ライブハウスPAの観点からのバンドの音作りについてのあれこれ

大阪のライブハウス、天王寺Fireloop( http://fireloop.net/ )の経営者でありチーフエンジニアの足立浩志氏(@adatinc)が珍しくつぶやきはじめたと思ったらちょっとした足立祭りになって、これがまたとても有益だと思われたのでまとめました。 @SerAskaさんによる、このまとめの続編はこちらです。 その2 → http://togetter.com/li/316134 その3 → http://togetter.com/li/317762 続きを読む
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足立 浩志 (Fireloop) @adatinc

大阪のライブハウス・寺田町Fireloop店長。音に詳しいです。書籍「バンドマンが知るべき100の秘訣」「ライブハウスの取扱説明書」(どっちもリットーミュージック) 絶賛発売中。フォローするとライブの音が良くなってモテると評判のアカウントです。

fireloop.net

はじまり

「暇だったから」書き始めたようです。ちなみに目の前にPCがあるのになぜかはじめは携帯でポチポチ打っていた模様。

足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

今日は代打でスタジオ番。暇なので久しぶりにつぶやいてみるかな。

2012-03-29 12:23:09
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

【RT希望】階段にコップとか缶とか物を置かないでください。まじでお願いします。特に暗いライブハウスの中ではね。踏むと大怪我するよ!

2012-03-29 12:29:29

ドラムのこと

(はじめの2つだけ1週間ほど前のツイートですが、ついでなのでまとめに放り込みました)

足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

PAとして珍しく大事なことを言うぞ。バスドラとタムやフロア・スネアスタンドなんかは絶対にくっついちゃダメだ。バスドラの音が無駄に長くなっちまうよ!

2012-03-20 21:56:36
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

@amanojaku_hide 「セッティング時にお互いに触れてなければ」おっけいです。叩いたときに振動や揺れで当たっても良くないですね。1cmほどでも空いてれば十分だと思います。生音だと違いはわかりにくいですが、PAを通すと大違いです。

2012-03-20 22:12:57
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ライブハウスのバスドラムのチューニングはできるだけいじらないようにしましょう。やる場合はPAに一声かけてから。なぜかと言うと、バスドラムのチューニングは死ぬほど難しいからです。生音で踏んで気持ちいい音と、マイクで拾ってPAするのに適した音は違うケースが多いです。

2012-03-29 12:34:09
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

タム類のチューニングも、いじる時はPAに一声かけてからね。なぜなら前にリハをしたバンドは前のチューニングでリハをやってるからです。それと、チューニングを元に戻すのはとても難しいということも。バスドラほどではないですが、これらも生音とPAの差がドラマーには想像しにくいです。

2012-03-29 12:42:07
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

細かいことだけど、ドラムのセッティングの時にバスドラを手前にひっぱる人がとても多い。どんどん奥に移動していくと思うんだが(笑)

2012-03-29 12:44:34
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ハイハットがどーしても逃げていく人は、ガムテープを長めに取ってペダルから縦にビーっと貼る。そのガムテープと垂直にもっかいガムテープを貼る。これがお勧め

2012-03-29 12:50:45
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ハイハットがどーしても開いていく人は、キックペダルのシャフトに付ける重りを買って、ハットクラッチの上にもう一個つけるのが最強です。スティック二本使ってぎちぎちに締める人が多いけど、上のやり方のほうが断然強いしハードウェアも痛まないのでありがたい(笑)

2012-03-29 12:54:25
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ドラムの話はとりあえずこのくらいにしといてやるか。

2012-03-29 12:56:11

ベースのこと

DIについてなど。

足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ベースのピークランプはできるだけ点灯しないほうがいいです。そのドライブサウンドが好きでやる人が多いのですが、十中八九「ここの音程とこっちの音程の音量・音圧が違う」という現象が起こります。発熱して音が止まることもしばしば。ライブハウス側の都合を言うと、壊れます(笑)

2012-03-29 13:01:48
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

アンペグSVT-3proの謎のツマミ「tube gain」は、取説によると「真空管に送る電圧を調整します。絞るとリミッターのかかったような音になります」とのこと。作ったやつらもよくわかってない様子(笑)

2012-03-29 13:04:52
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

ベーシスト誰もが疑問に思う「DI」あれはPAのミキサーに繋ぐためにベースの音声信号を適正なものに変換する機械です。僕はベーアンにマイクを立てないことが多いのですが、「じゃあ、ベースアンプでどんなに音作りをしたって無駄ってこと?」違うんだなこれが

2012-03-29 13:09:39
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

多かれ少なかれ、PAはバンドの生音を言わば「シミュレート」して音を大きくしています。マイク音声なりライン音声なり、それを「素材」として適正に料理し直し、大きなスピーカーから「あたかもそのまま音が大きくなったように」聴かせるという作業を(基本的には)しています。

2012-03-29 13:13:12
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

その「素材」として、DIから入ってくる音声は大変優れています。下ごしらえをされた魚ではお寿司が作れない、みたいな。

2012-03-29 13:14:52
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

肝心の「ベーアンでいじったツマミは意味ないのか」に関しては、実はベーアンからでる音はDI音声にかなり的確に反映していると感じています。理由は次

2012-03-29 13:16:55
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

そもそもエレキギターやエレキベースは、「弦が振動する」→「ボディが共振する」→「ボディの振動が弦に戻る」→「それをピックアップで拾う」ことによって、ボディの材質、鳴りなどの特性がサウンドに反映するわけですから、

2012-03-29 13:20:36
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

その「ボディが共振する」の段階にベーアンから出る音がおもっくそ関与してくるわけです。ほっそい弦からの振動でボディが「鳴る」わけですから、はるかに大きな音の出るベーアンの音にボディが共振しないはずありませんよね。

2012-03-29 13:24:41
足立 浩志 ( Fireloop Tenchou ) @adatinc

つまり、「ベーアンで作ったツマミ設定はDIからの音声信号に関与する」というわけです。そして「木」の鳴りがしっかり入っているDI音声は「PA素材」としては秀逸だ、ということですな。でっかいハコだと話は変わってくるかもしれないけど。

2012-03-29 13:27:54