商店街での学生運営事業について

街づくりの第一人者木下斉さんに、商店街で学生が取り組むカフェについて、どういう体制で運営していけばよいかお伺いをたてました。
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木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

地域活性化に取り組みたい学生は、地元の地域活性化に取り組んでいる人たちにヒアリングしたり調査するのではなく、まず自分がやりたい事業に取り組み始めるほうがいいだろう。そのプロセスの中で地域の課題は見えてくると思う。ヒアリングよりも自らの実践の中こそ、一番実態が分かる。

2012-04-30 16:33:32
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

最初から成功を決め込んではいけない。最初は失敗してよいし、失敗可能な範囲で始めること。むしろ成功しないほうがいい。失敗に学んで常に改善していくほうが学びになる。

2012-04-30 16:34:16
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

しかも、指導教官とかそういう手助けではなく、自分と仲間とか2-3名で始めてみること。大学のプログラムとは関係ないところでやってみることをおすすめする。そのほうがリアルな地域の状況が分かるだろう。大学の事業というゲタを履くと、癖になる。学生の時から補助金もらうなんて持っての他。

2012-04-30 16:38:02
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

これは学生だけでなく、これから地域活性化に取り組みたいと思っている地元の人全てに言えること。聞いて回るより、答えは実践した時にこそ真実がわかる。自分がまさにそうでした。聞いて回ってサービス作っても誰も使わない、使っても対価を支払ってはくれませんでした。

2012-04-30 16:39:41
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

やってみてわかったことは、解決策は課題を抱えている人が持っているとは限らないのです。自分の頭で考えなくてはならない。そして、その解決策を既にわかっている人は、わかっていない、さらには実践さえしていない人間に解決策を教えてくれる程、世の中は甘くないということです。

2012-04-30 16:42:08
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

事業計画を今のまち会社に持ち込むのではなく、自分で小さく始めるのが一番いい。計画を細かく詳細まとめて説明を繰り返す時間が無駄。まずは自分で始めてみればいい。説明している相手が納得したら、その計画は恐らく地域を活性化するものではなくなっているだろう。

2012-04-30 17:01:54
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

お金を払えないなら、何か手間をかけてみるのをおすすめする。学生とか、始めて地域に関わる人で手間を惜しんではいけない。約束された対価が見えなければ動かない、失敗しない方法論みたいなことを求めているなら、もっといい分野に行ったほうがいいでしょう。

2012-04-30 17:16:54
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

ずーっと地域に関わっていても、無駄に終わることは沢山ある。とんでもない無理はしないにしても、無駄を惜しんだら何もできなくなる。効率良くやろうとか、無駄なくやろうなんてことは、最初から考えたら何もできなくなる。積極的に失敗して、方向転換していく先に光明があるんですよね。

2012-04-30 17:18:14
ryusei @ryusei_hana

@shoutengai 初めまして、花澤と申します。福岡の井尻商店街という商店街で、去年11月に学生たちでカフェを開きました。たまたま商店街の方からお誘いがあり、乗りかかる形でカフェを開いたのですが、なかなか思う様にうまく行きません。今度お話を聞きに伺っても良いでしょうか?

2012-04-30 17:23:26
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

@ryusei_hana 学生カフェにかかる課題については少しだけ整理して呟きます。何が問題だと思っているか、教えてください。

2012-04-30 17:36:52
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

学生カフェについて少し質問を投げかけられたので、学生カフェについて少し今まで呟いた話から整理します。

2012-04-30 17:38:01
ryusei @ryusei_hana

@shoutengai お店を商店街と学生らで協働運営していくための体制がうまく構築できていません。事業に対する決定権の裁量範囲や、責任の所在などが曖昧になっています。その結果すれ違いが生じています。

2012-04-30 17:38:02
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

多くの場合には、まず「カフェ」として経営を考えるのではなく、地域のコミュニティ機能みたいな共有スペースが必要であるという問題意識から発端となったり、空き店舗対策が命題からスタートするものが多い。地域課題解決が先にあり、学生なら時間があるから運営できるだろう的に始まったりします

2012-04-30 17:39:04
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

2つの問題があります。1つはカフェとしての顧客志向のなさ。コミュニティカフェだろうとなんだろうと、カフェはカフェです。コーヒーやその他メニューの味や提供時間、店舗の清潔さなど含めて、スターバックスなどと競争関係にある。これは拙著でも指摘 https://t.co/5BnkqhZ3

2012-04-30 17:41:00
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

当事者たちは別物だと思っているが、実際には顧客からすれば、業態としてはカフェだと思っているのです。補助的なサービス面で付加価値を作れたとしても、本業はカフェ。カフェとしてあまりに酷いと、やはり利用する、対価を支払う気にはならない。サービス業としての意識が不可欠です。

2012-04-30 17:42:04
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

もう1つは、運営面。地域活性化の一貫だと思うことで、学生とかが関与してくれて、タダで運営できると思ってる。家賃は家賃や内装には補助金が出るか、人件費には出ないから、そこは学生で、みたいな話が多い。都合よく学生が地域活性化に取り組みたいという意識を利用しようとする。

2012-04-30 17:44:48
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

しかしサービス業は大変だし、日々のシフトとかを言われても学生はバイトでもないことに、細かく関与しづつけることはほぼ不可能。しかも、ダメ出しとかされたらたとえバイトでもさらに離れていく。運営面でも、一般的なビジネス構造を無視してしまうと破綻。学生は他の仕事や遊びと比較して選択する。

2012-04-30 17:46:18
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

結局、全てが中途半端なままで終わる。学生側も本気でない、やらされているみたいな気持ちになるし、さらに顧客からしたらそんなズサンなカフェを利用したいとは誰も思わない。結果として、補助金とか切れたら終わるものが多い。

2012-04-30 17:47:43
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

だから学生が自ら地域に関与するのにカフェを経営したいなら、本気でカフェでバイトしたり色々として訓練をした上で開業するのが良い。商店街も補助金ではなく、自分の物件を安く貸してあげれば良い。んで、そのカフェが良いものであれば、そこでコミュニティ課題解決に係る企画をやればいい。

2012-04-30 17:48:47
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

事業成功に係るインセンティブやリスク、をどれだけ学生と商店街でそれぞれ設定していますか? RT @ryusei_hana お店を商店街と学生らで協働運営していくための体制がうまく構築できていません。事業に対する決定権の裁量範囲や、責任の所在などが曖昧になっています。その結果すれ違

2012-04-30 17:56:12
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

事業にはリスクとリターンがあります。だからリスクとリターンについては、最初から設定するのが基本だと思っています。リスクマネーはなくなって当たり前だと思う金額で集めること。しかもやる人と金だす人は一緒であること。リターンは生まれた時にどう配分するか決めることです。

2012-04-30 17:58:16
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

所有と経営の分離、なんてことを経営学をかるーく噛んだ人は得意げにいいますが、スモールスタートの段階では一致しているのが合理的だと僕は思っています。事業を仕掛ける人たちでリスクを負う。逆に負えるリスク規模で事業に取り組むのが基本だと思います。あとで自己責任であれば、揉めないしね。

2012-04-30 17:59:57
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

そもそも最初に資金を集める段階の事業計画通り進んだことないですから、事業を進めている段階でどんどん事業が変化していくのに、資本を出している人に一々説明していては手遅れになりますし、コミュニケーションコストがかかりすぎる。だからやる人とリスク負う人は一致するのが合理的。

2012-04-30 18:01:39
木下斉 / 「まちづくり幻想」日台韓中で発売中! @shoutengai

学生だってバイトしまくってどうにか10万円くらいは貯めるとかはできるでしょう。5人集めて、皆でできることをやる。そのほうが、地域活性化にはプラスです。地元のおじさんたちを説得して、やらしてもらうなんてことは考えないほうがいいよー。ま、気前のいいおじさんならいいけどね。

2012-04-30 18:03:24