精米でＤＱ風パロ～おてんば王子の冒険～

煌＠妄想専用【ベカ☆ひと300】 @kou_humo

残っていた偽従者の話では自分達は旅芸人の一座で、ネタの一環として姫一行のふりをしていたこと。偽姫を助けたければ洞窟にある『黄金の腕輪』を持ってこいと言われたことがわかりました。「仕方ない。彼女を助けるために腕輪を探しにいこう」 #テニプリＤＱパロ

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『黄金の腕輪』は洞窟の奥に封印されていました。ユキムラの武術、ヤナギの魔法、サナダの奇声と剣技で魔物を蹴散らしながら、ユキムラは『黄金の腕輪』を手にします。しかし手にした途端に強烈な悪寒に襲われました。「なんだろう…よくない予感がする」 #テニプリＤＱパロ

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「どうかしたのかユキムラ」「あ、ああ。なんでも…」呼び掛けられてはっとしたユキムラが慌てて立ち上がりました。その横を火球が通りすぎ、ユキムラの頬を僅かに焼きます。「…っ！？」「ユキムラ！」いつの間にか現れたメラゴーストの仕業でした。 #テニプリＤＱパロ

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「ヒャド！」ヤナギが呪文を唱えます。氷が苦手なメラゴーストはたちまち消滅しました。「ユキムラ！大丈夫か！？」「あ、ああ。かすり傷だよ」「見せてみろ。…ホイミ！」サナダの回復呪文でユキムラの火傷は綺麗さっぱり完治しました。たとえそう見えなくても彼は一応神官です。 #テニプリＤＱパロ

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「これで傷は残らんだろう」「…ありがとう、サナダ」「何これしき容易いことだ」「姫様の顔に傷を残すわけにいかないしな」二人の言葉に、ユキムラが頬を膨らませて腰に手を当てます。「あのさ、三人の時はいい加減やめない？それ！」 #テニプリＤＱパロ

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「それ、とはなんだろう。ユキムラ姫」「だーかーらー、それだよ、それ！お姫様扱い！」「だがお前はサンリッカイムの王女として」「俺は！男だってば！」ユキムラがムスッとした表情で二人を睨みます。二人は困った顔でお互いの顔を見合わせました。 #テニプリＤＱパロ

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「まったく、いくら亡くなったお母様の遺言とは言えなんで俺がお姫様扱いされなきゃダメなんだよ！」「お前が男であることを伏せ、姫として育てよと亡き女王が神託を受けたのだから仕方あるまい」「俺の意志はどうなるんだよ！…もう慣れたけどさ」 #テニプリＤＱパロ

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「大丈夫だユキムラ」サナダがユキムラの肩に手を置きました。「お前は男だろうと女だろうと間違いなく美しいぞ！」ユキムラが微笑みます。「今そんな話してないぞサナダ」一行は洞窟から出るために歩き出しました。鳩尾に拳を叩き込まれて踞るサナダを置いて。 #テニプリＤＱパロ

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誘拐犯に腕輪を渡したユキムラは人質を無事に助け出しました。偽姫はそれはそれは感謝して、ユキムラに盗賊の鍵という貴重なアイテムを譲ってくれます。一行はそれを手に、今度は噂に聞いた砂漠のバザーに向かうことにしました。 #テニプリＤＱパロ

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砂漠のバザーにユキムラ一行がやってきました。「賑やかだね！」「ふむ。掘り出し物が多そうだ」「む！いい剣があるではないか！」各々気になるものを見付けたらしく早速方々にわかれていきます。 #テニプリＤＱパロ

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小一時間後。「見て見て～、くさりがま！」ユキムラが満面の笑みで振り回すと、回りの空気がヒュウと悲鳴をあげました。「ユキムラ、振り回すのは止めなさい」「ちぇ。あ、ヤナギはなにそれ」「古文書だ。傷みが激しいが解読できなくもない」「流石だね、あれ、サナダは？」 #テニプリＤＱパロ

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「遅くなってすまない！」走ってきたサナダは一見何も持っていませんでした。「遅かったわりに何も買わなかったのか？」「俺が武器屋に行ったときもう居なかったよね、どこを見てたんだい？」「む、あ、いや。まあ色々と」サナダが握りしめた手を後ろに隠しました。 #テニプリＤＱパロ

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「あ！サナダ今何か隠した」目敏く見つけたユキムラが指差しました。「ほう？」「いや、これはまだその」「なんだよさてはエッチィ本だろ！見せろ！」「な、ハレンチな！よせユキムラ！」「姫の命令だぞ大人しくしろサナダ！」じゃれあう二人の元に誰かが近づいてきます。 #テニプリＤＱパロ

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「ユキムラ」「ん？」ヤナギに声をかけられたユキムラが顔をあげます。「ああ、やはりユキムラ姫でいらっしゃいましたか！」そこに居たのはお城の兵士でした。記憶が確かならたしか部屋の扉の前に居て、ユキムラに真っ先に殴り倒すと想定されていた人です。 #テニプリＤＱパロ

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「ひ、人違いです！」父王が連れ戻すために派遣した追っ手だと思ったユキムラは回れ右をしますが、兵士が慌てて声を張り上げます。「お待ちください姫！父君の…国王陛下の一大事なのです！」ユキムラの足がピタリと止まりました。「…、っなんだって！？」 #テニプリＤＱパロ

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「お父様！！」慌てて城へと引き返したユキムラはその勢いのまま謁見の間に飛び込みます。しかしいつもならユキムラのお転婆な行動を厳しく叱るその声が聞こえません。王様は不在なのか？いえ、その玉座にはしっかりと王様が座っていました。 #テニプリＤＱパロ

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ユキムラは慌てて王様の元に駆け寄ります。「お父様、どうなされたのですか！」王様は答えようと口を開き…だけど声を出すことなく首を横に振りました。「お気の毒に、陛下は昨日からこのような目に…」隣に控える大臣が肩を落としながら話し出しました。 #テニプリＤＱパロ

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昨日の朝、寝所から出てきた王様はとても難しい顔をしていました。大臣が心配になって声を掛けると、王様は「良くない夢を視た」と答えました。王様には予知の力が備わっています。その夢はきっと何かの警鐘だったのでしょう。大臣がどんな夢かを訊ね、王様が重く口を開きました。 #テニプリＤＱパロ

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「しかしその時から陛下はお言葉を無くされて…。きっと夢に現れた悪しき力が陛下からそれを告げられるのを拒んだのです。ああ、どうすれば…」大臣は堪らず泣き出してしまいました。王様も表情を曇らせます。「…私が、お父様を助けます！」力強く宣言したのはユキムラでした。 #テニプリＤＱパロ

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「しかし姫様」「きっとお父様を助ける方法があるはずだ！待っていてくださいお父様！サナダ、ヤナギ、行くぞ！」「「はっ！」」ユキムラが叫んで、二人と共に勢いよく謁見の間を飛び出します。大臣は頭を抱えました。一方王様は目を細めてそれを見送りました。 #テニプリＤＱパロ

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「さて、啖呵切ったはいいけど、どうするか」「俺に提案がある」ヤナギが手を上げました。「先ほど買ったこの古文書、どうやら古今東西の呪術の使い方と解き方が載っているようだ」「じゃあ！」「解読に一日…否、一晩貰いたい」「もちろんだ、頼んだよヤナギ！」 #テニプリＤＱパロ

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ユキムラは久しぶりに自分の部屋にいました。旅に出てからさしたる時間も経っていないはずなのに、随分懐かしく感じます。壁にブチ開けた穴は必死で修繕された跡が残っていました。父親が気になって何となく寝付けず、ユキムラは城内を散歩することにしました。 #テニプリＤＱパロ

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城の裏手にはまだ灯りがついている小屋がありました。城の知恵袋である爺やがいる小屋です。きっとヤナギが古文書解読に協力を申し出たのでしょう。さらに進むと中庭に人影が見えました。ユキムラはゆっくりと中庭に向かいます。 #テニプリＤＱパロ

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中庭で無言で素振りを繰り返しているのはサナダでした。ユキムラは声をかけようかと思いましたが、しばらく眺めていることにしました。やがてサナダが手を止めたので改めて声をかけます。「神官なら素振りじゃなくて祈りの言葉を唱えるべきじゃないのか」 #テニプリＤＱパロ

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「む。居たのかユキムラ」「気配を読めないなんて、たるんでるね」「すまない…まだ修行が足りぬようだ」「修行って…だからさ、お前は神官だろ？」ユキムラが呆れたように肩をすくめますが、サナダはまっすぐユキムラを見つめ返します。「しかし俺はお前を守らなければならない」 #テニプリＤＱパロ