ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所「リヴァイヴァル―ヨーロッパ文化における再生と革新」研究会ツダり

 早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所「リヴァイヴァル―ヨーロッパ文化における再生と革新」第九回研究会ツダりのまとめです。 日時:2012年4月21日(土)14時より17時30分 場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館6階第七会議室 全体のテーマ:「リヴァイヴァル―ヨーロッパ文化における再生と革新」 続きを読む
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Kuni Sakamoto @kunisakamoto

シバの女王がソロモン王と握手している。しかしこの場面は黄金伝説にはない。これはフィレンツェの天国の門に先例がある。ソロモンはキリスト、シバの女王はがかの花嫁。

2012-04-21 15:53:31
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

天国の門の確認。中世には見られないソロモンとシバの女王の会見。ギリシア教会とラテン教会の再統一を暗示。公会議を当時フィレンツェで行っていた(クライトハイマー)。

2012-04-21 15:56:08
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

ソロモン王とシバの女王の会見は天国の門以降見られるようになる。たとえば知恵と富の結合というモチーフ。

2012-04-21 15:57:14
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

しかしなんでこんな図像が生じたのか。政治的意図を読み込むだけでは不十分。典拠はなにか?クラウトハイマーは考案者としてトラヴェルサーリに同定。初期キリスト教父研究から生まれたのではないか。

2012-04-21 15:59:49
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

列王き10:1-13にシバの女王がソロモン王に会う場面がある。詩篇72:8-11にも暗示的記述。マタイ、ルカで南の国の女王の記述をもとに、これを預言者として解釈する伝統ができる。ソロモンはキリスト、シバの女王は教会(オリゲネス)。

2012-04-21 16:04:15
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

がか1-5を典拠に。がかの花嫁は異邦の民から集められた教会(ここまでオリゲネス)。イシドロスでもシバの女王は教会のよけい。

2012-04-21 16:04:33
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

1185ねんごろの作例に教会である南の国の女王がキリストであるソロモンの智慧を聞きにくるという文章を解説する絵がある。洗礼堂にソロモン王とシバの女王の像があったりする。アミアン大聖堂にもある。王冠を外したたシバの女王がマギと並べられている。

2012-04-21 16:06:44
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

貧者の聖書、15世紀前半にもシバの女王とソロモン王を描いた絵がある。1330ねんごろの人間救済の鏡。救済のよけいとしてのシバの女王とソロモン王がえがかれている。終末をあらわしている。

2012-04-21 16:08:28
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

イタリアにはシバの女王とソロモン王の作例ががほとんどない。ドゥッチョのサイダンガではシバの女王とソロモン王はテキストであらわされているだけ。図像ではない。

2012-04-21 16:09:55
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

明確にソロモン王とシバの女王が花婿、花嫁関係にされた図像も、握手をする図像もない。天国の門はやはり特殊。

2012-04-21 16:11:15
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

握手は右手の結合。同時代の世俗の結婚式に見られる。7世紀にビザンツでは図像形式として確立している(ダビデとミカルの結婚)。西洋にもある。たとえば聖母のたいかん。マエストロ・ダッテスコ。天国の門の握手も結婚をあらわす図像として解釈する可能ではないか。

2012-04-21 16:14:42
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

天国のもんはブルーニの考案。この「考案者は思慮にかけるのではないか」という手紙がトラヴェルサーリに送られている。実際に完成した図はブルーニの考案とはかなり違う。この新たな考案はトラヴェルサーリではないか。

2012-04-21 16:16:55
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

トラヴェルサーリ。ギリシア語により初期キリスト教教父の研究を行う。神学理解に不可欠なプロセスと考える。アンブロシウスをはじめラテン教父も扱う。アンブロシウスってまさによげんろんだ、これはきましたよいやはや。

2012-04-21 16:18:37
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

アンブロシウスの記述と天国の門の実作との対応が実際に見られる。トラヴェルサーリは東西共同合同憲章をきそうする。公会議主義者やオスマントルコを否定して、教会の合同を達成しようとする。この統一にかつての教父たちは成功したのに。

2012-04-21 16:21:50
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

オリゲネスを花嫁イコール教会イコールシバの女王と読むことはできる。トラヴェルサーリはこれを行ったのか?がかについてはおりげネス、ニュッサのグレゴリオス、クレヴォーのベルナルドゥスを読んでいた。ベルナルドゥスはがかの結婚を神と人間の結びつきと指摘している。

2012-04-21 16:24:26
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

グレゴリオスはがか3:1-8を解釈する。花嫁は教会。一人の主張によって秩序づけられた教会共同体の象徴。教会の統一を志向するトラヴェルサーリに適合的な解釈。このグレゴリオスを読んでいた時に天国の門の考案をしている。

2012-04-21 16:27:23
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

オリゲネスとアンブロシウス解釈するあって、それをもとにベルナルドゥスを参考にがかの花嫁をシバの女王として、それをソロモンと握手さsることができたのではないか。

2012-04-21 16:29:55
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

黄金の門は最後の審判のよけいとして解釈できる。

2012-04-21 16:30:47
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

で、ピエロのシバの女王である。これもやはりソロモンとシバの女王が握手している。教会としてのシバの女王が南の国の女王。つまり最後の審判のよけい。だから十字架伝にはいる。

2012-04-21 16:33:42
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

天国の門についての議論をフランチェスコ会という場におかれたピエロの作品にまで拡張することは可能なのだろうかという質問が出ている。

2012-04-21 16:41:00
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

やばい、この絵のラクダはなぜひとこぶではなくふたこぶなのか。私が知っているひとこぶの作例は〜だけ、元のテキストではひとこぶであって。。。という質問。美術史やばい。

2012-04-21 16:42:47
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

いやレアなのはふたこぶです。

2012-04-21 16:43:54
Kuni Sakamoto @kunisakamoto

おわったー。おさわがせしましたー。

2012-04-21 17:12:00