれた。

2012-03-17 22:53:49
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人によると「山で出会った時、三毛猫は間違いなく怪我を治してほしい。という為に私の前に出てきたのです。山で出会ったので、責任があると思い連れて帰って来たんです。もうそんなタマもおじいさんですよ」と笑って語ってくれた。

2012-03-17 22:57:17
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

そんな話の中、オレは老人に面白いものが見れるという理由を聞いた。老人夫妻はうなずいて「寝ればわかりますよ」と話すばかりだった。そして「こういうことがある時にくるのは巡り合いがあると思うので」と笑顔で言った。

2012-03-17 23:02:54
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレは老人夫妻に勧められるままにその日は泊まる事となった。何が起るのだと思いながら、客間で寝ることにしたのだ。

2012-03-17 23:05:35
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレは部屋を暗くして、時間を計りながら老人夫妻の言うことを期待して待った。老人夫妻が床についたのが夜10時。それから時間が経って夜中の一時過ぎ。ふと気になることが起きた。

2012-03-17 23:09:45
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレが寝ている部屋の隣の和室から「トントン、トトトン」という床を何かで叩くような音が聞こえるのだ。不安定で、弱い音だったがそれは間違いなく聞こえてきた。

2012-03-17 23:17:31
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

しばらく聞いていたが、その弱い音は途切れ途切れに続いている。オレはこっそりと布団から抜け出して、離れた部屋で寝ている老人の部屋へ行った。すると、山師の老人は起きていたようですぐに笑顔で部屋を出てきてくれた。

2012-03-17 23:20:07
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレは老人に隣の部屋から聞こえてくる不思議な音の話をした。老人は驚くことなく「そうですか、そうですか、聞こえましたか。それは良かった」と笑って話した後、「覗きましたか?」と言うのでオレは今だ覗いてない事を告げた。老人は「では一緒に覗きに行きましょう」と言う

2012-03-17 23:23:19
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレと山師の老人はさっき寝ていた部屋へとこっそり戻った。老人は「明かりをつけないでしばらく静かにしましょう」というのでそれに従っていると、また隣の部屋からトントン、トトトン、という音が聞こえ始めた。それを老人は微笑んで聞いている。

2012-03-17 23:26:24
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

黙っていても仕方が無いと思い、オレは老人に意を決して聞いた「あれはなんなのだ?知っているのか?」とひそひそ聞くと、老人は「では覗いてみましょうか」といってスッとふすまをあけた。身構えるオレの目の前にいたのは・・・ネコのタマだった。かけ軸がかかっている床の間にちょこんと座っている

2012-03-17 23:29:36
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

タマは暗闇の中ちょこんと座って、こちらを見ると「ニャー」と鳴いた。老人はそれを見てスッとまたふすまを閉じた。オレは訳がわからずまた老人に聞くが、老人はただ黙って静かに微笑むばかりだった。

2012-03-17 23:33:02
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人はオレに「静かにしましょう」と言うので、しばらく静かにしていると。また隣からトントン、トトトン、トントンと音が聞こえてくる。オレは今度は自分でふすまをスッと開けるが、やはりそこにはタマがちょこんと座っているだけだった。

2012-03-17 23:35:44
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

オレは老人に再度聞く「いい加減に教えてくれんないか?あれはタマじゃないか」。老人はオレに返す「はい。間違いなくウチのネコのタマですな、それよりあの音、なにか気になりませんか?」。ひそひそと話しているとまた、隣から音が聞こえてくる。オレはもう一度耳をすましてその音を聞く

2012-03-17 23:39:40
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

そういえば耳をすませばって映画があったよな 。オレはあれを見に行った帰りにレンタルでイデオンを借りたんだよ。イデオンはいつ見ても胸にくるものがあるよな。Bメカにはいつも乗りたくないと思ってしまうんだ、まぁ関係ないか。

2012-03-17 23:42:28
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

なにものも恐れぬオレだが、イデの力は恐れるべきだと思う。あれこそ畏怖する力だ。

2012-03-17 23:44:24
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

おっと、イデオンの話になってしまったので波動ガンを切り返す速度で話を戻すとしよう。

2012-03-17 23:46:22
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人は暗闇の中、肩を震わせていた。オレは何事かと思い、良く見ると老人は隣から聞こえてくるその音を聞いて泣いているのだ。

2012-03-17 23:48:53
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人は泣いて、鼻をすすりながらオレに笑って静かに答えた「あれは、ねこじゃ踊りですな。タマはもう間もなく、山に帰るのでしょう。いなくなる前にお礼に七日七晩、面倒を見てくれた踊っているのです」

2012-03-17 23:52:22
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

老人によると、タマは足を失った後に面倒を見てくれた御礼に去り際に踊っているのだと言う。それを聞いて、オレは不思議なことに気づいた。隣から聞こえてくる音は弱いが一定のトントン、トトトンというリズムになっていて乱れる事が無いのだ

2012-03-17 23:54:54
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

しばらく聞いていたが、それ以上の事は起きなかった。老人も「決して害は無いことですので」と言い残して部屋へと戻っていった。オレはしばらく音を聞いていたが、残念な事に寝落ちしてしまった。

2012-03-17 23:58:30
用心棒のキバさん(四代目キバ) @maburitto_kiba

朝になり、老人は寂しそうだったが笑顔でオレに言う「ほれ、見てください。もうタマは家からいなくなりましたよ。昨晩でネコじゃ踊りは終わったのです。あとは邪魔をされぬところにいったのです」

2012-03-18 00:02:31
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