横溝正史関連雑文集成2

迷宮の扉、悪魔が来りて笛を吹く、迷路の花嫁などの読書録やドラマ・映画関係のつぶやき、尼崎の横溝酒場のことなど。
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カルヴァドス @cornelius0321

⑥花は女の比喩である。「迷路をいく花々」とあるので、この花は直接的には、滝川恭子と横山夏子(奈津女)を指している。建部の毒牙にかかっていた夏子は、はまり込んでいた迷路からようやく抜け出し、恭子は建部の毒牙にかかろうと決意して、迷路にはまり込んでいく…。

2012-03-24 01:38:53
カルヴァドス @cornelius0321

⑦2人の女の人生が交差する場所、それがここでいう「迷路」の意味だ。ただし、恭子も最後には迷路から抜け出すことになる。

2012-03-24 01:38:44
カルヴァドス @cornelius0321

⑧この『迷路の花嫁』、結構なボリュームで、登場人物も多い。殺人事件よりも女たちの心理や松原浩三の存在などが面白いので、昼のドラマに適している。東海テレビは今すぐ映像化の準備に入ったほうがよい。脚本は中島丈博氏(『牡丹と薔薇』、『真珠夫人』)、建部は麿赤兒なんかどうだろう。

2012-03-24 01:38:34
カルヴァドス @cornelius0321

⑨昼ドラマだから製作費も安くて済む。羽田美智子、小沢真珠、森口瑶子、入山法子、新藤恵美、笛木優子、徳山秀典、神保悟志など昼ドラ常連キャストを使えば、面白くなると思う。

2012-03-24 01:38:24
カルヴァドス @cornelius0321

⑩主要な登場人物が最後に命を落としてしまう以外は、おおむねハッピー・エンドといってよい。「蝶坊、おじさんの手、握っていてくれ。おれ、おまえがかわいくてなあ…」というセリフが泣かせる。横溝正史はこんな小説も書いてしまう人なのだ。<この話題終わり>

2012-03-24 01:38:14
カルヴァドス @cornelius0321

映画『悪魔が来りて笛を吹く』再見。美術に金かけている。椿家は曲線を多用するアール・ヌーヴォー的洋館。クリムトやミュシャの絵画を飾れば似合うはず。ただ装飾が派手すぎて、映画というよりは舞台美術という感じがしないでもない。

2012-03-22 23:23:45
カルヴァドス @cornelius0321

映画で三島東太郎を演じた宮内淳、最近見ないなと思ったら、影絵劇団を主宰するかたわら、UNEP(国連環境計画)の活動に参加するなどしているという。

2012-03-22 02:24:24
カルヴァドス @cornelius0321

①『幽霊座』(角川文庫緑三〇四-10)再読。歌舞伎を題材にしているので、歌舞伎に興味を持つようになってから読むと、また違った面白さがある。

2012-03-21 01:40:53
カルヴァドス @cornelius0321

②「鯉つかみ」という演目がトリックに使われていたり、横溝正史が古典芸能の評論家だった安藤鶴男からいろいろと示唆に富む話を聞いてこの本を執筆したというのも、もちろん興味深い。

2012-03-21 01:40:44
カルヴァドス @cornelius0321

③戦後の歌舞伎を代表する女形である六代目中村歌右衛門(大成駒)は、系図の上では五代目中村歌右衛門の「次男」ということになっている。

2012-03-21 01:40:35
カルヴァドス @cornelius0321

④五代目歌右衛門の長男は、「慶ちゃん福助」の愛称で親しまれた美貌の役者五代目中村福助である。五代目福助が若い頃に、ある女性に産ませたのが六代目歌右衛門ではないか、という話がある。

2012-03-21 01:40:25
カルヴァドス @cornelius0321

⑤成駒屋という屋号を持つ歌右衛門家では、世間体や五代目福助の将来を考えて、生まれた子を五代目歌右衛門の「次男」、つまり、五代目福助の「異母弟」ということにして事態の鎮静化を図ったという。

2012-03-21 01:40:16
カルヴァドス @cornelius0321

⑥『幽霊座』でも佐野川鶴右衛門の長男が鶴之助、次男で異母弟が紫虹という設定だが、実は、紫虹が鶴之助とある女性とのあいだにできた子であることが明らかになる。

2012-03-21 01:40:04
カルヴァドス @cornelius0321

⑦もうこれはそのまま、鶴右衛門=五代目歌右衛門、鶴之助=五代目福助、紫虹=六代目歌右衛門といってよい。おまけに紫虹の本名は静雄、六代目歌右衛門の本名は藤雄である。

2012-03-21 01:39:50
カルヴァドス @cornelius0321

⑧鶴之助には雷蔵という息子もいるが、これはおそらく去年亡くなった七代目中村芝翫だろう。芝翫の本名は眞喜雄、雷蔵の本名は喜久雄である。これは果たして偶然だろうか。私にはそうは思えない。<この話題終わり>

2012-03-21 01:39:36
カルヴァドス @cornelius0321

ブックオフで、『幽霊座』と『悪魔の家』をGET。各200円。保存状態も良い。実川延若の「鯉つかみ」がyou tubeにあったと思う。

2012-03-15 00:46:23
カルヴァドス @cornelius0321

①DVD発売を前に、『悪魔が来りて笛を吹く』再読。砂占いの日に「計画停電」があったり、美禰子と一彦が自立のために「就活」しているという設定は、平成23年の話かと思ってしまう。昭和22年も平成23年も変わらないということか。

2012-03-12 23:47:02
カルヴァドス @cornelius0321

②今まで読み落として気付かなかったことがある。神戸の須磨寺に、金田一が事件解決の重要な手掛かりを得る「三春園」という旅館があるという設定になっており、その女将が須磨寺は「自殺の名所」だと述べている(角川文庫旧版50版p.194)ことだ。

2012-03-12 23:46:53
カルヴァドス @cornelius0321

③須磨寺が自殺の名所というのは、横溝正史の創作ではなく、どうやら昔からそういう場所だったらしい。私の故郷は神戸だが、『悪魔が来りて笛を吹く』に出てくる神戸は、須磨寺、板宿、月見山周辺で、私の住んでいたエリアからはかなり遠いので、この噂は聞いたことがなかった。

2012-03-12 23:45:46
カルヴァドス @cornelius0321

④『悪魔が来りて笛を吹く』の名物キャラは、やはり秌子(あき子)だろう。男狂いという点では、『悪霊島』の巴御寮人と並ぶ両横綱だ。

2012-03-12 23:45:29
カルヴァドス @cornelius0321

⑤原作の秌子(あき子)は、「いちま(=市松)人形」のようだと書いてある。終始着物姿だったドラマ版の草笛光子のほうが、原作に近い。http://t.co/MMHEX9jx

2012-03-12 23:45:14
カルヴァドス @cornelius0321

⑥とはいうものの、「私の体には虫がいるの。お父様に退治してくださいとお願いしてもダメだったの。あの方は、お優しくてデリケートでいらしたけど、いろんな意味でお弱かったの」というセリフで淫乱ぶりを余すところなく発揮した鰐淵晴子の秌子(あき子)も捨てがたい。

2012-03-12 23:44:59
カルヴァドス @cornelius0321

⑦共和制末期の古代ローマを描いた海外ドラマ「ROME」に、アティアという女性が出てくる。ユリウス・カエサルの姪であり、初代皇帝オクタヴィアヌスの母である。

2012-03-12 23:44:40
カルヴァドス @cornelius0321

⑧このアティア、とんでもない女である。昼夜問わず、恋人のアントニウスと愛し合っている。子供や召使が近くにいても、お構いなしに、である。史実のアティアは貞淑な女性だったらしいが、ドラマでは、叔父カエサルの権勢の下で好き放題に振る舞う淫乱女という設定に変更されても、違和感がない。

2012-03-12 23:44:25
カルヴァドス @cornelius0321

⑨カエサルとアティアという「権力者の叔父と、淫奔な姪」の関係は、そのまま「玉虫伯爵と秌子(あき子)」だ。ただ気性の激しさは違う。秌子(あき子)を強くしたのがアティアであり、アティアを弱くしたのが秌子(あき子)だ。

2012-03-12 23:44:00