鬱蒼とした森の、五月の陽射しも届かない場所に境内はあって、そこだけはひんやりして、汗ばんだブラウスが高鳴りではちきれそうな胸をきゅっ、とおさえつけた。ねえ、私たちここでキスするの。神様が見ているわ。夢から覚めたら神様公認の仲になってないかな、と願いながら手を引かれるままに歩いた。
2011-05-08 18:34:40高校のときの恋人は、「今日はどれを着て行こうかな~」とクローゼットを開けるとたくさんの猫が掛けてあって、そのときの気分の猫を選んで被って外出しているって言ってた。
2011-07-22 14:44:14言葉は消耗品、必死こいて思いついた良い言葉も殆どはふっと湧いて気化してしまう。時々それを瓶に詰めて持ち帰る人間がいたりして、でも大部分は倉庫の中で忘れ去られる。標本化されコレクションになる言葉もある、受け売りともいう。ほんの僅かだけが別の人に取り込まれ新たな言葉になる機会を持つ。
2011-07-25 00:09:25「このひとの言葉がすき」ってなんか違和感ある。ロクに耳を傾けもしないで「このバンドの曲だから」という理由ひとつでCDを購入しあとは無条件で愛でるような。たとえば顔も名前も伏せて同じ言葉や音楽に直面したとき、果たしてぼくたちは同じことが言えるのだろうか。汝、目を凝らし 耳を傾けよ。
2011-09-16 18:10:33散歩しながら音楽聞くと、音楽ちゃんと聞けてよい。ちゃんと音楽聞いてたらだいたいテンションあがってきて、ミュージカルみたいにその場で歌いながら踊り出したくなるから、ダンサーインザダークみたいに頭の中で歌いながら踊る。 いや、人気の全くない路地ならちょっと踊る
2011-10-23 13:42:13隙間なく敷き詰められたコバルトブルーを手繰れば、感情的に吐き捨てた台詞がリフレイン。泣きじゃくる背中に爪を立て、真っ赤になるまで力尽くで引っ掻いて迎える幕引きは、笑えるほど滑稽で無垢なもの。黒を呼び寄せてヒロインを葬る。 衣裳もウィッグもステージに捨てて、そして。#poem24
2011-10-27 00:00:26さくらんぼのへたを舌で結ぶ練習してる人はキスを上達させようとしてるんじゃなくて、口に頬張った手榴弾のピンを舌で抜くための訓練してるだけだから、うっかり近付くと桜が咲きかねない
2011-11-15 01:04:06女子高生の最大の魅力はスカートから伸びる足でもなくましてや女子高生という箔なんかではなく、同じ制服が溢れる中でアイデンティティを確立しようと各々が思い思いに制服を着崩したり髪型どうこうしてみたり試行錯誤しているところだと思います。
2011-12-07 22:33:41