精米でＤＱ風パロ～おてんば王子の冒険～

煌＠妄想専用【ベカ☆ひと300】 @kou_humo

あるところにサンリッカイムという大きな国がありました。その国には予知能力を持つという偉大な王様と、その一人娘であるお姫様がいました。お姫様の名前はユキムラ。とても見目麗しい姫でしたが、少々お転婆が過ぎることが王様の悩みの種でした。 #テニプリＤＱパロ

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今日もユキムラが王様に訴えます。「お父様、私は自分の腕がどれだけ通用するか試したいのです。旅立ちをお許しください！」「駄目じゃ。そなたに危険な真似はさせられぬ」「…お父様のケチ！」「これ姫、言葉遣いを！…やれやれ。姫が抜け出さぬよう部屋に見張りを」「は！」 #テニプリＤＱパロ

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「ちっ、お父様め、見張りをつけたな…」ドアの隙間から覗いた景色に、ユキムラが舌打ちします。一人位ならぶん殴って黙らせるのですがもう一人に悲鳴をあげられたら厄介です。今の思考から解るようにユキムラは武術の心得がありました。決して危険思考ではありません。 #テニプリＤＱパロ

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だけどお父様はミスを侵した。ドアに三人。窓に二人。見張りは計五人。全員を一瞬で叩きのめすのが無理なら、別の道を選択するだけのこと。見張りのいない場所…そう、壁！！(※1：ユキムラは真剣に考察中です)(※2：決して危険思考ではありません) #テニプリＤＱパロ

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ユキムラは外壁にあたる壁を二、三度コンコンと叩いて感触を確かめます。「いける…！」普通いけるわけないですがユキムラ様に常識は通用しません。「はあああ…」静かに氣を溜め「掌底・発剄！」明らかにゲーム違いの技を繰り出しました。 #テニプリＤＱパロ

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その日の出来事をリッカイハイムの住民はこう語る。「ええ。もの凄い衝撃音と振動でした。地の底から古の魔王でも現れたのかと思いましたよ。だけどうちの姫様の仕業だと聞いたら、納得しました。姫様ならやりますね」後に『ユキムラ姫壁ドン事件』と呼ばれる出来事である。 #テニプリＤＱパロ

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壁に開いた穴から、ユキムラは意気揚々と城を抜け出します。城は先ほどの衝撃でパニック状態。城下も騒然としていて、身軽な服装に着替えたユキムラ姫が街を歩いてるなんて誰も気づきません。こうしてユキムラは多大な被害を払いながら旅立ちの第一歩を踏み出したのです。 #テニプリＤＱパロ

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「来ると思っていたぞ」街の外に踏み出そうとしたとき、背後から声が聞こえました。「げ」ユキムラが顔をしかめて後ろを振り向きます。そこにはユキムラの教育係であるヤナギと護衛を兼ねる神官サナダが立っていました。 #テニプリＤＱパロ

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「サナダ、ヤナギ…」「お前が城を抜け出す確率98％」「ユキムラ、水臭いぞ、俺も」「頼む！見逃して！ちゃんと帰ってくるから！」「うむ。だから俺が」「お前のお目付け役である以上そういう訳にはいかない」「だからおr」「「黙ってろ」」「…う、うむ」 #テニプリＤＱパロ

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「まあ、お前をここで連れて帰ったところでお前が大人しくなる確率は限りなく低い。幸いお前の武術の腕は折紙付きだ。俺の魔術と…一応サナダがいれば、なんとかなるだろう」「じゃあ…！」「我ら二人、姫の旅に同行しよう」「ありがとう！」「…」「「喋れよ」」「う、うむ！」 #テニプリＤＱパロ

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こうしてサンリッカイムのお姫様ユキムラと、お目付け役の宮廷魔導士ヤナギ、そして空回り護衛神官のサナダは共に旅をすることになったのでした。一行はまずヤナギの助言からペテン村へと向かいます。 #テニプリＤＱパロ

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たどり着いたペテン村はどんよりと憂鬱な雰囲気に包まれていました。道行く男達は項垂れながら歩き、なぜか女性見当たりません。「覇気のない村だな」「一発ガツンと気合い入れてやろうか」「止めておけユキムラ。…もし、そこの人。少し話を聞かせてもらえるだろうか」 #テニプリＤＱパロ

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村人に案内されてやってきた村長の屋敷で、三人はとんでもない話を聞きました。村の近くに住み着いた魔物に生贄を要求され村の娘がことごとく犠牲になったそうなのです。今、いよいよ最後の娘も生贄になる前に教会で祈りを捧げているのだとか。「そんなの許せない！」 #テニプリＤＱパロ

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ユキムラは早速教会に殴り込み(文字通り扉を殴ってぶち開けようとして二人がかりで止められました)生贄の少女と対面しました。「お…私がその魔物をやっつけてあげるよ！」「うむ！そのような魔物捨て置けぬ！」「というわけで君にも協力願いたい」 #テニプリＤＱパロ

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村の祭壇に生贄がやって来たのを確認すると、カメレオンマンという魔物があばれこまいぬを連れてやってきました。「こいつが新しい生贄か」「そうさ、そしてこれがこんなくだらないこととお前の最期だ！」生贄の少女の格好をしていたユキムラが立ち上がりました。 #テニプリＤＱパロ

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傍に隠れていたサナダとヤナギも戦いに加わりました。「騙したな、かかれ！」カメレオンマンがあばれこまいぬをけしかけます。しかしサナダたちがユキムラの前に立ちはだかりました。「ユキムラ、こいつらは俺たちが！お前はヤツを討て！」「わかった！」 #テニプリＤＱパロ

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「ヒャド」ヤナギが杖を振ると鋭い氷柱が現れ、あばれこまいぬに降り注ぎました。あばれこまいぬはその痛みに悲鳴をあげます。「キェエエイ！！」一方サナダは奇声をあげながらあばれこまいぬに斬りかかりました。一応職業は神官です。この世界の神職攻撃的すぎるだろJK。 #テニプリＤＱパロ

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サナダたちがあばれこまいぬを引き留めている間に、ユキムラはカメレオンマンの前に躍り出ました。「今までの悪行の数々。この国の王族として許さない！その命でもって償え！」「ぬかせ小娘が！」カメレオンマンが大きな口を開けました。 #テニプリＤＱパロ

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カメレオンマンの口から伸びた長い舌がユキムラを襲います。「くっ」ユキムラは素早く距離を取りました。舌が地面に叩きつけられ地面がへこみます。すごい威力です。「やるな…」だけど怯んでは攻撃が出来ません。戦いは攻撃あるのみ。これユキムラの持論です。 #テニプリＤＱパロ

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「舌が邪魔で近づけないならっ…」ユキムラがまっすぐに走り出します。「バカめ、喰らえ！」カメレオンマンの舌がユキムラ目掛けて伸びますがユキムラは逃げません。目前に迫る舌を…物凄い力で掴み取りました。「んなあ！！？」カメレオンマンもびっくりの荒業です。 #テニプリＤＱパロ

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「これで攻撃できないし逃げられないね」ユキムラがニコリと笑います。カメレオンマンは舌を戻そうとしますが、相手は壁をぶち壊すバワーＳクラス。握りしめる力が強すぎて戻すことなど出来ません。というか握られ過ぎて物凄く舌が痛いです。完全に涙目です。 #テニプリＤＱパロ

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「じゃあ、お仕置きねっ」ユキムラの笑顔がカメレオンマンには地獄の門番のそれに見えました。ユキムラが拳を握りしめます。そして気合一閃地面に叩き込みました。「魔神拳！」性懲りもなく別のゲームの技です。まあドラクエだと『たたかう』しかないから仕方無いね！ #テニプリＤＱパロ

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ユキムラの拳から繰り出された衝撃波が地面を伝ってカメレオンマンにぶち当たりました。「んぎゃあああ！！」カメレオンマンは絶叫して倒れます。ほどなくあばれこまいぬを倒した二人もユキムラの元にやってきました。 #テニプリＤＱパロ

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「やったなユキムラ！」「これでもう村の皆が怯えることもなくなるだろう」「ああ。村に帰ろう！」魔物たちが霧散したのを確認し、ユキムラたちは村に戻りました。村で厚く厚く感謝された三人はそのままジャカールの町を目指します。 #テニプリＤＱパロ

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ジャカールの町は「姫様と二人の従者がやってきた」と大盛り上がりでした。当の本人たちはやってきたばかりなので首を傾げます。「偽者がいるのかもしれないな」「何、けしからん！」三人は早速姫一行が泊まっている宿に向かいます。しかし偽姫様は何者かに誘拐されていました。 #テニプリＤＱパロ