刑事弁護人が木嶋事件を解説をする 1 -「間接証拠だけで死刑にして良いのか?」に答える
そういえば,裁判員制度が始まったのに全然起訴事件がなくて,某裁判長が「このままでは我が社がワーストワンだ。誰か(以下省略)」と修習生に述べていたらしい。
2012-04-13 17:34:03判決理由を少し読んだが「殺害の動機がある」という点が重視されているところに違和感がある。「本当に動機があるか?」という点と「動機があるという点を重視する危うさ」の2点において,しっくりこない面がある。
2012-04-13 17:45:33こういう悩ましさ(間接証拠だけで死刑にして良いか?)という疑問は,死刑を廃止すれば少しは緩和するけど(冤罪防止),しかし,死刑廃止の根拠として決め手にならない。
2012-04-13 17:47:45「動機がない」というのは無罪弁論の決め手だが「動機がある」で論告や判決を書くのはよろしくない。これは司法研修研修所でたたき込まれる事実認定イロハのイ。
2012-04-13 17:57:47このたびの事件,1個の殺人事件だけの訴因だったら,無罪もあり得たと思う。「郡善が3個も重ならない」という経験則が,判決の「メタ原理」みたいなものとしてあるように思われる。
2012-04-13 17:59:19http://t.co/PEhlxMD4 3個の殺人事件とも「動機がある」を有罪の根拠に使っている。どうも実務家的感覚では,気持ちが悪い。
2012-04-13 18:01:54Aを殺す動機がある人は世の中に十人いる。Bを殺す動機のある人,Cを殺す動機がある人も同様。しかし,ABC3名を殺す動機がある人は被告人しかいない,という論法であれば,事実認定の根拠として使えなくもない。
2012-04-13 18:04:29ともかく言えることは,「間接事実の積み重ねによる有罪認定」というのはとても大変だという平凡な結論。この種の事実認定手法は,財産犯罪では,良く論じられているが(近接所持),殺人ではあんまり文献がない。
2012-04-13 18:18:58えらい雑やな。 RT @BarlKarth http://t.co/CRq2JIT4 3個の殺人事件とも「動機がある」を有罪の根拠に使っている。どうも実務家的感覚では,気持ちが悪い。
2012-04-13 19:15:38http://t.co/cujN6DpO 「間接事実による有罪認定」というのは,これと同じような危険が確かにある。いいとこ取りみたいな・・・。これはあくまで一般論で,木島事件は,論評を控える。
2012-04-13 19:19:27「間接証拠」という言葉を使うのは「ドヤ顔法治国家」の人と同じような誤りを犯しているように思える。「法律用語」を訳知り顔で使って,自説を権威づけるという誤り。
2012-04-13 20:48:41「状況証拠のみの死刑は不当」(木島事件)という評論は,結局「冤罪のおそれ」を根拠とする死刑廃止論に帰着すると思う。直接証拠であれ間接証拠であれ裁判には,絶対に冤罪の危険が内在しており,100パーセントの証明はあり得ないこと。
2012-04-14 11:09:03