名張事件第7次再審請求差戻後異議審決定の理論的問題点

斎藤司龍谷大准教授(刑事訴訟法)による解説
法律 冤罪 社会科学 犯罪 司法 裁判
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斎藤司 @tsukassaito
以上のように、今回の名張再審の決定は、明らかに最高裁判例に反するものであり、また再審を支える原則などからみても全く支持できるものではないのです。最高裁が早急に同決定を取消し、さらには自ら再審開始することを願ってやみません。長文・乱文失礼しました(終)。
斎藤司 @tsukassaito
が発生しているにもかかわらず、旧証拠も加味しての判断を行っていないこと、で問題です。さらに、②との関係では、上記「疑問」が発生しているのに、具体的根拠に乏しい、しかも請求人らが主張していない根拠に基づく「推論」でその疑問を排斥しています。「疑わしき」原則どこ吹く風です(続。
斎藤司 @tsukassaito
そして、②再審はえん罪の救済を目的とするものであり、「疑わしきは被告人の利益に」原則が適用されることにあります。今回の名張再審決定は、①についてまさに新証拠に「本件毒物がニッカリンTではなかったこと」を証明するという過度の役割を求めた点。「ニッカリンTではないかも」という疑い(続
斎藤司 @tsukassaito
確定判決が完全に崩壊する(無罪が証明される)のではなくて、確定判決が「揺らぐ」(確定判決の認定に「疑問」が生じる)のであれば、再審は開始されるべきとされたのです。白鳥・財田川決定は、まさにこのことを判示したのです。このように同決定の意味は、①新証拠のみに過度の役割を課さない(続。
斎藤司 @tsukassaito
新証拠「のみ」で判断するのではなく、まさに「この確定判決は正しかったのか」が問題とされるようになったのです。さらに重要なのは、この「正しかったのかどうか」をどのように判断するかです。この点、その判断の際に「疑わしきは被告人の利益に」の原則が適用されるという立場が強くなりました続。
斎藤司 @tsukassaito
そこで定着してきたのが、新証拠だけでなく、確定判決が基礎とした「旧証拠」も加味して判断しようという考えです(総合評価説)。つまり、確定判決といっても、非常にあいまいかつ「怪しい」確定判決もあり、そのような判決は非常に弱い新証拠でも「無罪だ」ということにもなります(続)。
斎藤司 @tsukassaito
さらに、戦前の刑訴法が認めていた、無罪となった人を有罪にするための再審(不利益再審)を現行法は廃止しました。つまり、再審自体が、誤って有罪とされた者を救済するための制度となったのです。困難さと再審の理念から、新証拠だけで再審開始を判断しようとする見解は、次第に弱くなりました(続。
斎藤司 @tsukassaito
刑訴法435条6号は、無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見を再審開始の要件としています。これは一見、新証拠だけから「被告人は実は無罪だった」ことが明らかとなる状態が予定されているように見えます。しかし、それは事実上かなりの困難を伴います(続)。

コメント

moritatsu @moritatsu 2012年5月26日
一番上が新しく、一番下が古い発言になっているため、いったん下までスクロールしてから上に戻る形になって読みにくくなっています。逆方向に並べ替えて読みやすくしていただいた方が、たくさんの方に読んでいただけるのではないでしょうか。
furukawaKeee_go @Keee_go 2012年5月27日
下から読むんですな。
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