岩田健太郎先生との食品の安全性に関するトーク ~ただちに影響がない健康リスクをどのように考えるか~

私が尊敬する医師の一人、岩田健太郎先生のブログ「福島の食品と内部被曝について再考する」 http://t.co/fral7ciWを拝読したことがきっかけで、ディスカッションをさせていただきました。 続きを読む
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② 昨年の暫定規制値 (500Bq) の設定理由

「がんのリスク表」を基に、昨年の食品の暫定規制値500ベクレルを定めた経緯(このときも、週に1度受動喫煙をするほどのわずかなリスクと表現されています)
出典:広報よこはま 2011年放射線特集号
http://yokohama-konan.info/wp-content/uploads/2011/09/yokohama_koho.jpg 

http://twitpic.com/96bb12

※なお上記資料の文章中で、「放射線100mSvはこれを1.01に増やしますが、それは受動喫煙のリスク1.02~1.03より小さい」の箇所について、出典とされる国立がん研究センターの図では100-200mSVのリスクは1.08と記載されています。

早川由紀夫 @HayakawaYukio

唐木さんは御用学者でないと思う。東大話法も使わない。彼は自分の学説に基づいて語っているだけだ。彼は確信してる。RT @msmuai: 今朝のNHKテレビの番組は酷かった。唐木さんは「旧暫定基準値で全く問題ない」と発言した。この人が御用学者であることは明らかだ。

2012-04-07 22:04:55

③ 食品の新暫定規制値(100Bq)による推計値

(縦軸はmSv/年で、ICRPの線量係数から内部被曝の実効線量を算出した推計値)
出典 厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/iken/dl/120117-1-03-01.pdf
なお、ICRPと規模や影響力は異なりますが同じNPO法人であるECRR(欧州放射線リスク委員会)は公衆被曝の許容線量を「年間0.1mSv」としています。どちらが妥当かという結論は出ていません。 http://www.euradcom.org/2011/ecrr2010.pdf(181ページの第4項、243ページの第14項)

また、成人のCs137経口摂取における、線量係数はICRPで1.3×10^-5 mSv/Bq、ECRRは 6.5×10^-5 mSv/Bqで約5倍異なります。
  
参考までに日本の原子力委員会(1975年)で、原発施設周辺の住民が受ける実効線量の「努力目標」(年間0.05mSv)が定められています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19750513001/t19750513001.html 

http://twitpic.com/96bsdv

http://twitpic.com/96bskr

http://twitpic.com/96bss9

④ 食品中放射性セシウムの推移(実測値)

@minadukiG さんが作成した食品中の放射性セシウムの「実測値」の推移 (※縦軸は1日当たりの食事のベクレル)です。福島原発事故前の日本人の食事中の平均放射性セシウムは1960年代の4ベクレル程度が最大であり、少なくとも1日100ベクレル~500ベクレルを長期にわたって摂取したことはないと考えられます。 

参考:「1月19日朝日新聞 食品セシウム検査報道 それぞれの見解(閲覧2万)」
http://togetter.com/li/243929 

http://twitpic.com/89mnki

⑤(補遺)『ただちに健康に影響はないリスク評価と、恐怖新聞』

番外編として、表題のコラムを書きました。タイトルが少し怖いかもしれませんが、危険性を煽る意図はまったくなく、数年~数十年にわたる長期のリスクを抽出することの困難さについて書いています。論点は、もしも1日暴露すればそれだけ寿命が縮まるリスクが仮に存在したとしてそれを許容するのか、またより早く検出するにはどうすればいいかについてです。

森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞①昔、つのだじろうさんの作品で『恐怖新聞』というホラー漫画を読んだ。主人公宛に未来が書かれている新聞が事前に配達されて、非常に便利なのだが読んだ日数だけ寿命が縮まるという物語。この話は、もし健康被害が生じても『ただちに影響はない』という状態に近いかもしれない

2012-04-08 18:06:59
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞②つまり、読んだ分だけ生命予後が短くなる経過だと、経過が長すぎるので他の交絡因子(たばこ、アルコールなどの生活習慣や遺伝的個体差など)が原因と区別がつきにくくなり、恐怖新聞を読むことが死亡原因かどうか極めてわかりにくくなる。また、どのくらい期間新聞を読んだか、

2012-04-08 18:09:40
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞③ いつの時点から新聞を読み始めたかがわからなければ生命予後に与える影響がわからない。この話は、低線量被曝の影響を考察する際の問題点と似ている気がする。要はどの程度までのリスクを許容するかが問題で、ただちに影響はなくても数年~10年後に健康に影響するのであれば

2012-04-08 18:17:53
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞④ その影響が抽出できる条件(いつのからどの程度・どのくらいの期間被曝したか・被曝量やその影響がわかる検査・被曝していない人との比較)が必要となる。もし放射性セシウムを含む食事の影響を調べるなら、タバコのように喫煙本数と喫煙期間が思い出せないのが普通なので、

2012-04-08 18:26:04
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞⑤ サンプル調査として行われる食品検査を適宜参照しながら、ホールボディカウンタや尿検査などで体内の放射線量を測定する方法しかないが確定するまで長い年月が必要となる。現状では、原爆被害のデータを主に参照したICRPの線量係数を用いた換算式で試算を行い、

2012-04-08 18:33:08
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞⑥ 年間で1mSv より低ければ健康に影響はないとする論調が多数と思われるが、外部被曝と内部被曝の影響を等価とする仮定のもとでの推計であることは認識しておく必要がある(詳細はhttp://t.co/7n7r86tFの後半のディスカッションと資料に記載しました)

2012-04-08 18:37:17
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞⑦ 以上の拙文は、@danielkahlさんの4月6日のTw 『やっぱ、Cs-134/137 による健康悪化の具体的なデータは探しても、ほとんどないよ』と、アサツーさんの報告書http://t.co/04bTceQ5… のp.103に書かれている、

2012-04-08 18:46:18
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞⑧ 『チェルノブイリ事故後25年を経てもCs137による健康被害は国際的に認められていません』という文章の回答です。食事の影響を調べるもっとも確定的な方法は、私が上記のまとめhttp://t.co/7n7r86tFで(自分は反対ながら)提案した臨床試験ですが、

2012-04-08 18:52:09
森本卓哉 Takuya MORIMOTO @Todaidon

リスク評価と恐怖新聞⑨ 倫理性と安全性の見込み双方が確保されていないと実施できないことはいうまでもありません。行政や専門家が100ベクレルという暫定規制値がどこまで安全性があると(本音で)認識しているかも重要な視点となるでしょう。

2012-04-08 18:54:53
@togetter_new

Todaidon さんが「リスク評価と恐怖新聞」を作成なう♪ http://t.co/NnmVDKR2

2012-04-08 19:01:16
ざざんざ @zazanza2

@Todaidon @Carnationfreak 日々、Todaidon様のツイートに驚嘆驚愕し学ぶ者で、敬意を表します。ありがとうございます。

2012-04-08 18:15:06
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