幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

カルハが倒れた。心配だが、あいつは軍主だからこう騒ぎになると簡単に会えない。見舞いのまんじゅうも受け取ってもらえない。「そんなに悪いのか！？」「ええ…」「やはり紋章か…」「いえ？栄養失調です。まんじゅうばかり食べるから」「……」

椎＠妄想の紋章 @27rune

「テッドと喧嘩した。約束、すっぽかされた」「あいつ、約束忘れやがって。夕方まで待ってたんだぞ」「で、お二人仲良く大雨の中まちぼうけで風邪ですか。何の約束だったんです？」「釣り」「狩り」『…え？』

椎＠妄想の紋章 @27rune

ホウアンは悩んでいた。難しい病気だ。原因がどれか、判断をつけづらい。だが医者の面目にかけても、またこの軍の未来のためにも元気になってもらわなくては。医者の腕が試される。さて、果たして原因は紋章か。それとも彼の姉の料理なのか…。正直、不本意な試され方である。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

軍師たる私にわからない事はない。何？目安箱の投書が理解できない？仕方ありませんな、私が見てお伝えします。どれどれ…『ムムム？』……。苦渋の決断の末、私は筆を取った。『拝啓 バド殿。誠にお恥ずかしい限りですが、この度ムササビ文字について是非ご教授願いたいと…』 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

考えた。黒竜界は前菜、主菜、デザートに違いがないのでは？なら自軍の審査員のみで行う審査は不当！「シュウさん。料理勝負のやり直しを。戦うべき相手には敬意を！」「却下。あなたが戦うべき相手は間違いなくハイランドだ」…料理勝負終わっちゃって寂しいって正直な方がよかったかな。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「群島の夏って暑い…」「構うなっつってんのに。俺ンとこ来ても涼しくねーぞ」「気分だけでも涼しいよ？ミニお化け屋敷みたいで」「…何の事だ？」「テッドの右手」「よーし甲板出ろ？お化け屋敷の威力見せような。涼しくなるぞー」「ごめんなさい暑さで混乱して話題を間違えました」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

イカは食材にならないし売値も安い。食べる習慣がないのかな。証言1「イカリング最高」証言2「さきいか手放せない！」証言3「イカスミ料理大好き」証言4「仕入れが大変だが、タダ同然でくれる奴がいるとか…おっと、内緒だぜ？」…大人って汚い。また一つ、僕は世界の真理を知った。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

英雄譚執筆のため、協力を求めた。幻水1「どうして反乱を？」「いや、お家帰れなくなって」幻水2「本拠地での問題は？」「モグラ叩きクリアできない」ラプソ「あの…何故、無人島に？」「蟹がいたから」幻水5「民のために奪還を？」「いや、妹奪還」タイトル：本音。…売れるだろうか。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

長くいすぎた。もう出ていかないと、大変なことになる。でもここは居心地がよくて。「テッド君。今日は兎肉の特製シチューです。おかわりもたっぷりですから」……このままじゃ、まずいんだ。だって最近…腹、出てきちまって。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

親友と戦った。国の明暗を分ける争いだった。でも星の祝福か。大切なものは、何も失わずにすんだ。……ただ、思い出す。『この紋章を一つにできなかった事を…悔やむものである』あれから半世紀。皺の寄った手を眺める。あの時、一つにしなかった事……正しかったのだろうか？ #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

鎧、貴族服、海賊服。某腕の方一人だけやたら優遇されてるような種類である。しかしテッドは額に皺を寄せ、渋面で尋ねた。「おい、カルハ。あいつ、何着てもやたら潮臭いと大層な悪評なんだが…まさか嫌がらせじゃあるまいな？」「はてさて、何のことやら」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

全てを畏服させ、稲妻のごとく敵を薙ぎ倒す。左手が輝く時、敵は残らず火の海に沈んだ。彼こそ、群島の英雄であった。「格好いいね、テッド！群島の英雄…どんな人だったんだろう」「…さぁな」あらゆる蟹とまんじゅうを見逃さず、掃除と洗濯と裁縫が趣味だった。偶像と現実の溝は深い。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

ファレナ女王国の王子。歴代最高位の天魁星である。「王子、次はあちらへお願いしますね」「ふふ…後でのお楽しみですよ」「そちらに行ってきてください。理由はすぐにわかりますから」歴代最高位の天魁星である。同時に、何故かもっとも軍師のパシリ感の強い天魁星でもある。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「俺は！俺が想うまま！俺が望むまま！！邪悪であったぞ！！！」詛いと滅びを含み、けれどその潔さは人を強く惹いてやまない。そう、彼は誰よりも王者であった。「…ナレーションいらん。何してるんだ」「え？ルカ様ごっこ」「……」教育上どうなのか。とりあえず、デュナンは平和である。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「こいつはグレミオの斧だ。ついでにマントも。あのソニエール監獄から俺が……今夜のうちに渡しておこうと思ってな」「ありがとう、ビクトール。…でも」ロンはグレミオのマントを強く抱きしめ、寂しげに微笑んだ。「これ、お酒臭い」「わりぃ。この前それに酒こぼしちまって」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

多分、この海には還れない。港で一人、左手の罰を眺めぼんやりする頭に、ぽすりと乗せられた手。「心配すんな。俺も同じだ」そう言って笑ったくせに。………って、そういえばテッドに8万ポッチ借りっ放し。あ、借りてた本も水没させちゃったっけ。……。うん、君の分まで生きるから！ #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「カットバニーの肉と塩、醤油を適量」「ロンさん、お料理ですか？」「うん。カズラーの葉、薔薇の粉末…」「え…？」「最後にミノタウロスの肝、と」「あの…グレミオさんのレシピです？」「ううん？ナナミちゃん。はい、どうぞ」「……(ぱく)」……。「ええぇぇぇ何コレ美味いっ！？」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「あなたの心、とても広くて深い音をしています」「そんな事がわかるの？」「はい。心は正直ですから。あなたの素直な心の音が―」「ええ！？ちょ、ちょっと待って出直してくる！！」「…アキトさん」「……はい」「たとえあなたが軍主でも。妹はやりませんから」「……」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

「瞬きの手鏡がない！？」「さてはあいつかビクトール！」「嘘だろ、徒歩で本拠地まで帰るのか！？」「っていうか、手鏡持ってるならとっくに戻ってきていいぞ！」「どこで飲んだくれてやがるんだ、あの熊！」その頃、倉庫。「…何だこれ。鏡？」とんだ濡れ衣。 #幻水散文

せんか @mts_3733

雨が降る。テラスファルマの血で汚れた刃が、鎧が、身体が洗われる。トルワドは息を吐いた。所詮ひと時の平和で、今の戦いが終わったとしてもすべてが救われるわけではない。それでも。生きるためには戦い続けなければならなかった。雨がすべてを流してくれることが、今は救いだった。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

多くの忠臣を従え、貴方は優れた王になる。だが私は不死ならぬ身。せめて今、この時だけでも……マイ・ロード。「…と言うような軍師様の伝記が読みたいと言われて」「……」「あの、添削しますか？」「衛兵！本拠地に火を放て！！敵は内にあった！！」「ええぇぇ！？」 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

軍師シュウ。幾手でも先を読み、倍以上の軍勢をも打ち破った。その功績を記す最後の項目は、栄えある最終決戦についてである。「アキト殿、お気を付けて」「うん。行くよ！ムササビーズ！！」『ムムーッ！！(大合唱)』何故止めなかった。天才の思惑は、未だ解明されていない。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

ヴァンサンとシモーヌ。金や物より深い友情で結ばれている。「え？シモーヌと喧嘩？またバラの胸飾り？」「そんな瑣末な事ではありません！」「…？」「彼が…彼が淹れた私のお茶が、2度低かったのです！」「……」「おお…私は、彼を！信じていたのに！！」まぁ、何事にも例外はある。 #幻水散文

椎＠妄想の紋章 @27rune

清々しい朝。仲間達が起こしにくる。頑張ろうって気になれる。一昨日「早くしろよ。寝坊するぜ」昨日「こりゃ、さっさと起きんか！」今日「うーっす。朝っすよー」……ねぇ、ナナミもアイリも、もしかして実は僕が嫌い？ #幻水散文