- tenteisama
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順一氏は、簡単にいえば、放射線による被曝によって細胞に傷がつくと考えてください、という。細胞には自己修復能力があるので、多少の傷は直せる、と。でもこれは、大きな誤解を招く表現だ。
2012-05-31 21:23:44まず正確には、細胞に傷がつくわけではなく、DNAが放射線によって切断されるという現象が起こる。これは順一氏もtwitterに書いているので良い。
2012-05-31 21:26:51では、何が危険と考えられるか。切断されたDNAを修復する際に別の塩基をゲノムに組み込んでしまう、つまり、塩基配列に変異が入ってしまうことがある。
2012-05-31 21:35:12ミトコンドリアゲノムは、ほとんどの領域に遺伝子がコードされている。そして、それらの遺伝子は細胞のエネルギー産生に関連している。
2012-06-01 00:02:16細胞のゲノムの変異は一度固定されてしまうと、それは修復されるどころか、増幅される。増幅された変異は子供に遺伝する。核ゲノムの場合、両親からゲノム情報をもらうことになるので、変異は半分になる。
2012-06-01 00:45:39だから、ミトコンドリアゲノムの変異は、順一氏がいうような「細胞に傷が付くが、修復機能があるから大丈夫」というわけにはいかない。
2012-06-01 00:48:43そういえば、順一氏のスライドを初めて見た時に「半減期」の説明に違和感を感じた。彼はあたかも「放射性物質が直線的に減少し、半分になる年月」のように言っているが、実際は違う。個数の問題ではなく、強さの問題。また、直線的な減少でもない。
2012-06-13 22:58:47放射線傷害の厄介なのは、目に見える健康被害が出にくいところだ。ゲノム配列に少々の変異が入ったところで、遺伝子の機能が失われることはほとんどない。
2012-06-17 21:15:58特に、核ゲノムの場合は2本1組の染色体を持つので、変異のある遺伝子は半分しかその子供には遺伝しないが、その子供(つまり孫)の両親が2人とも変異遺伝子を持つ場合は、都合の悪い遺伝子が隔世遺伝してしまう。
2012-06-17 21:17:30だから、比較的高線量の地域に住んでいて、今、健康被害が何も出ていなくても、子の代、孫の代までモニタリングしていかないといけない。
2012-06-17 21:18:23「実際住んでいるけど全然問題ないですよ。」と言っている人がいるが、「これからはどうなるかわからない」という認識が必要。
2012-06-17 21:18:59心疾患とミトコンドリアゲノムの変異の関連性が、最近わかってきているが、チェルノブイリの事故による心疾患の増加は、ミトコンドリアゲノム傷害と関係があるのではないか。
2012-06-17 21:20:36「高線量」とツィートしたが、この場合は福一原発事故の影響で線量が「高い」と言われる地域のことを指してます。高線量の定義に誤解があるといけないので。
2012-06-17 21:23:58