アール・ブリュットを巡る トークシリーズ 視点8（ゲスト：田中恒子氏）まとめ

アール・ブリュットを巡るトークシリーズ @artbrut_talk

私に文章も書いてくれた坂上さん。良好な関係を築けた。撮影は森村泰昌さんの作品を撮影されている岸本さん。彼女のオリジナリティと突出した感じは非常に現代美術作家的。彼女の作品ももっと買いたかったが私は多くの作家を買いたかったので断念した。（田中）#artbrut_t

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私自身は坂上さんのことをアールブリュットだと思っていないのですが、兵庫近美の学芸員服部さんが「アウトサイダーアート」の本で紹介もしていて、その書籍も彼女を知る上で大変参考になります（田中）#artbrut_t

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彼女の作品はずーっと落ちるもあがるもなく一定の高いクオリティを保ち続けている。現在進行形のアートを保存していくことが現代美術のコレクションの務めかなと思っている。（田中）#artbrut_t

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あとは田島征三さんの作品も持っているけど見つからなかった…笑　田島さん自身がアールブリュットの作家ではないと思うけど心の持ち方としての純粋性、信楽青年寮のために作品を残していくあのスタイルがなんともすごい。作品そのもので買ったけどあとでその逸話もしった（田中）#artbrut_t

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お金の話をするコレクターにはなりたくなく、私がその作品とともに暮らしてすごく幸せであることが大事。オークションも行ったことがない。作品が商品として扱われていることに耐えられないと思って。（田中）#artbrut_t

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そういう意味では数少ないタイプのコレクターなのかなと思っている。（田中）#artbrut_t

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坂上さんの作品はいつどこで観れる？（参加者）和歌山近美に行けば観れるがいつ行っても観れるわけでないが、学芸員に是非問い合わせてほしい。学芸員としてもそういう要望にはできるだけ答えたいと思っているとかと。（保坂）#artbrut_t

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坂上さんのさがしものの絵は何で描いている？（参加者）アクリルが素材ですね（田中）彼女がアールブリュットかという議論はある意味どういでもいいところは確かにある。彼女は作品点数の少ない作家であるのはひとつの特徴。ギャラリーとしてはある意味リスクの高い作家（保坂）#artbrut_t

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アールブリュットという括りが必要なのか。作家にとってどうなのか（参加者）いずれ無くなればいいと思っている。これまでアートの世界で扱われることのなかった作品に対して「こういうのもあるんだ」と知ってもらうために暫定的に遣われるべきだと個人的には思っている（保坂）#artbrut_t

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田中さんの場合はかなり幅広く集めているが幅狭く集めている人もいる。アールブリュットだけを集めているコレクターもいる。一番最初期の一人がジャンデュビュッフェ。彼自身が名付け親でもあるが。アラシンコレクションなども。（保坂）#artbrut_t

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例えば名もない作家の作品などをひとつの傾向の中で複数をボリューム的に集めることで世に知られることもある。フランスのリールアートミュゼーもそういった展示として参考になる。（保坂）#artbrut_t

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草間さんは言えばアールブリュットなのか。マジックペンで描かれていた作品が並べられている時はリトグラフだったけど、障害の方の作品はペンを多様されていると思うのですが、ペンというのは保存が悪くて消えていきますよね。（参加者）#artbrut_t

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そういうもので描かれてる作品をコレクターとしてはどう考えているか？（参加者）紙造形については作家さんに劣化したことを伝えたことがある。そうすると作家さんが「作り替えましょう」と言われて、テニス選手の「ガットを張り替えるようなもの」との発言もあって（田中）#artbrut_t

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（はたよしこさん登場）確かに劣化の問題はありますね。セロテープの作品とかそういうものをいつでもNO-MAとかでも抱えながら悩んではいるけど…（はた）リトグラフにすることで保存性を高めることは草間さんの平面作品だからたまたまできるということもある（保坂） #artbrut_t

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美術館とコレクターとの作品の劣化に対する考え方は違うところがあるがそれでいいと思う。私は家の壁でかけておきたいからというコレクターのあり方も含めて作品のあり方。美術館的な作品永久保存説が必ずしもいいわけではない。（保坂） #artbrut_t

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田中さんがおっしゃった現在進行形の文化財が現代美術なのであれば、１０年後にも観られる様に閉じてでも永久保存するのがいいのか、いま観れるのがいいのか、議論の余地がある。（保坂） #artbrut_t

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作品を決めるときの感覚について教えてほしい（参加者）胸ぐらを掴まれるということ。作品を観るために使った時間をかければかけるほど作品の発見が重なる。観れば観る程作品の劣化は進むのかもしれないが、毎日でも観ていたい作品を買う（田中） #artbrut_t

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日本ではアールブリュットの専門館があるのか、マーケットはどうなっているのか、自分で作品の売買に関する意思が持てない人はどうなっているのかなど（参加者） #artbrut_t

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東京のアーツ千代田3331の中に、また資生堂ギャラリーにおられた小出ゆきこさんの活動、NO-MAでのはたさんの活動、京都のギャラリー宮脇、大阪のアトリエインカーブなど。（保坂） #artbrut_t

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作品の権利に関する後見人制度などをいま福祉、美術や法律家などの枠をこえて専門家が協議している。でも障害どうこうでなく若い作家もだまされることやギャラリーに対して文句が言えなかったりとかアート全般に権利の問題はある（保坂） #artbrut_t

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こういう画廊と作家の経済的な課題自体がまずもっていいのかどうかって問題が別にあって、そこで福祉施設での取り組みなども絡んでいく。そこで考えながら実証もしていくべきだと思う。（保坂） #artbrut_t

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マーケットの可能性。胸ぐらを掴まれる作品がアールブリュットにあるのであればそれは必ずある。アートと暮らしの関係を新しく立ち上げていくときにアールブリュットを買うということをどう考えるか。作家の生活環境に買うことで繋がっていくことの意味を考えたい（保坂） #artbrut_t

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恒子さんのようなコレクターは変なのですか？（参加者）変ですね。値切らないとかもすごいし（保坂）私は美術の文脈で「これがいいから買うべき」みたいな感覚でギャラリーに行ってない。ただギャラリーに行ったらたまたま買いたい作品があったというだけ（田中） #artbrut_t

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例えば私が持っている奈良さんのどんまいQちゃんについてすごい高値がついてるらしいことも知っているが関心がない。ただどんまいQちゃんと一緒に過ごした生活が私にとってはとにかく幸福だったということ（田中） #artbrut_t

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奈良さんに関しても本当は色んな人に自分の作品を持ってもらいたいと思っていると思うが作品が市場的に高くなりすぎていることがかえってジレンマなのでは。だから彼は本も出しているし多様な作品のあり方を示しているように思える。（保坂） #artbrut_t