普段の食品由来被曝は年間15,000ベクレル相当 #放射線のものさし

放射性セシウムによる内部被曝の危険性を、一般人がおおまかに考えるためのものさしです。 放射性セシウムの濃度や摂取量を実効線量係数を使って変換することで、普段から自然に受けている食品由来の被曝量と比べてみます。 放射性セシウムの実効線量係数を 0.0000188mSv/Bq とした根拠は後述します。
科学 放射線のものさし セシウム 実効線量係数 カリウム 預託実効線量
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前提条件をどう設定するかで計算結果は違ってきますので、このまとめは目安のひとつとしてお考えください。

ものさし1)100Bq/kgの危険性はポテトチップスくらい 食物中のカリウム40濃度を、放射性セシウム濃度に換算

放射性セシウム濃度 ← 食べ物 (カリウム40の濃度 = 預託実効線量)

659Bq/kgに相当 ← 干し昆布 (2,000Bq/kg = 0.0124mSv)
230Bq/kgに相当 ← 干し椎茸 (700Bq/kg = 0.00434mSv)
197Bq/kgに相当 ← お茶 (600Bq/kg = 0.00372mSv)
131Bq/kgに相当 ← ポテトチップス (400Bq/kg = 0.00248mSv)
 65Bq/kgに相当 ← ドライミルク、生わかめ、ほうれん草 (200Bq/kg = 0.00124mSv)
 32Bq/kgに相当 ← 牛肉、魚 (100Bq/kg = 0.00062mSv)
 16Bq/kgに相当 ← 牛乳 (50Bq/kg = 0.00031mSv)
  9Bq/kgに相当 ← 米、食パン、ワイン (30Bq/kg = 0.000186mSv)
  3Bq/kgに相当 ← ビール (10Bq/kg = 0.000062mSv)

ものさし2)普段の食品由来被曝は年間15,000ベクレル相当 普段の食品由来被曝線量を、放射性セシウム量に換算

放射性セシウム量 ← 普段の食品由来被曝線量

15425Bqに相当 ← 1年あたり (0.29mSv ÷ 0.0000188mSv/Bq)
 1285Bqに相当 ← 1ヶ月あたり(0.29mSv ÷ 12 ÷ 0.0000188mSv/Bq)
   42Bqに相当 ← 1日あたり (0.29mSv ÷ 365 ÷ 0.0000188mSv/Bq)

ものさし3)100Bqでの被曝量は普段の2.4日分 放射性セシウム量を、普段の食品由来被曝線量何日分か換算

放射性セシウム量 → 普段の食品由来被曝線量○○日分

500Bq → 12日分に相当
100Bq → 2.4日分に相当
 50Bq → 1.2日分に相当

放射性セシウム量(Bq) × 0.0000188mSv/Bq ÷ (0.29mSv ÷ 365)

自然の放射性物質濃度と比べる・・・ものさし1

食べ物にはもともと放射性カリウム(カリウム40)が含まれており、私たちは日常的にこのカリウム40からの被曝を受けています。

自然に含まれるカリウム40の放射性物質濃度と比べることで、ある濃度(Bq/kg)の放射性セシウムの危険性がどの程度なのかを知ることができます。

例えば、放射性セシウム濃度が100Bq/kgの食べ物はポテトチップスに相当すると考えることができます。

普段の食品由来年間被曝線量と比べる・・・ものさし2、3

原発事故前から食べ物から受けてきた年間被曝線量と比べることで、ある量の放射性セシウムの危険性がどの程度なのかを知ることができます。

普段、食べ物からの自然被曝量は一年当たり0.29mSvです。1日あたりにすると約0.0007945mSvとなります。(0.29mSvは世界平均であり、日本人の場合はもう少し高い平均0.41mSv/年だそうですが、ここでは世界平均で考えています。)

算出根拠
セシウムの預託実効線量の計算

セシウム134とセシウム137が同じ比率で存在し、さらにその10分の1の量のストロンチウム90が上乗せされるものと仮定しています。

ストロンチウムの割合は実際にはもっと少ないという情報もありますが、暫定基準値ではセシウム1に対してストロンチウムが0.1存在するものと仮定されているため、それに沿って計算しました。

Cs134の実効線量係数×50% + Cs137の実効線量係数×50% + 90Srの実効線量係数×10%
0.000019mSv/Bq×0.5 + 0.000013mSv/Bq×0.5 + 0.000028mSv/Bq×0.1
 = 0.0000188mSv/Bq

カリウム40の濃度から放射性セシウム濃度に換算

放射性カリウムの実効線量係数は 0.0000062mSv/Bq ですので、
放射性セシウム濃度 = カリウム40の濃度(Bq/kg) × 0.0000062mSv/Bq ÷ 0.0000188mSv/Bq で計算します。

1Bqのカリウム40と比べて、1Bqの放射性セシウムはだいたい3倍くらいの危険性があると言えます。

預託実効線量

内部被曝による被曝の度合いを表すもので、単位はシーベルト(Sv)です。

預託実効線量とは?
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/yotaku_jikkou_syousai.html

kikumaco(2/1ビッグアップル) @kikumaco
@pririn_ 核種ごとにしかも吸入か経口かの別に、身体に取り入れた場合の今後50年にわたる人体影響をすべて足したものが、預託実効線量です。吸い込んだか食べたかで値が違います。だから、建前としては勘定されています。また、特定の臓器に溜まるものは臓器ごとの計算も。
金田雅司(Masashi KANETA) @Kaneta
経口摂取と内部被曝による預託実効線量の関係については、「国際放射線防護委員会(ICRP)の放射性核種の体内摂取に伴う線量評価モデルについて」http://t.co/y5oiAcN 17,28ページ参照。時間による積分が評価がされていることがよく分かる。
実効線量係数

放射性物質の摂取量(Bq)から預託実効線量(Sv)を計算するための係数です。この値が大きいほど危険性が高いと言えます。

成人で経口摂取の場合
0.000019 mSv/Bq ← セシウム134(Cs134)
0.000013 mSv/Bq ← セシウム137(Cs137)
0.000028 mSv/Bq ← ストロンチウム90(90Sr)
0.0000062 mSv/Bq ← カリウム40(K40)

ryugo hayano @hayano
(参考)1Bqのセシウム(Cs-137とCs-134が0.5Bqずつと仮定)を含んだ食品を食べた時の内部被ばく(預託実効線量)は0.016マイクロシーベルトです.成人も子供もあまり変わらない.預託実効線量のイメージ図はこちら→http://bit.ly/oUOzVO
菊池誠(多言) @kikumaco_x
.@mamekiri 根拠というか、ICRP2007勧告の手順では、そういう計算をすることになっています。内部被曝のモデルを作って被害を算出して、外部被曝と同じ土俵で議論できるようにした、ということです。もちろん、組織荷重係数などに議論の余地はありますが、ひどくは違わないでしょう
菊池誠(多言) @kikumaco_x
.@mamekiri 預託実効線量は単なるガン死リスクではなくて、「被害度」なので、ある程度「こうしておこう」的な部分があります。乳がんの扱いが前勧告から大きく変わったり。だから、これを別の係数にしたいと考える人がいてもいいと思います。2007勧告がコンセンサスかとは思いますが
菊池誠(多言) @kikumaco_x
.@mamekiri 検証しろというのはなかなかハイコストな話ですが、背景は読んでいます。ひどくおかしいとは思わないというところです。防護指針としてICRP2007勧告以外にコンセンサスを得られるものはないでしょう。コンセンサスでないなら、めいめいが勝手な話をするだけになります
よくある疑問
自然の放射性物質と人工の放射性物質とでは危険性が違うのでは?

自然か人工かというよりも、放射性物質の種類と摂取経路ごとに危険性が違います。
実効線量係数はこれらも考慮されています。

なお、カリウムは人体に有益な面があり、セシウムには有益な面がないという点もありますが、ここでは危険性だけを比較しています。

順一 @jyunichidesita
@ryo2914 セシウムもカリウムもどっちも毒性あるっちゃあるんですけど、カリウムにはプラスの点があってセシウムにはマイナスしか無いってのがポイントなんですよね。カリウムが+100P&-10Pなのに対して、セシウムは+0P&-20P的な。ちなみにマイナス部分が放射線リスクです。
順一 @jyunichidesita
健康の為に必要な(放射性も含む)カリウムと、ベネフィットな部分が皆無な放射性セシウムを比較するのはやっぱ難しいのかね。明治乳業の判断は英断だと思うけど、特に気にしないでも大丈夫なレベルだとも個人的には思う。
斗ヶ沢秀俊 @hidetoga
バナナ1本を食べても、それ以上のベクレル数の放射性カリウムを摂取します。野菜や果物をたくさん食べたら、1回に数十ベクレルの放射性カリウムを摂取するでしょう。もちろん、放射性セシウムがすごく危なくて、放射性カリウムは害が少ないということはありません。
放射性物質は人体に蓄積するのでは?

いいえ。徐々に排出されます。摂取した放射性物質が排出されて半分に減るまでの期間を、生物学的半減期といいます。
実効線量係数は生物学的半減期も考慮されています。

外部被曝と内部被曝とでは危険性が違うのでは?

外部被曝と内部被曝の危険性を一つの単位で考えられるようにしたものがシーベルト(Sv)です。
同じ1mSvであれば、外部被曝も内部被曝も同程度の危険性と考えることができます。
例外として、特定の臓器に集まりやすい放射性物質については別に考えなくてはいけませんが、放射性セシウムの場合は体全体にほぼ均一に分布すると言われています。

ryugo hayano @hayano
いいえ,Svは内部と外部を同じ土俵で比較できる単位. @06_take_06: 内部被爆は外部被爆に比し一万倍とも百万倍とも言われてます。0,1mSvだど軽く見積もって外部被爆100mSv相当です。
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コメント

JokeJokerM(じょじょむー) @JokeJokerM 2012年5月14日
みなさんはとっくに理解されていまさら説明する必要はなさそうなので、作るのをやめようかと思いましたが、室井佑月がいまだにワーワー騒いでいるので作りました。
JokeJokerM(じょじょむー) @JokeJokerM 2012年5月14日
【リスク認知と判断】情報を充分に分析して態度を決定する「システマチック処理」と、周辺的な要素にもとづいて態度を決定する「ヒューリスティック処理」→シノドスジャーナル http://synodos.livedoor.biz/archives/1739885.html
JokeJokerM(じょじょむー) @JokeJokerM 2012年5月14日
日常から存在するリスクと比較するのはシステマチック処理の一例、「基準値信じらんない。だって下げる前も安全っていってたじゃん。」(by室井佑月)はヒューリスティック処理の一例。
JokeJokerM(じょじょむー) @JokeJokerM 2012年5月15日
猛烈に見づらかったので整理しました。
伊都之尾羽張◆ @itunowohabari 2012年5月18日
ブラウザのお気に入りにも保存しますた。
JokeJokerM(じょじょむー) @JokeJokerM 2012年6月17日
実例を追加してタイトルを変更しました。
um @nanasi0003 2012年6月26日
あとは「コメ60kg」みたいな日本人の標準消費量の知識ですね
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