北アイルランド紛争、暴力・復讐・赦しをめぐって

北アイルランド紛争を「過去のもの」とする中での暴力・復讐・赦しへの動き・取り組みについて、アイルランド在住の @preabsanol さんのtweetsと、@nofrills がこれまでに書いてきたブログから。 ところどころに北アイルランドのコンテクストを有する音楽を挟んであります。 最後に、チベット亡命政権のダラムサラから更新されている中原一博さんのブログ「チベットNOW@ルンタ(ダラムサラ通信)」から、1972年に英軍のゴム弾baton roundで失明したデリーの男性のお話を追加しました。 続きを読む
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nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

@preabsanol 尹慧瑛、『暴力と和解のあいだ---北アイルランド紛争を生きる人びと』が日本語で読めるプロテスタント側の取材&研究として素晴らしいです。http://www.amazon.co.jp/dp/458836605X/ 著者名で検索すると紀要掲載論文が見つかるはず

2010-06-09 07:14:24
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@preabsanol 英語ではPeter Taylorの緑・オレンジ・英国の3部作のオレンジ(さっきの「ビリー」の出典)は本当に勉強になりました。http://www.amazon.co.jp/dp/0747545197/ ただ、もう絶版かもしれないです。

2010-06-09 07:21:49
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

Peter Taylorの3部作では英国治安当局についてのBritsも。http://www.amazon.co.jp/dp/074755806X/ これは絶版ではないと思います。同じ3部作でもIRAについてのは古すぎる(IRAはこの10年で明らかになったことが非常に多い)。

2010-06-09 07:24:49
@preabsanol

@nofrills ありがとうございます。tnfukサイトの参考文献、読まねばーと思っていました。 日本の友人に頼んでいます。それと最近チャンスがあってApprentice Boys博物館など入るチャンスがあったんですよ(普段はカトちゃんに囲まれてるのでわざわざ行くことなし)。

2010-06-09 07:22:16
@preabsanol

@nofrills いやー、シュールな経験でしたね。この人たち、時が400年前で止まっとるわ。「Apprentice Boysがデリーの城門を閉めて餓死者を出しつつも100日に渡って篭城しついにはジェームズ2世の軍が敗れて去りました。私たちはその誇りを忘れません」要約すれば(続)

2010-06-09 07:25:24
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@preabsanol 「400年前のことが今もリアル」ってのは、深刻さは全然違うにせよ質的には「赤穂浪士の討ち入りの件で、今も赤穂と三河の吉良の間にしこりが」みたいなことだよなあ、と感じているんですが、それで当たっているでしょうか。

2010-06-09 07:35:12
@preabsanol

@nofrills これだけの話を30分くらいのビデオで見せられ、延々展示で説明され・・。まあ、これが仕事だからこの人もしょうがないわなー・・と思いつつ。

2010-06-09 07:26:54
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

@preabsanol ううむ、30分くらいのビデオに展示…デリー包囲は「神話」としか言いようがないという印象です。結局どこかで「アルスター・スコッツの居場所はアルスターなのか」というような疑問が常にあって、それを強烈に肯定する神話がないといろいろと無理なのかも、という印象。

2010-06-09 07:41:48
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http://bit.ly/blipc6 「しかし、私は北アイルランドのラーガンに生まれたのだ」――ドラマFive Minutes of Heavenの「UVFのメンバー」の言葉

2010-06-09 07:46:01
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http://bit.ly/blipc6 1975年10月、アーマー州ラーガン。「北アイルランド紛争」の中、17歳のアレスター・リトルは19歳のジェイムズ・グリフィンを撃ち殺した。リトルはロイヤリスト武装組織UVFのメンバー、グリフィンはカトリックで武装組織には属していなかった。

2010-06-09 07:47:40
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http://bit.ly/blipc6 続)ジェイムズの弟で11歳だったジョー・グリフィンは、ジェイムズが殺される現場を目撃していた。事件のあと、グリフィンの家庭は崩壊してゆく。リトルは逮捕・起訴され…判事は年齢的に終身刑にはできない彼に無期懲役を言い渡した。(続

2010-06-09 07:49:54
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http://bit.ly/blipc6 続)リトルは獄中で12年過ごしたが、そのときに暴力から非暴力への転回を遂げ、出所後は平和活動家として活動、現在は中東など国際的にその活動を続けている。ドラマFive Minutes of Heavenは、加害者と被害者家族が実際に(続

2010-06-09 07:51:58
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http://bit.ly/blipc6 続)実際に対面したらどうなるかというフィクションで、リトル役を演じるのはリーアム・ニーソン。ニーソンと話をしたときのことをリトルは次のように回想している――《私たちはイスラエルとパレスチナの間の情勢についての話までしていた。(続

2010-06-09 07:53:53
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http://bit.ly/blipc6 続)「まったくなんであんなひどいことになっているのだか!」とリーアムは言った。私は彼に、「平和を求める戦闘員 (Combatants for Peace)」のことを話した。 http://cfpeace.org/

2010-06-09 07:55:09
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http://bit.ly/blipc6 続)このグループはイスラエル軍兵士だった人たちとパレスチナの戦士だった人たちのグループで、協力して暴力を停めようとしている。「そういう人たちのことを、何でもっと耳にしないのだろう?」とリーアムは問うた。》

2010-06-09 07:56:08
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http://cfpeace.org/ については @eunheui さんの2006年のブログ: http://bit.ly/aFOtED 「暴力によっては紛争の解決は図れない」などの共通認識。一年余りをかけた準備ののちに発足、今ももちろん続いています。

2010-06-09 08:02:01
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中東でのこういう活動は何年も前からある。でもそれが「埋もれた」状態なのは、政治を動かす人たちがそれをサポートしないから。北アイルランドでなぜ和平が実現したかというと、政治を動かす人たちが「暴力によっては紛争の解決は図れない」と認識し、武器を置いた武装勢力を支持したから。

2010-06-09 08:04:01
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それでもいわゆるdissident republicansの活動は続いているし(爆弾、銃撃)、つい10日ほど前には、武器は完全に放棄しているはずのUVFが元構成員を射殺したのではないかと強く疑われる事件が発生するなどしているけれど、「絶対に後戻りはしない」という決意が政治家からも

2010-06-09 08:07:16
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一般の人たちからも語られる。それも頻繁に。ここまで来るのに、1998年4月の和平合意(ベルファスト合意、グッドフライデー合意)から10年以上かかっています。武装組織の武装解除が完了したのは今年の2月、とか。

2010-06-09 08:08:57
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で、このpeace comes dropping slowな状態を作るには、北アイルランドのプロテスタントと英国とカトリックとアイルランド共和国という当事者だけでなく、欧州とか米国といった「外国」(=紛争に関して中立、「誰の側でもない」)の協力・支援が重要な役割を果たした。

2010-06-09 08:11:41
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で、「誰の側でもない」というのは非常に重要なことなのだけど、現在イスラエルはそれを絶対に受け入れようとしない。国連や国連が派遣した南アの法律専門家(民族的にはジューイッシュ)でさえ「我々を戦争犯罪者扱いする敵」と位置付けている。だから今回のマーヴィ・マルマラ号などの件の調査で…

2010-06-09 08:13:40
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

…「国際調査団は受け入れない、我々の内部調査を行なう」という態度に出ているのだけれども、これは「紛争の解決(あるいは紛争の転換)」とか「暴力の停止」に繋がる選択ではない。

2010-06-09 08:15:52
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NI和平で「不可能」を実現したジョージ・ミッチェルがオバマ政権で中東和平特使なのだが、ミッチェルと米国に何を期待できるかというと今回の一連の事態でも、うーん。パレスチナからは《「死んだ案(アナポリスでのtwo state solution)」でいつまでも引っ張るな》の声があったり

2010-06-09 08:22:15
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

http://bit.ly/blipc6 10代で武装勢力のメンバーとして敵対する側の一般市民を撃ち殺したアリスター・リトルさんは、服役後、暴力と和平に関して考え和平を進める活動を中東など紛争地で行なっている。その彼の著書について――《この本は、私の体験談を中心としている…(続

2010-06-09 10:54:17
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

続)けれども、本質的には、北アイルランドについての本ではない。…自分の体験談を語ることについての私の目的は、ここでの紛争についてより理解を深めてもらおうということではない。そうではなく、愛情にあふれた家族の中で育ったごく普通の子供が、暴力の人間になっていくのは何が原因なのか(続

2010-06-09 11:00:03