夕刻に潮がひいていくさまを見たかったのだけど、打ち込んだ文章は送信して役を果たしたなら後は当然のことのように消えてしまうのではないかと判断に迷いが出たから、指で文字を選びながら、足を目で確認できる方へと歩を進めた。
2012-04-12 17:14:43玄関の扉は壊されていた。靴には破片が、そしてどの範囲を玄関と呼んでいたのか、立派に台無しになったこの景色について、明確になにかを残そうとしたりそれを経緯とした目的があったわけでもなかったから玄関の扉を壊した。
2012-04-12 16:54:18喋るほどに予期せぬ音の組み合わせばかり出てしまい後悔すれど時すでに遅く気付くのはいつも相手の耳に伝わった後で誤りだったと訂正するにもふさわしい音というのがあり探している間にまた誤ってしまい、ああ、おそらくは水分が足りない。最後に雨が降ったのはいつだったか?思い出すことに集中した。
2012-04-10 05:30:30玄関口の時計はデジタル表示で、特定の時刻に意味を持たせ過ぎるきらいがあったものだから、わざと電池を抜いていたらいざ必要になったときに液晶には文字が浮かばずほんとうに壊れてしまった。
2012-04-08 05:17:09襖のようにずれてしまった景色については、なんとなくもう元通りになることはないように思えた。そもそも元通りという言葉がどういった意味を持つのか曖昧になってきていたということもあるし、何よりも用意している食事を食べきってしまうということの方が、そのときの私には重要に感じられたのだ。
2012-04-08 00:31:23切り取られたようにぽっかり開いた四角い空間は突然あらわれた。突然と言ったが実際に突然だったかは定かでなく、むしろこちらが気付かなかったのではないか、それならば申し訳なかったな、と感じられるような、日常の景色からは特別に扱うべきでないだろう発見だった。
2012-04-08 00:18:24今朝ほどリップクリームが唇からはみだした事実が尾を引いて私は今日という日の何を決定することもできず、傘も単語もコンビニエンスストアと方角、靴はたくさん歩けるものにすれば良かった顔と音楽、今日はあなたと過ごせてとても素晴らしい真っ白な記録とともに日が落ちる。
2012-04-06 15:35:21真っ暗な中で一歩を踏み出す際、まるで全く知らない場所に踏み出したような、自分の妄想を振り切り現実をしっかりと見つめたような、大変なことをした気分になるのだが、重なればやがては灯りのスイッチに辿り着き、その後はよく知る部屋だとただ思い知らされ、目的をこなすだけの結果に落胆するのだ。
2012-03-25 05:47:31喉がからからで麦茶を飲んだのにまだからからで緑茶を飲んでもまだからからで冷蔵庫の牛乳を飲んでもまだからからで水が、水がほしい、小銭を手にし一番下の階までエレベーターで降り明かりの灯る自動販売機に手を掛けるも水やウォーターの文字はどこにも見当たらず僕から一番遠い水分が水だなんて僕は
2012-03-25 05:20:27さて、久しく、寝るぞ、と電気をちゃんと消して布団に入ったは良いがやはりイヤホンは必須であるし音楽を流すがそれはそれでうるさいし外したところでやはりうるさい。真っ暗であるがむしろ自分の居場所は大変限られていることを思い知らされ窮屈を感じながら安定した睡眠に臨めるはずもないのだった。
2012-03-25 05:04:34ほんとうはひらがなをつかいたいけれどげんじつのせかいでいきてゆけない、ばかにされてしまうしいけんを、いけんをきいてほしいし、そのためだけにわたしはさもじぶんがりっぱみたいに、つよいいきものであるかのように「漢字ほか」をつかう、まるで、きらいなおくすりをのんでいるかのよおふくよお!
2012-02-17 01:20:18