リリングミストのおはなし その2

あれからしばらく経った
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リリングミスト @RelyingMist

寒すぎる場所と暖かすぎる場所とその中間

2011-02-11 07:31:00
リリングミスト @RelyingMist

凍てついた扉を開けると地表へ向かうスロープになっていて、子供たちは1番暖かい服を着て、そこから遠くを眺めるのが好きでした。天気のいい日は遠くの方に白い大きな山が見えるのですが、あいにく今日は吹雪いて何も見えません。目を凝らすと遠くで何かが動いたように見えましたが、気のせいでしょう

2011-02-11 07:31:22
リリングミスト @RelyingMist

「砂漠の一粒」はとても小さな宝石で、誰もがそんなものは迷信だと、鼻で笑うのですが、彼だけはその存在を信じていました。というのも遥か昔、確かにここでそれを落としたのです

2011-02-11 07:31:49
リリングミスト @RelyingMist

リリングミストが居眠りをしているうちに世界はだいぶ変わってしまって、極端な地域では動物がほとんどいなくなっていました。眠い目を擦りながらとりあえず竜に会いにいこうと思いましたが、鼠に聞いても、もう1万年は見ていないというのです

2011-02-11 07:32:18
リリングミスト @RelyingMist

それはけして見間違いではなかったのです。猛吹雪の中確かに山の方から鈍色の服を来た人間がゆっくりと近づいてきます。村中の人々が彼の到着を不安そうに見つめていました

2011-02-12 07:58:08
リリングミスト @RelyingMist

「おばけではなく、半分透けているだけだ」と主張しますが、皆、最後まで話を聞かずに叫び声をあげてどこかへ行ってしまいます。この間は選りすぐりのかわいいケモノを2匹持ち上げながら話しかけたのですが、駄目でした

2011-02-12 07:58:42
リリングミスト @RelyingMist

「アシクレ。アシクレ」体のパーツが奇数ある不気味な生き物が男に向かって黒い石を投げました。何本かある腕の1つがその石を指差します。「拾ってほしいのか?」石をつかんだその時、男の右腕は肩の部分までなくなってしまいました。「ヒイラヒイラ」生き物は笑いながら、転がっていきました

2011-02-12 07:59:36
リリングミスト @RelyingMist

ドロドロに溶けた生き物が人間を好きになりました。男は好意を受け入れ、彼女をぐぐいと飲み干しました。それから男は年を取らなくなったのですが、そのかわり二度と目覚めません。しかし確かに生きているのです

2011-02-13 12:19:10
リリングミスト @RelyingMist

噂ではこの世界には1から12までの番号が割り振られた人間がいて、彼らはテレパシーでつながっているそうです。もし出会えたなら遠くの人と交信してみましょう。それから彼らは秘密の話も沢山知っているそうです

2011-02-13 12:19:47
リリングミスト @RelyingMist

男は疲れていたようですが、自分を迎えてくれた村人に対して嫌な顔1つせず答えます。「君は外から来たのか?」誰かが聞きました。「はい。地図を作って歩いているのです。私はまだ8つ目ですが」そういう彼は誰かに似ていました

2011-02-13 12:20:14
リリングミスト @RelyingMist

がれきの降る日は皆土の中に隠れて、止むまで待ち、それから「がれきあさり」が始まります。見つかるのは大きなネジ。巨大な機械のうで。恐ろしい形をしたはさみ

2011-02-16 16:45:02
リリングミスト @RelyingMist

「リリングミストに頼もう」誰かがそう言いました。「確かにリリングミストに頼めばなんでも解決してくれる。しかしだ」長老は見渡します。「あいつはくるみをすべてほしがる」そう言うと他のリスたちは黙ってしまいました。自分たちで解決するほかなさそうです

2011-02-16 16:45:34
リリングミスト @RelyingMist

液鳥は空中から有毒なよだれを垂らし、病を流行らせ、死肉をついばむのです。そのためこの島にいる生き物は皆、傘のような器官を持っていて、例えば大きなトマトのように見える生き物。これは羊で果実の表面で液を弾くのです

2011-02-16 16:46:10