「累積100mSv以下は安全」説はいつから語られはじめるのか?(3)―JCO臨界事故報道を見直す:『毎日新聞』

 3.11以後、日本では「100mSv以下にはリスクがない」あるいは「100mSv以下はリスクが観察できない」とし防護や安全対策を軽視ないし無視する説が広がりました(注1)。  なぜこうした説がひろまったのでしょうか。そもそも、この説はいったいいつごろから存在したのでしょうか。そのことを考えるために、JCO事故時の報道をふりかえってみることにしました。  「100mSv以下はリスクはない」や「100mSv以下ではリスクは観察できない」と語るひとは「この説は通説」だといいます。ほんとうにそうなのでしょうか。今回は、『毎日新聞』の1999年10月から2000年3月までの記事を見ていきましょう。 続きを読む
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dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして. / 『毎日新聞』1999.10.02東京朝刊「「一般人への影響ない」--茨城・東海村臨界事故、専門家に聞く」

2012-05-04 12:29:38
dabitur @dabitur

「茨城県東海村の燃料加工会社「JCO東海事業所」の国内初の臨界事故は1日午後4時半、18時間ぶりに住民の屋内退避要請が解除された。一般人への放射線の影響はほとんどないとみられるが、どの程度の放射性物質が放出されたのかなど不明な点も多い。専門家に聞いた」(ibid.)

2012-05-04 12:29:58
dabitur @dabitur

「放射線の防護基準は国際放射線防護委員会が勧告として発表し、日本ではこれに基づいて、一般の人の年間許容限度は1ミリシーベルト、原子力施設などで働く人は50ミリシーベルトと定めている」(ibid.)

2012-05-04 12:30:33
dabitur @dabitur

「日本原子力研究所の調べによると、今回の事故による放射線量は事業所の敷地境界で最も強かったのが30日午後7時ごろ。事故があった施設付近は1時間当たり4・5ミリシーベルトに達し、その後徐々に弱まった」(ibid.)

2012-05-04 12:30:56
dabitur @dabitur

「藤田保健衛生大の古賀佑彦(すけひこ)教授(放射線医学)は「もう被ばくはないと考えてよく、一般人は健康への影響もないはずだ」と話す」(ibid.)

2012-05-04 12:31:10
dabitur @dabitur

「臨界事故が発生すると、強い放射線を出すセシウム137やヨウ素131などの核分裂生成物ができる。爆発が起これば、これらの放射性物質は広い範囲に飛び散るが*科学技術庁は「建物の被害がないので放射性物質が屋外に大量に放出されたとは考えにくく、土壌や水質調査はしていない」」(ibid)

2012-05-04 12:32:07
dabitur @dabitur

「日大歯学部の野口邦和講師(放射線防護学)は「事故現場から数百メートル離れていれば、それほど心配することはない」と話す」(ibid.)

2012-05-04 12:32:22
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして / 『毎日新聞』1999.10.05東京朝刊 [特集]茨城・東海村臨界事故 識者座談会 安全委の対策に甘さ

2012-05-04 12:36:18
dabitur @dabitur

「9月30日に発生した日本で初めての臨界事故は、従業員や住民多数が被ばくし、住民への避難、屋内退避要請が出されるなど、日本の原子力開発史上最悪の事故になった。*ようやく全体像の見えてきた事故について、専門家3人に話し合ってもらった(司会は田中青史・毎日新聞科学環境部長)」ibid

2012-05-04 12:37:34
dabitur @dabitur

「◆石川迪夫氏 原子力発電技術機構特別顧問、元北海道大教授 ◆市川龍資氏 元科学技術庁放射線医学総合研究所副所長 ◆山口幸夫氏 大学講師、原子力資料情報室共同代表」

2012-05-04 12:38:13
dabitur @dabitur

「市川氏 法体系では、放射線作業に従事する人の被ばく量を、20歳から60歳の間に1シーベルト程度に収めようとしています。年間の限度は50ミリシーベルトと設定されています」(ibid.)

2012-05-04 12:39:20
dabitur @dabitur

「危険度が高い職種を除いた一般の職業人の職業上のリスクと同程度にしようという考えで割り出された数字です。これ以下であれば、基本的には健康に問題は生じません」(ibid.)

2012-05-04 12:39:35
dabitur @dabitur

「体外から放射線を浴びた体外被ばくは短時間で終わっていて、問題になるレベルではありません。放射性物質を体内に取り込むことによって起こる体内被ばくは、農作物や牛乳、魚などが汚染されていた場合に問題になりますが、土壌の測定値が通常の東海村のレベルと変わらないので心配ないでしょう」

2012-05-04 12:40:33
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして. / 『毎日新聞』1999.10.06地方版/島根「[しまね拡大鏡]島根原発見学 防災体制と3号機増設 /島根」

2012-05-04 12:45:01
dabitur @dabitur

「今回の東海村の事故の場合、事故地点から半径10キロの範囲に一時、屋内退避勧告が出された。しかし、島根県の場合、災害対策の基点となる県庁と3市町の市役所・役場が10キロ圏内にあり、圏内人口も約11万人に上る」(ibid.)

2012-05-04 12:45:39
dabitur @dabitur

「これに対し県消防防災課は「県庁など災害対策拠点となる各施設はコンクリート構造物なので、その中に居れば大丈夫。災害対応で外に出る場合も、被ばく量を50ミリシーベルト以下に抑えれば問題ない」と説明する」(ibid.)

2012-05-04 12:45:52
dabitur @dabitur

「しかし、これらの安全基準はすべて国の指針に沿ったもの。「島根原発増設反対運動」の安本和正代表は「県は国の指針に頼り過ぎ。大規模な事故になると、10キロじゃ話にならない。防災訓練の対象を半径30キロに広げるべきだ」と、県に主体的な決断を求めている」(ibid.)

2012-05-04 12:46:31
dabitur @dabitur

100mSv以下は安全」説は奇説・珍説だと思うけど、もうひとこと加えて「新説」だといえそうである。

2012-05-04 13:30:26
dabitur @dabitur

「累積100mSv以下は安全」説をさがして。 / 『毎日新聞』1999.11.05 地方版/茨城「 [見えない恐怖]東海村臨海事故 350メートル以内で被ばくの恐れ /茨城

2012-05-04 14:41:12
dabitur @dabitur

「4日、周辺住民が事故でどの程度の放射線量を浴びたかを推定するデータを科学技術庁が発表した。事故から4時間半後まで、現場から半径350メートル圏内にいた人は、一般人が1年間に浴びていいとされる許容被ばく線量(1ミリシーベルト)を超える被ばくをしている可能性があるというもの」

2012-05-04 14:41:52
dabitur @dabitur

「科技庁は「ただちに健康への影響を懸念する必要はない」としているが、今後、住民説明会の開催や住民一人一人の行動調査、長期的な健康管理などきめ細かい対応を図っていくとした」(ibid.)

2012-05-04 14:42:42
dabitur @dabitur

「「放射線は浴びていない、安心だと言っていたのに……」。事故からすでに1カ月以上。被ばく者がさらに増える可能性があるとの発表に、周辺住民はショックを隠せず、改めて不安を募らせている」(ibid.)

2012-05-04 14:42:50
dabitur @dabitur

「科技庁放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)の明石真言・放射線障害診療・情報室長によると、広島・長崎原爆の被爆では、250ミリシーベルト以下では急性の症状が認められず、発がんなど長期的な健康影響については、200ミリシーベルト以下では現れないとされている」(ibid.)

2012-05-04 14:43:58
dabitur @dabitur

ただ、50ミリシーベルトでがんの発生率が高くなるという報告もある。/明石室長は「個人的には大丈夫と思うが、仮に50ミリシーベルトもの放射線を浴びたとしたら尋常なことではないので、1年に1回の定期検査をすすめる」と話している」(ibid.)

2012-05-04 14:44:34