自然科学とはなにか:谷村省吾教授(@tani6s)の考える物理と数学の違いについて
名古屋大学の谷村省吾教授による物理と数学の違いについてのツイートをまとめました。
日経サイエンス2012年3月号「光子の逆説」
http://www.nikkei-science.com/201203_032.htmlも併せてどうぞ。
TANIMURA Shogo
@tani6s
自然界の一部である人間が、自然界に備わっている秩序を見つけた、そういう営みというかコミュニケーションが自然科学だ、と言うのが的を得ているんではないかと私は思います。
2012-03-23 16:03:22
TANIMURA Shogo
@tani6s
「(広い意味の数学には)適用範囲が広くて、うまいまとまりのある概念を定義・命名すること(線形空間や群や多様体など)(がある)」と言った部分が、内容的にかぶっているのではないかと後で思い直しました。
2012-03-24 21:25:16
TANIMURA Shogo
@tani6s
狭い意味での「概念形成・命名」は、例えば、いちいち「AB=ACまたはBA=BCまたはCA=CB」と言うのが面倒くさいので「二等辺三角形」と呼ぶことにする、という程度のことです。何度も出てくる状況をそのつど言うのが面倒くさいので略語を作るという意味です。
2012-03-24 21:25:48
TANIMURA Shogo
@tani6s
「C^n級関数」のような、それなりに明確なクラスに名前を付けることもありますが、名前があった方が話が早く済んで便利だから名前を付けているだけのことであって、たいして本質的なことではありません。
2012-03-24 21:26:11
TANIMURA Shogo
@tani6s
それに対して、広い意味での、営みとしての「概念形成」は、例えば、変換されるものから切り離して変換そのものに焦点を当てて「群」と名付けるような視点だと思います。そちらの方が何か本質を言い当てようとする働きがあります。
2012-03-24 21:26:37
TANIMURA Shogo
@tani6s
狭い意味での略語形成の方が卑しくて、広い意味での概念形成の方が立派だと言うつもりはなく、それぞれ視点の集中の仕方として重要な役割を負っていると思うし、数学者や理論物理学者は、両方に目が行き届くことが理想的なんじゃないかなと思うわけです。
2012-03-24 21:27:29