渡邊先生のつぶやき J.J.ギブソンの知覚理論

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渡邊芳之 @ynabe39

けっきょく「心は目に見えない」というスタートラインとその制約に何度も何度も回帰してくるのが「心の理解」なんです。ただ立場はそれぞれでも計算論者もギブソニアンも哲学者も「心が実在する」というところでは同意したのが20世紀末の状況であったと思います。

2012-04-03 07:56:56
渡邊芳之 @ynabe39

じゃあ「実在する」とはどういうことか。心についての分析は不可欠に存在論を含むことになるのも面白いところです。

2012-04-03 07:59:08
渡邊芳之 @ynabe39

そこからマクロな設計の存在を否定する人はいません。 RT @ceno_sougou: 機械だって、ミクロレベルで見れば「もともと機械として製造されていない」金属やシリコンだ。実際、論理的には完璧なのに電気的な障害で駄目になる事はよくある。

2012-04-03 08:00:32
渡邊芳之 @ynabe39

まさにまさに。「部分的に」。フロイトも部分的に説明することに成功した。 RT @ceno_sougou: ああ、そういう意味ですか。なら、先程の後半の、部分的には説明できる、のほうが重要だと思います。

2012-04-03 08:03:15
渡邊芳之 @ynabe39

部分的な説明の総和が全体の説明となるのか(還元論はどこまで成り立つのか)、というのはもちろん生命科学全体で繰り返し問われるアポリアだけれど、心の問題ではとくにそうですね。

2012-04-03 08:06:04
渡邊芳之 @ynabe39

創造論。 RT @ceno_sougou: あるものを、目的をもって作られたものと前提して解析する行為をリバースエンジニアリングと言い、これは実際、目的や用途が不明なものに対してもある程度の効果をあげることができる手法だったりする。

2012-04-03 08:06:38
渡邊芳之 @ynabe39

じっさいギブソニアンはまず「心は生体が環境と上手に相互作用して生存するために進化した」というテーゼをおいて、そこから心の機能やそこでの脳や神経の役割について考えようとする。

2012-04-03 08:09:05
渡邊芳之 @ynabe39

実際に生命の機能について分析しようとする時に進化論と広い意味での創造論はそんなに対立しないのかもしれない。問題はそこに「誰かの意図」を置くか置かないかだけで。

2012-04-03 08:11:33
渡邊芳之 @ynabe39

進化論が「現にそうなんだから適応的だったはず」となってしまう場合と似てますね。 RT @ceno_sougou: というよりも、リバースエンジニアリングが無目的なものに対しても効いてしまうという長所が、誤った創造論を生み出してしまう危険性をも孕んでいる。

2012-04-03 08:13:17
渡邊芳之 @ynabe39

まさにまさに。 RT @UsawoModoki: 哲学の人がギブソンを読むと、たいてい存在論の話になるのはある意味必然なんですね…。RT: @ynabe39 じゃあ「実在する」とはどういうことか。心についての分析は不可欠に存在論を含むことになるのも面白いところです。

2012-04-03 08:19:44
渡邊芳之 @ynabe39

基本的には「心の理解」のブレイクスルーは進化論によって用意されると思う、ってこんなこと俺が言うまでもないんだけど。

2012-04-03 08:21:56
渡邊芳之 @ynabe39

とはいえ哲学でギブソンにこだわる人は「オントロジカルな問題」だと言いたがりますね。 RT @jai_an: 実在論と存在論とは何の関係もない。

2012-04-03 08:24:35
渡邊芳之 @ynabe39

ギブソンはとても素直なリアリストで、哲学者はそれを深遠に考えすぎだと思うことはある。まあ理解は誤解だし、誤解から生まれることも多いだろう。

2012-04-03 08:28:36
渡邊芳之 @ynabe39

基本は進化論なんだからとうぜん機能主義ですし,その「高級である」ところに意味があるわけです。そしてギブソンに興味を持つ哲学者の多くは進化論を軸に考えているように見えます。 RT @jai_an: それは、ギブソンも哲学もわかっていないため。ギブソンは高級な機能主義にすぎないのに。

2012-04-03 08:48:20
渡邊芳之 @ynabe39

だとするとギブソン自身も自分の考えを誤解している? RT @jai_an: そもそもギブソンを、進化論を前面化して読む方が間違っている。

2012-04-03 08:56:27
渡邊芳之 @ynabe39

人間の心や行動について機能主義的に考えるというのが「心を考える諸学」のなかで心理学が持つ最大の特徴だし,そのことによって心理学が歴史的にさまざまな役割を果たしたのだから,それでいいと思う。

2012-04-03 09:00:16
渡邊芳之 @ynabe39

(笑)。 RT @jai_an: もっとも良質なところを自分で誤解していると思います。哲学者もギブソンなんて斜め読みしかしないし。RT @ynabe39: だとするとギブソン自身も自分の考えを誤解している?

2012-04-03 09:00:48
渡邊芳之 @ynabe39

まあそこが「ギブソンに関する学問」がある種の「訓詁学」になりやすい所以かもなあ。「ギブソンが誤解していたはずはない」「ギブソンの真意はこうだった」とかね。

2012-04-03 09:01:49
渡邊芳之 @ynabe39

まあ実際にある領域の認識論としては「革命的」だったのですが,いっぽうで関係ない人もたくさんいるわけです。ちなみに私個人にとっては「革命的」でした。 RT @HirokiMori: アフォーダンスを「心理学の革命!」とか喧伝する人(本)には辟易する。

2012-04-03 09:06:54
渡邊芳之 @ynabe39

アフォーダンスを崇め奉るのも誤解だしアフォーダンスなんて意味がないと思うのも誤解。

2012-04-03 09:10:07
渡邊芳之 @ynabe39

ギブソンがアメリカ思想の潮流に根ざしながら素直に素直に世界を見て素直に素直に考えたことが素直に素直に書いてあるというのがギブソンの価値。翻訳も全部揃ったのだしまずはギブソンの書いたものを読んで楽しむべき。

2012-04-03 09:12:11
渡邊芳之 @ynabe39

それについてノーマンの責任は大きいです。RT @decostatw: アフォーダンスという看板よりも、生態心理学の研究知見に注目して語る方が有益ではないかと思いますが、そうする人はあまりいませんね。

2012-04-03 09:14:25
渡邊芳之 @ynabe39

とくにこれまで翻訳されなかった最初の本と2番目の本は「ギブソンがなぜそう考えたのか」を知るのにとても重要。最初の本は原書もなかなか手に入らないので翻訳はとても貴重。

2012-04-03 09:16:10
渡邊芳之 @ynabe39

意外な発見があるはずです。 RT @HirokiMori: とはいえ、ギブソンの翻訳本は全部揃えたはずなんで順番に読んで行きます。

2012-04-03 09:19:03
渡邊芳之 @ynabe39

茂木さんも辟易するなら本当に革命なのかもしれないw。

2012-04-03 09:19:30