第二次北伐~姜維の作戦計画~
襄武(と南安)を押さえなければいけない理由はある。金城への道は、狄道から北上する道以外に、襄武から北上する道もあるからだ。
2012-04-04 19:28:46狄道と襄武、この二ヶ所を押さえれば、涼州への連絡を、かなり遅滞させることができる。武威から現れるであろう涼州軍の進軍と、隴右軍との連携をかなり阻むことができる
2012-04-04 19:31:19問題は、姜維の置かれた戦略状況に合致した前進だったか否か、ということと、当初から予定されていた前進だったか否か、ということだ
2012-04-04 19:33:05漢中から狄道に至る道は、白水を上り、羌道を経て、トウ水に沿って北上する道であろう。祁山近傍を通過する、石営、為翅ルートは、敵を撹乱する何らかの意図が無い限り不適当だ
2012-04-04 19:37:26これまでの経験から、姜維がどういう手に出るか考え、それに合わせた行動を取る。それが敵将陳泰の反応だろう。少なくとも、姜維はそう考える
2012-04-04 19:43:12つまり、早期に涼州軍を撃破できる見込みがなければ、戦場を涼州に置くつもりはない。涼州軍と接触するまでに隴右軍が狄道に着いてしまえば、狄道は肝を潰し魏に帰順するかも知れず、そうなれば姜維の有利は著しく低下する上、敵の合体を防げない
2012-04-04 19:53:49また、姜維は、前年の戦役において、魏軍が直接的に自分と接触しようとしたのを見ている。或いは、狄道を孤立させる危険を犯しても、洛門近傍に出る公算は十分に高い
2012-04-04 20:01:12狄道は既に降伏しており、それは恐らく夏侯玄の処刑が原因である。他の郡県も動揺している公算は高く、狄道の降伏を目の当たりにすれば尚更である
2012-04-04 20:08:06ただでさえ反抗的な羌胡であり、姜維と気脈も通じている。涼州軍は彼らに遅滞され、関中・隴右軍との合体はおろか、狄道の鎮撫も覚束ないであろう
2012-04-04 20:12:51魏軍が取るべきは一つである。全軍、或いは一部を以て強行し、襄武の北方の狭隘な地で姜維を阻みながら、東方よりの援軍を待つ。また最低でも、洛門までは前進し、襄武とカン道に救援の意思を示す必要がある
2012-04-04 20:15:59