幻想の伝統に縛られて前に進めない日本を斬る

佐々木俊尚さん(@sasakitoshinao)のツィートがまさに言いたい事を言ってくれたと思ったのでまとめました。 維新の会のトンデモ議案から始まって、幻想に過ぎない日本の伝統的価値観に根拠が無かった事、しかしそれを信じる事が現代日本の問題の根源となっている事がわかると思います。 (女性の)部下に手書き文書のワープロ化を依頼している人、エクセルを罫線をひくためのソフトとして使っている人は必見です(^^)!
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佐々木俊尚 @sasakitoshinao

昨日から大騒ぎになってる維新の会の「家庭教育支援条例案」。海部美知さんの記事が最もわかりやすかった。それにしてもなぜ政治はこれほどまでにトンデモに染まりやすいのか。/大阪維新の会 トンデモ条例案の黒幕 http://t.co/DHEOY2VF

2012-05-04 08:23:03
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

維新の会から教育論が何がどうつながっているのか。その全体像をチャート化する。すごいなこれは。/トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話 - 俺の邪悪なメモ http://t.co/6P6kmH21

2012-05-04 08:25:04
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

そもそも専業主婦を前提とした「伝統的教育」と称するものって、単に1950年代から90年代前半までの時代状況を反映してただけだ。日本の伝統ではなく、高度経済成長下の過渡期の教育にすぎない。こういうのを主張してる人って歴史観が乏しすぎ。

2012-05-04 08:28:02
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

専業主婦論を前提にする限り、少子化は止まらないと思います。わかってないなんだよな〜。 RT @gyouzaninngenn @sasakitoshinao 子供を社会全体で育てるという概念に反してますね。だから少子になるのをわかってない。

2012-05-04 09:11:24
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

いまの高齢者が子供時代・青春時代だった昭和30年代ごろに「国土は美しく犯罪もなく素晴らしい教育が行われ、人々は幸せだった」というあり得ない幻想の美しい日本を仮託する。その幻想を政治家やワイドショーメディアが補強するという状況がいたるところで蔓延してるな。

2012-05-04 09:20:53
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

「三丁目の夕日」の嘘の昭和30年代を見て「いいねー」とか言ってたから、こんなことになってる。ほんとうくだらない。

2012-05-04 09:21:45
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

いまの高齢者やワイドショー的メディアにとっては昭和30年代は「堯・舜の時代」ぐらいの崇高なイメージになっちゃってるんじゃないのか。

2012-05-04 09:26:23
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

そもそも昭和30年代からの高度成長型教育システムは、垂直統合の企業戦士=社畜生産システムでしかなかったわけで、それを金科玉条にするのは自分で自分の首を絞めてるだけ。白人の乗ってくる飛行機をありがたがってた植民地アフリカのカーゴ信仰みたいな情けなさを感じるな。

2012-05-04 10:01:03
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

笑。「三丁目の夕日」の嘘。 RT @hara1s0 あの映画をテレビで見てた両親(集団就職組)が「あんなに親切に住み込みの従業員を可愛がる会社とかねーよ!」とキレてました

2012-05-04 10:02:38
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

確かに(笑)。 RT @Matsuhiro でももしも堀北真希が住み込みの従業員だったら、ウチの助平オヤジはあのぐらい親切にしたと思う。@hara1s0 あの映画をテレビで見てた両親(集団就職組)が「あんなに親切に住み込みの従業員を可愛がる会社とかねーよ!」とキレてました

2012-05-04 10:14:28
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

「坂の上の雲」ももう来ないよ・・工業化はそれぞれの国に一度しかない高度成長のチャンスで、日本はもう使い終わった。でもいまだに「裸一貫でゼロから」とか言いだす人とかいるんだよなー。

2012-05-04 10:04:21
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

集団就職の別の一面を知りたい人には、1968年のピストル射殺魔永山則夫をモデルにした映画『裸の十九歳』(新藤兼人監督)がお勧め。ひどい実態がよくわかる。まあこれはこれで一面的かも知れませんが。

2012-05-04 10:10:12
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

「三丁目の夕日」は制作側がフィクションだと思っても、受けとめた高齢者やワイドショー的メディアは真実と思い込んでしまった。これによって「昭和幻想」のたいへんな害悪が、広く深くまき散らされたのは事実。

2012-05-04 10:13:57
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

工業化のチャンスはもう使い終わっちゃったし、いま英米などが使ってる情報化のチャンスは「ITは人を幸せにしない」とか言い募って忌避している。それがいまの日本の現実。

2012-05-04 10:19:25
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

もし今後日本に「坂の上の雲」がもう一度来るとしたら、それはしばらく前の五木寛之氏の名言「坂の上のクラウド」だ。

2012-05-04 10:19:57
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

先週の総務省の委員会でも、「なぜ日本産業がITに弱いのか」を議論してる時に「ITのネガティブな部分をちゃんと議論しましたか?」と強く批判してきた高齢者委員がいた。ITの新事業創出がひどく遅れてるこの状態でITのデメリットを議論してもしかたないだろうに。(続く)

2012-05-04 11:01:37
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

こういう高齢者委員って、自分を「社会がITに押し流されていく中で、時代に抗っている孤高の人」と思ってるみたいなんだけど、そういう自称孤高の「ITは人を幸せにしない」提唱者がいまの日本では多数派であるってことは金輪際認識してないんだよね。

2012-05-04 11:02:58
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

時代精神って必ず忘れ去られてノスタルジーにかき消されてしまう。だから昔のことを知りたければリアルタイムに書かれた文章や当時制作された映画を。ただ小栗康平の『泥の河』は同時代ではない(舞台=昭和30年代、原作1977年、映画化82年)けどちゃんと描いてるように思える。

2012-05-04 15:16:53
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

たしかに英語学習には皆熱心なのに「IT学習」「ネット学習」とかになると急に「人間が機械にされてしまう!」と騒ぎ出すのは何でなんだろうな・・。たとえば柳田邦男氏とか。いまだにその気持ちの根源が突き止められない。

2012-05-04 15:53:42
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

職人的な「工芸」と「技術」の違いで説明できるような気もする。まだちょっと曖昧だけど。技術は社会のシステムを根底から組み替え、人間と外界の接点を作り替える。工芸は、人間と外界の接点は変更しない。あくまでも人の外側に存在するモノだけをつくり出す。(続く)

2012-05-04 15:58:59
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

(承前)日本の「和魂洋才」は、人間や社会そのもののあり方はそのままで、その先の外界に存在するモノの作り方だけを欧米化した。和流産業革命。しかしその後の技術の進化とIT化は、工芸レベルではなく技術レベルで人間と外界の接点を作り替え、社会を再構築している。

2012-05-04 16:00:26
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

(承前)いまの高齢者層は、日本社会が技術を受け入れることで「洋魂洋才」になってしまうことを恐れているんじゃないか。つまり工芸は受け入れるが、技術は受け入れたくないということ。

2012-05-04 16:01:13
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

(承前)だからワープロや表計算ソフトは日本では、データや文書を構造化する(システムを組み替える)のではなく、あくまでも清書ツール(工芸的な)として使われる。データの構造化に対しては、人間が機械化されると恐怖する。

2012-05-04 16:02:35
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

(承前)そういう観点で見ると、いまの時代状況は與那覇潤さんが「中国化する日本」で説いた1600年以降のパラダイムが終わり、和魂洋才が消滅して「グローバル魂グローバル才」になりつつあることを示してるのかもね。(了)

2012-05-04 16:04:48
佐々木俊尚 @sasakitoshinao

「工芸」ではなく、「技能」とか「技巧」ってたしかにいいかも>手先の細工を指す言葉。

2012-05-04 16:18:22