双子でDQ風パロ~ロッカクカクの兄弟~

復讐に燃える兄弟の仇討ちまでの道のりを描いた手に汗握る(?)愛しさと切なさの冒険記(DQ4第四章のパロディ)
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煌@妄想専用【ベ☆カ☆ミひとすじ300年】 @kou_humo
ここは歌と踊りの町、ロッカクカク。街の真ん中にそびえ立つ劇場では夜な夜なショーが繰り広げられています。今日も劇場は大にぎわい。それというのも、今ここでは有名な踊り子であるリョウが素晴らしいダンスを披露しているのです。 #テニプリDQパロ
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~チャ~ララ ラ・ラ・ラ♪(某校歌をご想像ください)ビシッと決め顔でポーズを取る、長い黒髪が艶っぽい美少年。彼が有名な踊り子、リョウです。彼のダンスが終わった途端大きな歓声と拍手が響き渡りました。 #テニプリDQパロ
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「きゃー、リョウくーん!」「カッコいー!」観客の大半は女性でした。当たり前ですが。むしろ時々鼻息荒く興奮している男性客が混じってることの方が突っ込みどころでしょうか。リョウはそれでも笑顔のまま手を振って舞台裏へ帰っていきます。 #テニプリDQパロ
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「お疲れ、リョウ」舞台裏に引っ込んだリョウにタオルを渡したのはリョウでした。いえ、顔立ちはとてもよく似ていますが別人です。リョウとそっくりの艶やかな黒髪を短く切り揃え、代わりに赤くて細長いハチマキを風にたなびかせていました。 #テニプリDQパロ
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「ありがとうアツシ」リョウは受け取ったタオルで顔を拭きます。隣で次に水を用意しているこの少年はアツシ占い師をしているリョウの双子の弟です。「それで、いた?」「うーん、俺好みの海遊びが好きそうな子は特には…」「誰もそんな話してないよ」 #テニプリDQパロ
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「バルザックだろ、バルザック!」「わかってるって、冗談だよアツシ」「そういう冗談は好きじゃないよ」憮然とするアツシに軽く謝りながらリョウが水を飲み干します。すると後ろからこの劇場のオーナーがやってきました。 #テニプリDQパロ
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「リョウ、お疲れさま!」「オーナー!」「今日までのお給金だよ。いや君を雇って良かった。今までにない層のお客が増えたからね」「お役に立てたなら良かった」金貨の入った袋を受けとり、リョウがにこりと笑いました。「…本当に行ってしまうのかい?」 #テニプリDQパロ
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オーナーの言葉に二人は顔を見合わせますが、同時に頷きました。オーナーはため息をつきます。「そうか…これからも働いて欲しかったが、しかし、敵討ちという目的がある以上、引き留めることもできんな」「スミマセン、オーナー」 #テニプリDQパロ
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リョウとアツシ。二人の父親は弟子を取るほどに高名な錬金術師でした。しかし弟子の一人だったバルザックが突然父親を惨殺し、もう一人の弟子にも重症を負わせて逃走したのです。二人はバルザックを追い、仇を取るために旅をしていたのでした。 #テニプリDQパロ
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部終わったら戻っておいで。いつでも雇わせてもらうよ」「…はい!」「そうだ。二人ともたまには故郷に戻ってお父さんのお墓に顔を見せてあげるのも大切だよ、今日はゆっくり休んで明日から出発しなさい」「何から何まで、ありがとうございます #テニプリDQパロ
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今までに使わせてもらっていた控え室の一室。リョウは今日のダンスで疲れたのかすぐに眠ってしまいました。アツシは机に置いた水晶玉に手をかざし、中を覗きます。水晶には小さな七つの光が真ん中の弱い光を護るように輝いていました。 #テニプリDQパロ
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「導きの星…今はまだ勇者様はお目覚めになっていない…。僕らだけじゃ…、…それでも、僕は…」アツシは小さく呟くと首を振り、水晶玉を荷物袋に丁寧にしまいました。リョウの横のベッドに身を沈めます。明日は久しぶりの里帰りです。 #テニプリDQパロ
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翌日、二人はロッカクカクから北に行ったところにある、生まれ故郷のバネッサの村を目指して歩いていました。途中で現れる魔物たちに得意の呪文をお見舞いします。「ギラ!」「バギ!」魔物はたちまち霧散していきました。 #テニプリDQパロ
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久しぶりに帰ってきたバネッサ村は、娯楽など何もない小さな村でしたが、そこに流れる変わらない穏やかな空気に、二人はホッと息をつきました。村人も二人に気付くと笑顔で迎えてくれます。二人は軽く挨拶を交わしながら、自分達の家へと向かいました。 #テニプリDQパロ
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「わんわんっ」「ユウタ!」二人の元に駆け寄る犬。それはアツシが飼っていた犬のユウタでした。「わん!」ユウタはまるでついてこいと言わんばかりに走っていきます。向かった先は地下室でした。「っユウタそこは…」「アツシ、行こう」 #テニプリDQパロ
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地下室は、父が殺されたまさにその場所でした。二人にはわからない道具や家具が散乱したままであの日の凄惨さを思い出させます。辛そうに目を伏せるアツシを気遣いながら、リョウはユウタの後を追いました。そこには、「わ!みつかっただーね!」 #テニプリDQパロ
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「スライム…?」地下室の隅に居たのは一匹のスライムでした。普通のスライムよりちょっぴりアヒル口なこと以外は何の変哲もないスライムです。「留守にしてる間に魔物が…」リョウが手を振り上げました。「ま、待つだーね!俺は悪いスライムじゃないだーね! #テニプリDQパロ
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「待って、リョウ」アツシが声を掛けました。「そのスライムからは邪気を感じない。うちの中で無駄な争いは必要ないよ」「…アツシがそう言うなら、別にいいけど。命拾いしたな、アヒル」「アヒルじゃないだーね!…でも、ありがとうだーね」スライムがピョンと跳ねました。 #テニプリDQパロ
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「君はなんでこんなところに?」「俺はここから西にある洞窟に住んでただーね。だけど人間の言葉が話せる変わり者ってみんなにいじめられて…」スライムはしゅんとしたように体をぺたんこにしました。「で、いつもみたいにみんなにいじめられてる時に助けてくれた奴がいただーね」 #テニプリDQパロ
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「そいつはいじめっこを追い払って、ここに行けばいいって言ってくれたんだーね。ここは今人がいないし、もし帰ってくる人たちがいてもとても優しいから大丈夫だって!」「助けてくれた人?」「サエキって名前だっただーね」「サエだって!?」 #テニプリDQパロ
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リョウが大声をあげました。アツシも驚いた表情を浮かべます。サエキ、彼は錬金術師である父の弟子の一人であり、二人の幼馴染みでもありました。事件の日、バルザックに重症を負わされいつの間にか消息を断ってしまっていたのです。 #テニプリDQパロ
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「サエキを知ってるだーね?」「ああ、友達だ!」「サエキなら今も西の洞窟にいるはずだーね。ある目的のために昔負った怪我を密かに癒していると言ってただーね」「リョウ…」「ああ。サエの目的もきっと…会いに行こう #テニプリDQパロ
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二人はスライムに誰にも迷惑を掛けないならここに居てもいいと許可しました。スライムは大喜びで了解し二人を跳び跳ねながら見送ります。二人は当初の目的通り、まずは家の裏にある父の墓へ向かいました。 #テニプリDQパロ
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墓は静かに二人を迎えました。周りの草は綺麗に手入れされています。父を慕っていた村人がこまめに手をかけてくれているのでしょう。二人は手を合わせました。「父さん…」「俺たちが必ず父さんの無念を晴らすよ…」「どうか見守っててね…」 #テニプリDQパロ
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お祈りを済ませた二人はユウタに振り返ります。「ユウタ、父さんの墓とあのスライムを頼むね「わん!」ユウタは力強く返事をすると墓の前に伏せました。尻尾を振って見送るユウタに手を振りながら、二人は西の洞窟に向かいます。 #テニプリDQパロ
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